「ご修正いただけますと幸いです」の意味、ビジネスシーン(メール・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。
ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ
意味
「ご修正いただけますと幸いです」は「修正してもらえると嬉しいです」という意味。
ようするに「修正してほしい!」「修正してください!」と言いたいわけですが…
なぜこのような意味になるのか?
そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。
“修正”の意味は「改め直すこと」
修正(しゅうせい)の意味は・・・
「不十分・不適当と思われるところを改め直すこと」
たとえば、
【例文】記事の内容を修正いたします。
【例文】WEBサイトに不適切な表現が含まれていたので、修正した。
のようにして使います。
“ご修正いただけますと”の意味は「修正してもらえると」
まずは前半部分。
「ご修正いただけますと〜」の意味は…
「修正してもらえると〜」
このように解釈できます。
「お(ご)〜いただけますと」は「〜してもらえると」という意味の敬語(謙譲語+丁寧語)
「〜いただける」は謙譲語「いただく」の可能表現。可能の表現をつかっているので意味としては「〜してもらえる」となります。
おなじような可能の表現にはたとえば、
「泳ぐ → 泳げる」
「書く → 書ける」
「聞く → 聞ける」
などあり。どれも「〜できる」という意味になりますね。
こまかい敬語の解説は長くなるため次項にて。
なお表記は、
漢字表記「ご修正頂けますと」vs. ひらがな表記「ご修正いただけますと」の両方ともOK。どちらをつかっても正しい敬語です。
“幸いです”の意味は「嬉しいです、幸せです」
つづいて後半部分。
「幸いです」の意味は…
「嬉しいです」
「幸せです」
このように解釈できます。
もととなる単語は「幸い(さいわい)」であり、丁寧語「です」を使って敬語にしています。
あわせると意味は「修正してもらえると嬉しいです」
- ご修正 = 修正すること
- ご・お~いただけますと = 「〜してもらえると」の意味の敬語
- 幸いです= 「幸せです、嬉しいです」の意味
これらの単語を合体させて意味を考えます。
すると「ご修正いただけますと幸いです」の意味は…
「修正してもらえると嬉しいです」
のように解釈できます。
ようは「修正してほしい!」「修正してください!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて目上や上司・取引先につかうにはイマイチです。
そこで「~してもらえると嬉しいです」というように遠回しにして、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。
そんなに丁寧にお願いする必要あるの?って思うくらい。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
敬語の解説
「ご修正いただけますと幸いです」を敬語としてみていくと以下のとおりに成り立ちます。
難しいので敬語についてくわしく学ぶ必要のない方はスキップしてください。
- もとになる単語「修正」
- “〜してもらう”の謙譲語”お(ご)〜いただく”で「ご修正いただく」
- 可能形にして「ご修正いただける」
- 丁寧語”ます”をくっつけて「ご修正いただけます」
- 接続助詞”と”をくっつけて「ご修正いただけますと」
- “嬉しい”の意味である”幸い”に丁寧語”です”をくっつけて「幸いです」
→ すべてあわせると「ご修正いただけますと幸いです」という敬語の完成
このようにして元になる語「修正」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。
なお「ご修正していただけますと幸いです」は間違い敬語となりますのでご注意を。「修正していただけますと幸いです」とすれば正しい敬語ではありますが…長くなるため理由は省略。
補足
- 漢字表記「ご修正頂けますと」vs. ひらがな表記「ご修正いただけますと」の両方ともOK。
- 「〜いただける」は謙譲語「いただく」の可能表現。可能の表現をつかっているので意味としては「〜してもらえる」となります。
- 接続助詞「と」は助詞の一類。用言・助動詞について、それよりまえの語句をあとの語句に接続し、前後の語句の意味上の関係をしめすはたらきをする。
ちなみに敬語「お(ご)」は…
- 「自分がご修正する」「相手にご修正いただく」のであれば謙譲語としての使い方。
- 上司・目上・取引先などの「相手がご修正くださる・ご修正になる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように2パターンあります。
難しく感じるかたは「お(ご)〜いただく」のセットで謙譲語とおぼえておきましょう。
【使い方】修正の依頼・お願いビジネスメール
つづいて「ご修正いただけますと幸いです」の使い方について。
ようは「修正してほしい!」「修正してください!」という意味なので、そのような依頼・お願いビジネスメールに使います。
取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使える丁寧なフレーズですね。
例文
たとえば、
- 【例文】ご修正いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
- 【例文】ご修正いただけますと幸いです。よろしくお願い致します。
※ 意味は「修正してもらえると嬉しいです。よろしく」
のようにして何かの依頼・お願いをともなうビジネス文書やビジネスメールで結び・締めくくりとして使われます。
もちろん結びでなく文章の途中でつかっても丁寧です。
なお「ご了承をいただけますと幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
ビジネスメール例文(全文)
こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。
ここでは「ご修正いただけますと幸いです」の使い方をビジネスメール例文でご紹介。
どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。
