「ご示唆いただけますでしょうか？」意味と使い方・メール例文

「それとなく知らせてほしい」ときにつかえるビジネス敬語。

じつは…

これまで紹介した言い換え例文だけではなく、敬語フレーズというのはたくさんあります。

ということで、

ここではとくにビジネスメールにおいて活躍する丁寧な敬語フレーズを紹介します。

①ご示唆くださいませ

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「それとなく知らせてください」の言い換え敬語

例文「ご示唆くださいませ」

意味は『それとなく知らせてください』

尊敬語「ご示唆くださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「それとなく知らせてください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

②ご示唆いただければと存じます

「それとなく知らせてほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

例文「ご示唆いただければと存じます」

意味は『それとなく知らせてもらえたらと思います』

「～してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋仮定の「れば」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」＋丁寧語「ます」

③ご示唆いただきたく存じます

「それとなく知らせてほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

【例文】ご示唆いただきたく存じます
→意味は『それとなく知らせてもらいたいと思います』

あるいはもっとシンプルに、

【例文】ご示唆いただきたく、お願い致します
→意味は『それとなく知らせてもらいたい、お願いします』
【例文】ご示唆をお願い致します
→意味は『示唆をお願いします』

などとしても丁寧。

「～してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋願望の「～たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」＋丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

④ご示唆いただければ幸いです

「それとなく知らせてほしい」ときにつかえる丁寧なビジネス敬語

例文「ご示唆いただければ幸いです」

意味は『それとなく知らせてもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『それとなく知らせてもらえたら嬉しいです』

相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋仮定の「～れば」

「幸いです」は「幸い」＋丁寧語「です」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

「～いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下の例文もご参考にどうぞ。

ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。

例文「ご示唆いただけましたら幸いです」
例文「ご示唆いただけましたら幸甚に存じます」
例文「ご示唆いただければ幸甚に存じます」
例文「ご示唆いただけますと幸いです」
例文「ご示唆いただけますと幸甚に存じます」
例文「ご示唆賜りますと幸いです」
例文「ご示唆賜りますと幸甚に存じます」

補）幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

⑤ご示唆くださいますようお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「それとなく知らせてください」の言い換え敬語

例文「ご示唆くださいますようお願い申し上げます」
例文「ご示唆くださいますようお願い致します」

意味は『それとなく知らせてくれるようお願いします』

とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズですね。

※「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。

が、

「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。

そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。

たとえば、

ご査収くださいますようお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い！」
ご示唆くださいますようお願い申し上げます
意味「それとなく知らせてくれるようお願い！」
ご確認くださいますようお願い申し上げます
意味「確認してくれるようお願い！」
ご了承くださいますようお願い申し上げます
意味「納得してくれるようお願い！」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手（したて）に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

⑥ご示唆いただきますよう・賜りますよう〜

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「それとなく知らせてください」の言い換え敬語

例文「ご示唆いただきますようお願い申し上げます」
例文「ご示唆いただけますようお願い申し上げます」
例文「ご示唆賜りますようお願い申し上げます」

意味はどちらも『それとなく知らせてもらうようお願いします』

とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズですね。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋丁寧語”ます”＋”ように”

「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」＋可能形＋丁寧語”ます”＋”ように”

「賜りますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜賜る」＋丁寧語”ます”＋”ように”

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

賜る（たまわる）という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使います。

普段のメールであれば「いただきますよう」でOK。

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう・賜りますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「～してほしい」と言いたいので同じです。

なお「ご了承を賜りますよう～」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

⑦ご示唆のほどお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「それとなく知らせてください」の言い換え敬語

例文「ご示唆のほどお願い申し上げます」
例文「ご示唆のほどお願い致します」

意味は「それとなく知らせてくれるようお願いします」となります。

とくにビジネスメールの結び・締めによくつかうフレーズですね。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

ここで「ご示唆のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。

断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。

たとえば、

ご査収のほどお願い申し上げます
意味「よく中身を確認して受け取るよう、お願い」
お取り計らいのほどお願い申し上げます
意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」
ご教示のほどお願い申し上げます
意味「教えてくれるよう、お願い」
ご了承のほどお願い申し上げます
意味「納得してくれるよう、お願い」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手（したて）に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

先ほどとおなじく「お願い申し上げます」は「お願いいたします」「お願い致します」と言い換えできます。

⑧~その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

例文「ご示唆をお願い致します」
※意味は「示唆をお願いする」
例文「ご示唆いただきたく、お願い致します」
意味は「それとなく知らせてほしい、お願いします」
例文「ご示唆いただけましたら幸いです」
※意味は「それとなく知らせてもらえたら嬉しいです」
例文「ご示唆いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「それとなく知らせてもらえれば嬉しく思います」
例文「ご示唆いただければ幸甚に存じます」
※意味は「それとなく知らせてもらえれば嬉しく思います」
例文「ご示唆いただけますと幸いです」
例文「ご示唆いただけますと幸甚に存じます」
例文「ご示唆賜りますと幸いです」
例文「ご示唆賜りますと幸甚に存じます」
例文「ご示唆賜れましたら幸いです」
例文「ご示唆賜れましたら幸甚に存じます」

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋願望「～たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

