「ご確認いただけましたら幸いです」は「確認してもらえたら嬉しいです」という意味。
ようは「確認してほしい!」「確認してください!」と言いたいわけですが・・・丁寧な敬語にするとこんな風にややこしい表現になります。
使い方は何かしら確認してほしいときのお願い・依頼ビジネスメール。社内上司や目上にかぎらず社外取引先にもつかえる丁寧なフレーズです。
くわしくは本文にて意味や敬語の種類、ビジネスシーンにふさわしい使い方、ビジネスメール例文、注意点を解説していきます。
※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ
意味
まずは「ご確認いただけましたら幸いです」の意味と敬語について順をおって解説します。
“確認”の意味
確認(かくにん)の意味は…
- はっきり認めること。また、そうであることをはっきりたしかめること。
- 特定の事実や法律関係の存否について争いや疑いのあるとき、これを判断・認定する行為。当選者の決定など。
たとえば、
【例文】忘れ物がないかどうか、確認する。→「確かめる」の意味
【例文】天気予報を確認する。→「確かめる」の意味
のようにして使います。
“ご確認いただけましたら”の意味は「確認してもらえたら」
まずは前半部分。
「ご確認いただけましたら〜」の意味は…
「確認してもらえたら〜」
このように解釈できます。
「お(ご)〜いただけましたら」は「〜してもらえたら」という意味の敬語(謙譲語+丁寧語)
「〜いただける」は謙譲語「いただく」の可能表現。可能の表現をつかっているので意味としては「〜してもらえる」となります。
おなじような可能の表現にはたとえば、
「泳ぐ → 泳げる」
「書く → 書ける」
「聞く → 聞ける」
などあり。どれも「〜できる」という意味になりますね。
こまかい敬語の解説は長くなるため次項にて。
なお表記は、
漢字表記「ご確認頂けましたら」vs. ひらがな表記「ご確認いただけましたら」の両方ともOK。どちらをつかっても正しい敬語です。
“幸いです”の意味は「嬉しいです、幸せです」
つづいて後半部分。
「幸いです」の意味は…
「嬉しいです」
「幸せです」
このように解釈できます。
もととなる単語は「幸い(さいわい)」であり、丁寧語「です」を使って敬語にしています。
あわせると意味は「確認してもらえたら嬉しいです」
- ご確認 = 確認すること
- ご・お~いただけますと = 「〜してもらえたら」の意味の敬語
- 幸いです= 「幸せです、嬉しいです」の意味
これらの単語を合体させて意味を考えます。
すると「ご確認いただけましたら幸いです」の意味は…
「確認してもらえたら嬉しいです」
のように解釈できます。
ようは「確認してほしい!」「確認してください!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて目上や上司・取引先につかうにはイマイチです。
そこで「~してもらえたらと嬉しいです」というように遠回しにして、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。
そんなに丁寧にお願いする必要あるの?って思うくらい。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
敬語の解説
「ご確認いただけましたら幸いです」を敬語としてみていくと以下のとおりに成り立ちます。
難しいので敬語についてくわしく学ぶ必要のない方はスキップしてください。
- もとになる単語「確認」
- “〜してもらう”の謙譲語”お(ご)〜いただく”で「ご確認いただく」
- 可能形にして「ご確認いただける」
- 丁寧語”ます”をくっつけて「ご確認いただけます」
- 仮定の”たら”をくっつけて「ご確認いただけましたら」
- “嬉しい”の意味である”幸い”に丁寧語”です”をくっつけて「幸いです」
→ すべてあわせると「ご確認いただけましたら幸いです」という敬語の完成
このようにして元になる語「確認」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
なお「ご確認していただけましたら幸いです」は間違い敬語となりますのでご注意を。「確認していただけましたら幸いです」とすれば正しい敬語ではありますが…
長くなるため理由は省略。
補足
- 漢字表記「ご確認頂けましたら」vs. ひらがな表記「ご確認いただけましたら」の両方ともOK。
- 「〜いただける」は謙譲語「いただく」の可能表現。可能の表現をつかっているので意味としては「〜してもらえる」となります。
ちなみに敬語「お(ご)」は…
- 「自分がご確認する」「相手にご確認いただく」のであれば謙譲語としての使い方。
- 上司・目上・取引先などの「相手がご確認くださる・ご確認になる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように2パターンあります。
難しく感じるかたは「お(ご)〜いただく」のセットで謙譲語とおぼえておきましょう。
