「ご一考のほどよろしくお願い致します」意味と使い方・例文

ご一考のほどよろしくお願い致します(読み:ごいっこう のほど よろしくおねがいいたします)

の意味、ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。

ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

意味

まずは「ご一考のほどよろしくお願い致します」の意味と敬語について。

順をおって解説していきます。

ご一考のほど〜意味は「一度考えてもらうよう・してくれるよう」

「ご一考のほど〜」の意味は「一度考えてもらうよう〜」あるいは「一度考えてくれるよう〜」

「ご一考」のもととなる単語は「一考」であり尊敬語「ご」をつかって敬語にしています。

相手にあなたの提案や製品・サービスを「検討してもらうよう〜」「検討してくれるよう〜」という意味になります。

「ご一考の程」というように漢字を用いてもOKです。

ご一考のほど〜の「のほど」ってどんな意味?

ここで「ご一考のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。

断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。

たとえば、

  1. ご査収のほどお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」
  2. お取り計らいのほどお願い申し上げます
    意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」
  3. ご確認のほどお願い申し上げます
    意味「確認してくれるよう、お願い」
  4. ご了承のほどお願い申し上げます
    意味「了解してもらうよう、お願い」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

よろしくお願い致しますの意味は「お願いする」の丁寧な表現

「よろしくお願い致します」の意味は「よろしくお願いします」

もととなる単語は「願う」であり謙譲語「お〜いたす」に丁寧語「ます」を使って敬語にしています。

ここでつかう「よろしく」には深い意味はありません。何かを頼んだりするときに添える語です。

「よろしく」は「宜しく」というように漢字を用いてもOK。また「お願いいたします」は平仮名でも漢字でもOK。文章のバランスを考えて読みやすいように使いましょう。

あわせると意味は「一度考えてもらうよう、お願いします」

  1. ご一考 = 一度考えてみること
  2. のほど = 「〜してもらうよう」あるいは「〜してくれるよう」の意味
  3. お願い致します = お願いのかしこまった敬語

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「ご一考のほどよろしくお願い致します」の意味は…

「一度考えてくれるよう、お願いします」
「一度考えてもらうよう、お願いします」

のように解釈できます。

それでは次項より使い方についても見ておきましょう。

使い方・例文

つづいて「ご一考のほどよろしくお願い致します」の使い方について。

依頼・お願いのビジネスメール結び締めに使うフレーズであり決まりきった使い方のみ。

使い方「依頼・お願いのビジネスメール結び締め」

「ご一考のほどよろしくお願い致します」の使い方。

何かしらの依頼・お願いのビジネスメール結び締めとして使います。取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使えます。

たとえば、

  • 例文「ご一考のほどよろしくお願い致します」
  • 例文「ご一考のほど何卒よろしくお願い致します」

のようにして何かの依頼・お願いをともなうビジネス文書やビジネスメールで結び・締めくくりとして使われます。

具体的にはたとえば、見積書を送付するビジネスメールのとき。

-ビジネスメール例文-

ご依頼の件、添付ファイルにて見積書を送付いたします。ご不明な点がございましたらお申し付けください。ご査収の上、ご一考のほど宜しくお願い致します。

みたいにメール結びとして使えます。

まぁ、ようするに「検討してね!よろしく」という意味なのです。

「ご一考のほど何卒よろしくお願い申し上げます」としても丁寧

ところでビジネスシーンでは、

「ご一考のほど宜しくお願い致します」としても丁寧ではありますが…

「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい、

「ご一考のほど何卒よろしくお願い致します」

あるいは「お願い致します」とおなじ意味の「お願い申し上げます」をつかい、

「ご一考のほど何卒よろしくお願い申し上げます」としても丁寧です。

頭の片隅にいれておきましょう。

「お忙しいところ〜」など気づかいのフレーズを組み合わせる

ビジネスメールの結び締めをより丁寧にするためのコツ。

相手を気づかうフレーズを組み合わせると、より丁寧なメールになります。

たとえば「お忙しいところ恐縮ですが・恐れ入りますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。

  • 例文「お忙しいところ恐れ入りますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」
  • 例文「お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」
  • 例文「大変お手数ではございますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」
  • 例文「お忙しいところお手数お掛けしますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」
  • 例文「お忙しいところお手数ではございますが、ご一考のほどよろしくお願い致します」

※「恐縮・恐れ入る」はどちらも「申し訳なく思う」の意味

※「お手数」の意味は「お手間」

ご一考のほど・ご一考くださいますよう・ご一考頂きますよう・ご一考いただければ幸いです の違い

ところで「ご一考」の使い方というか続くフレーズには、

「ご一考くださいますようお願い致します」
「ご一考のほどお願い致します」
「ご一考頂きますようお願い致します」
「ご一考いただければ幸いです

というように主に4つあります。これって何が違うのでしょうか?