【まとめ】結局どれがもっとも丁寧？

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご示唆ください
ご示唆くださいませ
ご示唆をお願いします
それとなく知らせていただけますか？
それとなく知らせていただけますでしょうか？
ご示唆いただけますか？
ご示唆いただけますでしょうか？

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご示唆ください
ご示唆くださいませ
ご示唆をお願い致します
ご示唆いただけますか
ご示唆いただけますでしょうか
ご示唆いただきたく、お願い致します
ご示唆いただきたく存じます
ご示唆いただければと存じます
ご示唆のほどお願い申し上げます
ご示唆くださいますようお願い申し上げます
ご示唆いただきますようお願い申し上げます
ご示唆いただけますようお願い申し上げます

注）上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補）「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご示唆くださいませ
ご示唆をお願い致します
ご示唆いただけますか
ご示唆いただけますでしょうか
ご示唆いただきたく、お願い致します
ご示唆いただきたく存じます
ご示唆いただければと存じます
ご示唆のほどお願い申し上げます
ご示唆いただきますようお願い申し上げます
ご示唆いただけますようお願い申し上げます
ご示唆くださいますようお願い申し上げます
ご示唆いただけますと幸いです
ご示唆いただければ幸いです
ご示唆いただけましたら幸いです
ご示唆いただけますと幸甚に存じます
ご示唆いただければ幸甚に存じます
ご示唆いただけましたら幸甚でございます
ご示唆いただけましたら幸甚に存じます

※「ご示唆をいただけましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

【敬語の補足】

・「幸いです」は「嬉しいです」の意味

・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・「存じる」は「思う」の謙譲語

・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」

・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

ご示唆賜りますようお願い申し上げます
ご示唆いただけますと幸いです
ご示唆いただければ幸いです
ご示唆いただけましたら幸いです
ご示唆いただけますと幸甚に存じます
ご示唆いただければ幸甚に存じます
ご示唆いただけましたら幸甚でございます
ご示唆いただけましたら幸甚に存じます
ご示唆賜りますと幸いです
ご示唆賜れますと幸いです
ご示唆賜りましたら幸いです
ご示唆賜れましたら幸いです
ご示唆賜りますと幸甚に存じます
ご示唆賜れますと幸甚に存じます
ご示唆賜りましたら幸甚に存じます
ご示唆賜れましたら幸甚に存じます

※「ご示唆を賜れますと幸甚に存じます」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

・「お願い申し上げます＝お願い致します」に言い換えOK

・幸甚（こうじん）の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る（たまわる）は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

+ビジネスメール結び・締めによく使うフレーズ

これまで紹介した例文のなかには、とくにビジネスメール結び・締め・文末によくつかうフレーズもあります。

念のためまとめておきますね。

ご示唆のほどお願い申し上げます
ご示唆いただきますようお願い申し上げます
ご示唆いただけますようお願い申し上げます
ご示唆くださいますようお願い申し上げます
ご示唆賜りますようお願い申し上げます

“ご示唆いただく vs ご示唆くださる”の使い方

ややこしいので「ご示唆いただく vs ご示唆くださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“ご示唆いただく”の使い方まとめ（すべて敬語）

	①基本	②+丁寧語”ます”	③その他
現在	ご示唆いただく	ご示唆いただきます	-頂くよう -頂きますよう
過去	ご示唆いただいた	ご示唆いただきました	×
進行形	ご示唆いただいている	ご示唆いただいています	-頂いております
過去~現在	ご示唆いただいていた	ご示唆いただいていました	-頂いておりました
希望依頼	ご示唆いただきたいご示唆いただきたくご示唆いただくようご示唆いただけるよう	ご示唆いただきたいです × ご示唆いただきますようご示唆いただけますよう	-頂きたく思います -頂きたくお願いします -頂きたく存じます -頂ければと存じます
可能	ご示唆いただける	ご示唆いただけます	-頂けるよう -頂けますよう
①仮定 ②仮定+可能	①ご示唆いただいたら ②ご示唆いただければ	①ご示唆いただきましたら ②ご示唆いただけましたら	×
①疑問+過去 ②疑問+可能 ③疑+可+過	①ご示唆いただいたか？ ②ご示唆いただけるか？ ③ご示唆いただけたか？	ご示唆いただきましたか？ご示唆いただけますか？ご示唆いただけましたか？	-頂きましたでしょうか -頂けますでしょうか -頂けましたでしょうか
禁止	ご示唆いただけない	ご示唆いただけません	×
命令	×	×	×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“ご示唆くださる”の使い方まとめ（すべて敬語）

	①基本	②+丁寧語”ます”	③その他
現在	ご示唆くださる	ご示唆くださいます	-くださるよう -くださいますよう
過去	ご示唆くださった	ご示唆くださいました	×
進行形	ご示唆くださっている	ご示唆くださっています	-くださっております
過去~現在	ご示唆くださっていた	ご示唆くださっていました	-くださっておりました
希望	ご示唆くださるよう	ご示唆くださいますよう	×
可能	×	×	×
仮定	×	×	×
疑問	ご示唆くださるか？	ご示唆くださいますか？	×
否定	ご示唆くださらない	ご示唆くださいません	×
命令	ご示唆ください	ご示唆くださいません	×