【使い方】確認の依頼・お願いビジネスメール
つづいて「ご確認いただけましたら幸いです」の使い方について。
ようは「確認してほしい!」「確認してください!」という意味なので、そのような依頼・お願いビジネスメールに使います。
取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使える丁寧なフレーズですね。
例文
たとえば、
- 【例文】ご確認いただけましたら幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
- 【例文】ご確認いただけましたら幸いです。よろしくお願い致します。
※ 意味は「確認してもらえたら嬉しいです。よろしく」
のようにして何かの依頼・お願いをともなうビジネス文書やビジネスメールで結び・締めくくりとして使われます。
もちろん結びでなく文章の途中でつかっても丁寧です。
なお「ご了承をいただけましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
ビジネスメール例文(全文)
こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。
ここでは「ご確認いただけましたら幸いです」の使い方をビジネスメール例文でご紹介。
どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。
なおビジネスメールにおいては以下の敬語もオススメです。
① それなりに丁寧「ご確認くださいませ」
② 丁寧「ご確認いただければと存じます」
③ かなり丁寧「ご確認いただけましたら幸いです」など
④ ↓とくにビジネスメール結び/文末につかう↓
「ご確認頂きますようお願い申し上げます」
「ご確認くださいますようお願い致します」
「ご確認のほど宜しくお願い致します」
ビジネスメール例文①前に送ったメールを確認してほしい
to 社内・上司
日程調整メールで上司に「返事を催促する」ときのビジネスメール例文。新たにメールを作る必要はなく、もとのメールを転送して作る。
メール件名:転送Fw:【再送】打ち合わせ日程のご相談
○○ 部長(社内上司)
たびたび申し訳ありません。
さて、過日にメールにてお願いしておりました打合せ日程ご相談の件、その後いかがでしょうか。
大変失礼とは存じますが念のため先日お送りしましたメールを転送いたしますので、ご確認いただけましたら幸いです。
よろしくお願い致します。
**************
メール署名
**************
ビジネスメール例文②上司に返事の催促をする
【to社内・上司】
上司への催促メールで「仕事の依頼を催促する」ときのビジネスメール例文。メールで連絡をしていなければ、新たに催促メールを作る。
メール件名:人事評価面談の確認
●● 部長(社内上司)
お疲れさまです。人事部・ノマドです。
さて先般、2017年度・人事評価面談の実施依頼を社内掲示板にて掲載しておりましたが、貴部署の進捗がまだのようでしたので、確認までにご連絡いたしました。
その後いかがでしょうか。
なお、本メールと行き違いでご報告いただいておりましたらその旨お申し付けください。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願い致します。
**************
メール署名
**************
ビジネスメール例文③何かしら確認してほしい(社外)
メール件名:品質保証期間のご確認
ビジネス株式会社
営業部 ○○ 様 (社外取引先)
いつもお世話になっております。
転職・ノマドです。
さて標記の件、現在購入しております貴社製品Aの品質保証期間につきご教示いただきたく連絡いたしました。
ご多忙のところ大変恐れ入りますがご確認の上、
ご回答いただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
************
メール署名
************
“ご確認いただけますと幸いです”としても丁寧
「ご確認いただけましたら幸いです」と似たような敬語には・・・
- 【例文】ご確認いただけますと幸いです
- 【例文】ご確認いただければ幸いです
もあります。言いたいことは「確認してほしい」であり、どれも丁寧な敬語なので使い分ける必要はありませんが…
いちおう意味と違いについて考えてみます。
“こ確認頂ければ vs. 頂けますと vs. 頂けましたら”の意味と違い
どちらも結局のところ「確認してほしい!」「確認してください!」という意味になるのですが…こまかくは以下のとおり意味と敬語の違いあり。
- 「ご確認いただけますと」だと意味は「確認してもらえると」
→ 敬語は”お(ご)~いただく”+可能形+丁寧語”ます”+接続助詞”と”
いっぽうで、
- 「ご確認いただけましたら」だと意味は「確認してもらえたら」