「ご一考くださいますようお願い致します」

の意味は「一考してくれるようお願い」

※「くれる」の尊敬語が「くださる」

「ご一考のほどお願い致します」

の意味は「一考してくれるようお願い」「一考してもらうようお願い」

のどちらの意味にも取れる。

「ご一考頂きますようお願い」

の意味は「一考してもらうようお願い」

※「もらう」の謙譲語が「賜る・いただく」

「ご一考いただければ幸いです

の意味は「一考してもらえたら嬉しいなぁ・幸せだなぁ

となり「ご一考くださる」なのか「ご一考いただく」なのか「ご一考のほど」なのか「ご一考いただければ〜」なのかでニュアンスが違います。

どれを使っても丁寧ではありますが使い分けについても考えてみます。

もっとも丁寧なのは「ご一考いただければ幸いです」

いろいろと考えてはみましたがこれまで示した例文はどれも丁寧であり、使い分けする必要性はありません。

強いて言うのであれば「ご一考いただければ幸いです」がもっとも丁寧なお願い・依頼のフレーズ。

これまでと同じようにビジネスメール結び締めとして使います。以下の例文をご参考にどうぞ。

  • 例文「ご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願い致します」
  • 例文「上記につきご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 例文「お忙しいところ大変恐れ入りますが、上記につきご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます」

「いただく」vs「くださる」の使い分けは難しい

せっかくですので「ご一考いただきますようお願い」「ご一考くださいますようお願い」の違いを考えてみます。

たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう

すると…

「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
「ご容赦いただきますようお願い申し上げます」
「ご了承くださいますようお願い申し上げます」
「ご了承いただきますようお願い申し上げます」
「ご検討くださいますようお願い申し上げます」
「ご検討いただきますようお願い申し上げます」

こんな敬語フレーズをよく使います。

実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…

ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。

「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」

もうひとつ、

「いつもご利用くださりありがとうございます」
「いつもご利用いただきありがとうございます」

上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。

で結論としては使う語によって「くださる」がよいのか「いただく」がよいのか、相性がありなんとも言えません。

結び・締めに使うフレーズとしては「くださいますよう」のほうが一般的で、お礼に使うフレーズとしては「いただきありがとう」を使うのが一般的です。

類語と言い換え

「ご一考のほどよろしくお願い致します」の類語と言い換えについて。

ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。

ご検討(読み:ごけんとう)

ビジネスシーンで使える「ご一考のほどよろしくお願い致します」の言い換え・類語「ご検討」

「ご検討」の意味は「よく調べ考えること」「いろいろな面から調べて、良いか悪いかを考えること」

「ご検討」のもととなる単語は「検討」であり尊敬語「ご」をつかって敬語にしています。

尊敬語をつかっているため自分ではなく相手が「検討すること」をうやまった言い回しです。

具体的には、相手があなたの提案や製品・サービスを「ご検討する」というようにして使います。

ビジネスメール結び締めとしては以下のように使うと丁寧です。

  • 例文「ご検討のほどお願い申し上げます」
  • 例文「ご検討いただければ幸いです。何卒よろしくお願い致します」
  • 例文「何卒ご検討くださいますよう宜しくお願い致します」
  • 例文「ご検討いただき誠にありがとうございます」

【注意点】ご一考はこう使う!

つづいて「ご一考」を使うときの注意点を解説します。

敬語を正しく使うことはもちろん、ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。

「ご一考いただければ幸いです」がもっとも丁寧

繰り返しにはなりますが、

「ご一考くださいますようよろしくお願い致します」
「ご一考いただきますようよろしくお願い致します」
「ご一考のほどよろしくお願い致します」

よりも

「ご一考いただければ幸いです」が丁寧です。

とくに厚かましいお願いごとや目上・取引先への依頼のさいには気をつけましょう。

前置きに気づかいのフレーズを!

こちらも繰り返しですが「ご一考のほどよろしくお願い致します」の前置きに気づかいのフレーズを使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

  • 恐縮=申し訳なく思うこと
    「お忙しいところ恐縮ではございますがご一考〜」
    「お忙しいところ大変恐縮ではございますがご一考〜」
    「たびたび恐縮ではございますがご一考〜」
  • 恐れ入る=申し訳なく思う
    「お忙しいところ恐れ入りますがご一考〜」
    「お忙しいところ大変恐れ入りますがご一考〜」
    「たびたび恐れ入りますがご一考〜」
  • お手数=お手間
    「お忙しいところお手数お掛けしますがご一考〜」
    「お忙しいところ大変お手数ではございますがご一考〜」
  • 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
    「誠に勝手を申し上げますがご一考〜」

「ご一考ください」でもOKだけど…もう少し丁寧に!