なおビジネスメールにおいては以下の敬語もオススメです。
① それなりに丁寧「ご修正くださいませ」
② 丁寧「ご修正いただければと存じます」
③ かなり丁寧「ご修正いただけますと幸いです」など
④ ↓とくにビジネスメール結び/文末につかう↓
「ご修正頂きますようお願い申し上げます」
「ご修正くださいますようお願い致します」
「ご修正のほど宜しくお願い致します」
ビジネスメール例文①仕様書を修正してほしい
メール件名:納入仕様書への記載お願い
(株)ビジネス
営業部 ノマド 様
いつもお世話になっております。
転職(株)・xxです。
さて首記の件、現行の納入仕様書を再度確認いたしましたところ、いくつか気になる部分が見つかりました。つきまして以下のとおりご修正いただけますと幸いです。
①納期(仕様書3ページ目)
訂正前)
訂正後)
②製品の欠陥(仕様書4ページ目)
③追記のお願い
・フォースマジュール:xxx
なお念のため弊社で保管しております仕様書を添付にて送付いたします。よろしければご参照ください。
お忙しいところ大変お手数ではございますが、
ご対応のほど何卒よろしくお願い致します。
**************
人事部 のまど
**************
ビジネスメール例文②外注したWEBサイトを修正してほしい
メール件名:返信Re:弊社WEBサイト構築のお願い
(株)ビジネス
営業部 ノマド 様
いつもお世話になっております。
転職(株)・xxです。
さて、このたび構築いただいたWEBサイトを弊社内にて確認いたしましたところ、いくつか気になる部分が見つかりましたので、以下のとおりご修正いただきたく存じます。
①製品Aの紹介ページ(URL xxx)
・下記注意事項を製品紹介ページの最下部にご記載ください
→「xxx」
②会社紹介ページ
・経営陣の追記→「専務xxx」
その他の部分に関して現時点ではとくに不備等ありませんでした。
お忙しいところ大変お手数ではございますが、
ご対応のほど何卒よろしくお願い致します。
**************
メール署名
**************
“ご修正いただけましたら幸いです”としても丁寧
「ご修正いただけますと幸いです」と似たような敬語には・・・
- 【例文】ご修正いただけましたら幸いです
もあります。言いたいことは「修正してほしい」であり、どちらも丁寧な敬語なので使い分ける必要はありませんが…
いちおう意味と違いについて考えてみます。
“ご修正頂けますと vs. ご修正頂けましたら”の意味と違い
どちらも結局のところ「修正してほしい!」「修正してください!」という意味になるのですが…こまかくは以下のとおり意味と敬語の違いあり。
- 「ご修正いただけますと」だと意味は「修正してもらえると」
→ 敬語は”お(ご)~いただく”+可能形+丁寧語”ます”+接続助詞”と”
いっぽうで、
- 「ご修正いただけましたら」だと意味は「修正してもらえたら」
→ 敬語は”お(ご)~いただく”+可能形+丁寧語”ます”+仮定”たら”
となります。
「いただけますと」に仮定の「たら」をくっつけると「いただけましたら」という敬語になります。
なお「ご修正をいただけましたら幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
どちらも丁寧であり使い分けの必要はない
これまで見てきたように、どちらの敬語もこのうえなく丁寧なフレーズです。上司など社内の目上はもちろんのこと、社外取引先にもつかえる素晴らしく丁寧な敬語です。
どちらかお好きな方を使えばよく、使い分けする必要はありません。
“ご修正賜れますと幸いです”だとなお丁寧
さらに死ぬほど丁寧なメールや文書にしたいときには・・・
「いただく」ではなく「賜る(たまわる)」をつかい、
- 【例文】ご修正賜れますと幸いです
- 【例文】ご修正賜れましたら幸いです
とします。
これまで紹介した敬語と言いたいことはおなじ。
ただ、賜る(たまわる)という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書や手紙・公式なビジネスメールでは「賜る」をよく使います。
普段づかいのメールであれば「いただく」で十分に丁寧です。
いちおう意味と違いについて簡単に解説しておきます。
“ご修正頂けますと vs. ご修正賜れますと”の意味と違い
どちらも結局のところ「修正してほしい!」「修正してください!」という意味になるのですが…こまかくは以下のとおり意味と敬語の違いあり。
- 「ご修正いただけますと」だと意味は「修正してもらえると」
→ 敬語は謙譲語”お(ご)~いただく”+可能形+丁寧語”ます”+接続助詞”と”
いっぽうで、
- 「ご修正賜れますと」だと意味は「修正してもらえると」
→ 敬語は謙譲語“お(ご)~賜る”+可能形+丁寧語”ます”+接続助詞”と”
となります。
「お(ご)〜賜る」「お(ご)〜いただく」はどちらも「〜してもらう」の敬語(謙譲語)。
したがって意味としてはどちらも同じです。
ただし「賜る」のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書や手紙・公式なビジネスメールでは「賜る」をよく使います。
なお「ご修正を賜れますと幸いです」というように「を」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。
手紙や公式なビジネスメールにおすすめ
これまで見てきたように、どちらの敬語もこのうえなく丁寧なフレーズです。上司など社内の目上はもちろんのこと、社外取引先にもつかえる素晴らしく丁寧な敬語です。
ただ、より堅苦しいというかビジネス文書や手紙むけというか・・・
カチッとした表現は「賜る」のほうです。
本当に死ぬほど丁寧なメールや文書にしたいときに使いましょう。
ほかにも使える丁寧な敬語
これまで紹介した例文のほかにも・・・
似たような言い換え敬語で、おなじように丁寧なフレーズをまとめておきます。
どれも「修正してほしい!」「修正してください!」と依頼・お願いしたいときのビジネスメールに使えます。
『ご修正いただければ幸いです』
「ご修正頂けますと幸いです」だけじゃない丁寧なビジネス敬語
- 例文「ご修正いただければ幸いです」