→ 敬語は”お(ご)~いただく”+可能形+丁寧語”ます”+仮定”たら” - 「ご確認いただければ」だと意味は「確認してもらえたら」
→ 敬語は”お(ご)~いただく”+可能形+仮定”れば”
となります。
まとめると・・・
謙譲語「いただく」を可能形にすると「いただける」になり、
「いただける」に丁寧語”ます”+接続助詞”と”をくっつけると「いただけますと」になり、
「いただける」に仮定の「れば」をくっつけると「いただければ」になり、
「いただけますと」に仮定の「たら」をくっつけると「いただけましたら」になります。
なお「ご確認をいただけましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
どれも丁寧であり使い分けの必要はない
これまで見てきたように、どの敬語もこのうえなく丁寧なフレーズです。したがって上司など社内の目上はもちろんのこと、社外取引先にもつかえますね。
お好きなフレーズを使えばよく、使い分けする必要はありません。
“ご確認賜れましたら幸いです”だとなお丁寧
さらに死ぬほど丁寧なメールや文書にしたいときには・・・
「いただく」ではなく「賜る(たまわる)」をつかい、
- 【例文】ご確認賜れますと幸いです
- 【例文】ご確認賜れましたら幸いです
とします。
これまで紹介した敬語と言いたいことはおなじ。
ただ、賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書や手紙・公式なビジネスメールでは「賜る」をよく使います。
普段づかいのメールであれば「いただく」で十分に丁寧です。
いちおう意味と違いについて簡単に解説しておきます。
“ご確認頂けましたら vs. ご確認賜れましたら”の意味と違い
どちらも結局のところ「確認してほしい!」「確認してください!」という意味になるのですが…こまかくは以下のとおり意味と敬語の違いあり。
- 「ご確認いただけましたら」だと意味は「確認してもらえたら」
→ 敬語は”お(ご)~いただく”+可能形+丁寧語”ます”+仮定”たら”
いっぽうで、
- 「ご確認賜れましたら」だと意味は「確認してもらえたら」
→ 敬語は謙譲語“お(ご)~賜る”+可能形+丁寧語”ます”+仮定”たら”
となります。
「お(ご)〜賜る」「お(ご)〜いただく」はどちらも「〜してもらう」の敬語(謙譲語)。
したがって意味としてはどちらも同じです。
ただし「賜る」のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書や手紙・公式なビジネスメールでは「賜る」をよく使います。
なお「ご確認を賜れましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
手紙や公式なビジネスメールにおすすめ
これまで見てきたように、どちらの敬語もこのうえなく丁寧なフレーズです。上司など社内の目上はもちろんのこと、社外取引先にもつかえる素晴らしく丁寧な敬語です。
ただ、より堅苦しいというかビジネス文書や手紙むけというか・・・
カチッとした表現は「賜る」のほうです。
本当に死ぬほど丁寧なメールや文書にしたいときに使いましょう。
ほかにも使える丁寧な敬語
これまで紹介した例文のほかにも・・・
似たような言い換え敬語で、おなじように丁寧なフレーズをまとめておきます。
どれも「確認してほしい!」「確認してください!」と依頼・お願いしたいときのビジネスメールに使えます。
『ご確認いただければ幸いです』
「ご確認頂けましたら幸いです」だけじゃない丁寧なビジネス敬語
- 例文「ご確認いただければ幸いです」
意味は『確認してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』
つまり『確認してもらえたら嬉しいです』
相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+仮定の「~れば」
「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
『ご確認いただけましたら幸甚に存じます』など
「ご確認頂けましたら幸いです」だけじゃない丁寧なビジネス敬語
あとは「幸い」ではなく「幸甚(こうじん)」をつかい、
- 【例文】ご確認いただければ幸甚に存じます/幸甚です
※意味は「確認してもらえたら、この上なくありがたく思います/です」 - 【例文】ご確認いただけますと幸甚に存じます/幸甚です
※意味は「確認してもらえると、とても有り難く思います/です」 - 【例文】ご確認いただけましたら幸甚に存じます/幸甚です
※意味は「確認してもらえたら、この上なくありがたく思います/です」
とするとより丁寧な敬語になります。
幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
「存じる」は「思う」の謙譲語
「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+可能形+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」