「ご一考ください」とする人も中にはいますが…私はオススメしません。

「〜してください」は「〜してくれ」の尊敬語「くださる」の命令形であるため敬語としてはOK。目下のヒトにたいする言葉づかいや、社内あてのメールであれば問題ありません。

ですが「〜してください」は結局のところ命令形であるため、どうしても強い表現です。

もっと丁寧なフレーズがあるのですからそちらを使うのが無難。とくに目上のヒトや取引先に何かをお願いするときには相手への気づかいが必要です。

【参考】「取り急ぎお礼まで」を目上の人に使わない理由・丁寧な言い換え

「お願いいたします=お願い申し上げます」で言い換えできる

初歩的ではありますが…

「ご一考のほどよろしくお願い致します」

「ご一考のほどよろしくお願い申し上げます

と言い換えできます。

あるいは「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」を使って、

ご一考のほど何卒よろしくお願いいたします」
ご一考のほど何卒よろしくお願い申し上げます」

としても丁寧です。頭のかたすみに入れておきましょう。

【例文】ビジネスメール全文

さいごに「ご一考のほどよろしくお願い致します」を使ったビジネスメールや文書の例文を紹介します。

アポイント日程調整メール例文

【社外・ビジネス】
訪問・アポイントの日程調整をするビジネスメール例文

件名: 貴社訪問のお願い(転職・ノマド)

ビジネス株式会社
営業部 ○○ 様

いつもお世話になっております。転職・ノマドです。

さて首記の件、最新ケミカル市況ご報告のため貴社訪問いたしたく存じます。よろしければ、以下候補のいずれかでお時間を頂ければと存じますが、ご都合のほどいかがでしょうか。

①目的:ケミカル市況のご報告
②候補日程:
・10月23日(月)AM
・10月24日(火)PM
・10月25日(水)PM

突然のお願いにて大変恐れ入ります。
何卒ご一考くださいますようお願い申し上げます。

——————————-
株式会社転職
法人営業部 国内営業課
のまど サラリーマン
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
電話:xxxx
FAX:xxxx
E-mail:xxx@xxx
——————————-

➡︎【ビジネス】日程調整メールをし、返信でお礼し、日時確定する例文

【敬語の補足】
・恐れ入る は「申し訳なく思う」の意味
・いかが は「どう?」の意味
・伺う は「訪問する・行く」の謙譲語
・存じる は「思う」の謙譲語
・いたす は「する」の謙譲語

文例「飛び込み営業の訪問日程調整」ビジネスメール

【ビジネス・社外】
飛び込み営業の訪問・アポイント日程調整をするビジネスメール例文

件名: 貴社訪問のお願い(転職・ノマド)

ビジネス株式会社
○○ 様

突然のご連絡にて大変失礼いたします。
私、株式会社転職の営業担当・ノマドと申します。

このたびは貴社ウェブサイトを拝見し、弊社CRMサービスがお役に立てるかと思い連絡いたしました。

弊社では革新的なCRMサービスを各企業さまへ提供しており、導入実績も業界No.1となっております。

もしよろしければ一度、貴社へ伺い弊社サービスのご紹介をいたしたく存じます。なお、サービスの概要につきましては別途添付ファイルにてお送りいたします。

誠に勝手なお願いにて恐れ入りますが、ご一考いただければ幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

——————————-
株式会社転職
法人営業部 国内営業課
のまど サラリーマン
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
電話:xxxx
FAX:xxxx
E-mail:xxx@xxx
——————————-

【敬語の補足】
・恐れ入る は「申し訳なく思う」の意味
・伺う は「訪問する・行く」の謙譲語
・拝見 は「見る」の謙譲表現
・いたす は「する」の謙譲語

打合せの依頼メール:候補日ざっくりで「いつがいい」と聞く

【ビジネス・社外取引先】
社外の相手に打合せ依頼をし、候補日を「今月のどこかで」「今週のどこかで」などとザックリ連絡するビジネスメール例文。

メール件名: 打合せのお願い(転職・ノマド)

株式会社ビジネス
営業部 ○○ 様

いつもお世話になっております。
株式会社転職・ノマドです。

先般は打合せに際して貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。

さてその後、当社の開発に進捗があり、ご報告のため打合せをお願いしたく存じます。

よろしければ今月のどこかで1時間ほど打合せのお時間を頂戴したく、○○ 様のご都合のよろしい日時をいくつかご教示いただければと存じます。

なお会議の目的等、仔細につきまして以下ご案内申し上げます。

①目的
・弊社より新製品開発状況のご報告
・今後の開発方向性のお打合せ
②場所
・貴社へ伺います
③参加者
・弊社●●(上司)、のまど、計2名

以上

お忙しいところ大変恐れ入りますが、
ご一考のほど何卒よろしくお願い致します。

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