意味は『修正してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』
つまり『修正してもらえたら嬉しいです』
相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。
「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+仮定の「~れば」
「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」
というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。
『ご修正いただけますと幸甚に存じます』など
「ご修正頂けますと幸いです」だけじゃない丁寧なビジネス敬語
- 【例文】ご修正いただければ幸甚に存じます
※意味は「修正してもらえたら、とても嬉しく思います」 - 【例文】ご修正いただけますと幸甚に存じます
※意味は「修正してもらえると、とても嬉しく思います」 - 【例文】ご修正いただけましたら幸甚に存じます
※意味は「修正してもらえたら、とても嬉しく思います」
なども似たような意味であり、とても丁寧な敬語です。
幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
「存じる」は「思う」の謙譲語
「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+可能形+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」
『ご修正賜れますと幸甚に存じます』など
「ご修正頂けますと幸いです」だけじゃない丁寧なビジネス敬語
「いただく」よりもカチッとした敬語「賜る(たまわる)」をつかい、
- 【例文】ご修正賜れますと幸甚に存じます
※意味は「修正してもらえると、とても嬉しく思います」 - 【例文】ご修正賜れましたら幸甚に存じます
※意味は「修正してもらえたら、とても嬉しく思います」
とするとより丁寧な敬語になります。
幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」
「存じる」は「思う」の謙譲語
「賜れますと」は謙譲語「賜る」+可能形+丁寧語「ます」+接続助詞”と”
「賜れましたら」は謙譲語「賜る」+可能形+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」
ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ
あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。
ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「ご修正」
ここでは、
ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。
①メール結びに使うときは「よろしく!」を加えると丁寧
ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツ。
「ご修正いただけますと幸いです」はそれだけではビジネスメール結び締めとしてイマイチ。
そこで結びにつかう時にはうしろに「よろしく!」的なフレーズを組み合わせて、セットで使うとより丁寧なメール結びになります。
すでに例文にはしましたが…
- 【例文】ご修正いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
- 【例文】ご修正いただけますと幸いです。よろしくお願い致します。
- 【例文】ご修正いただけますと幸いです。よろしくお願い申し上げます。
ビジネスメールの結び締めに使うときにはこんな感じにするとよいでしょう。
②どうか・何卒+ご修正
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご修正」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- どうか/どうぞ
例文「どうかご修正くださいますようお願い申し上げます」
例文「どうかご修正くださいますようお願い致します」
例文「どうかご修正いただけますと幸いです」
例文「どうかご修正いただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」 - 何卒(なにとぞ)
例文「何卒ご修正くださいますようお願い申し上げます」
例文「何卒ご修正くださいますようお願い致します」
例文「何卒ご修正いただけますと幸いです」
例文「何卒ご修正いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」
③恐縮・お手数+ご修正
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご修正」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。
たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。
- 恐縮=申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますがご修正〜」
「大変恐縮ではございますがご修正〜」
「たびたび恐縮ではございますがご修正〜」 - 恐れ入る=申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますがご修正〜」
「大変恐れ入りますがご修正〜」
「たびたび恐れ入りますがご修正〜」 - お手数=お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますがご修正〜」
「大変お手数ではございますがご修正〜」 - 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますがご修正〜」 - ご無理申し上げる = 無理を言う
「ご無理申し上げますが、何卒ご修正のほどお願い申し上げます」 - ご多忙とは存じますが=忙しいとは思うけど
「ご多忙とは存じますがご修正〜」