『ご確認賜れましたら幸甚に存じます』など
「ご確認頂けましたら幸いです」だけじゃない丁寧なビジネス敬語
「いただく」よりもカチッとした敬語「賜る(たまわる)」をつかい、さらに「幸い」よりも大げさな「幸甚(こうじん)」をつかって…
- 【例文】ご確認賜れますと幸甚に存じます/幸甚です
※意味は「確認してもらえると、この上なくありがたく思います/です」 - 【例文】ご確認賜れましたら幸甚に存じます/幸甚です
※意味は「確認してもらえたら、この上なくありがたく思います/です」
とするとより丁寧な敬語になります。
幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
「存じる」は「思う」の謙譲語
「賜れますと」は謙譲語「賜る」+可能形+丁寧語「ます」+接続助詞”と”
「賜れましたら」は謙譲語「賜る」+可能形+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」
ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ
あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。
ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「ご確認」
ここでは、
ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。
①メール結びに使うときは「よろしく!」を加えると丁寧
ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツ。
「ご確認いただけましたら幸いです」はそれだけではビジネスメール結び締めとしてイマイチ。
そこで結びにつかう時にはうしろに「よろしく!」的なフレーズを組み合わせて、セットで使うとより丁寧なメール結びになります。
すでに例文にはしましたが…
- 【例文】ご確認いただけましたら幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
- 【例文】ご確認いただけましたら幸いです。よろしくお願い致します。
- 【例文】ご確認いただけましたら幸いです。よろしくお願い申し上げます。
ビジネスメールの結び締めに使うときにはこんな感じにするとよいでしょう。
②どうか・何卒+ご確認
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご確認」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- どうか/どうぞ
例文「どうかご確認くださいますようお願い申し上げます」
例文「どうかご確認くださいますようお願い致します」
例文「どうかご確認いただけましたら幸いです」
例文「どうかご確認いただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」 - 何卒(なにとぞ)
例文「何卒ご確認くださいますようお願い申し上げます」
例文「何卒ご確認くださいますようお願い致します」
例文「何卒ご確認いただけましたら幸いです」
例文「何卒ご確認いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」
③恐縮・お手数+ご確認
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご確認」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。
たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。
- 恐縮=申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますがご確認〜」
「大変恐縮ではございますがご確認〜」
「たびたび恐縮ではございますがご確認〜」 - 恐れ入る=申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますがご確認〜」
「大変恐れ入りますがご確認〜」
「たびたび恐れ入りますがご確認〜」 - お手数=お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますがご確認〜」
「大変お手数ではございますがご確認〜」 - 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますがご確認〜」 - ご無理申し上げる = 無理を言う
「ご無理申し上げますが、何卒ご確認のほどお願い申し上げます」 - ご多忙とは存じますが=忙しいとは思うけど
「ご多忙とは存じますがご確認〜」