この記事の目次
①依頼・お願いビジネスメール結びに使う”ご訪問”
ビジネスにおける「ご訪問」のいろいろな使い方
何かしら目上や上司・取引先に「訪問してほしい！！」とお願い・依頼したいときは…
- 例文「ご訪問くださいますようお願い申し上げます」
意味は「訪問してくれるようお願いします」 - 例文「ご訪問いただきたく、お願い致します」
意味は「訪問してほしい、お願いします」 - 例文「ご訪問をお願い致します」
意味は「訪問してほしい、お願いします」 - 例文「ご訪問いただきますようお願い申し上げます」
意味は「訪問してもらうようお願いします」 - 例文「ご訪問賜りますようお願い申し上げます」
意味は「訪問してもらうようお願いします」 - 例文「ご訪問の程お願い申し上げます」
意味は「訪問してくれるよう、お願いします」 - 例文「ご訪問いただければ幸いです」
意味は「訪問してもらえたら嬉しいです」 - 例文「ご訪問いただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「訪問してもらいたいと思います」 - 例文「ご訪問いただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「訪問してもらえたらと思います」
のようにお願いすると丁寧です。
「ご訪問いただければ幸いです」「ご訪問賜りますようお願い申し上げます」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするにすべて「訪問してね！よろしく」という意味なのです。
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語「ます」＋仮定「たら・れば」
②自分が”訪問する”ときに使える敬語
ビジネスにおける「ご訪問」のいろいろな使い方
自分が「訪問します！」と言いたいときには…
- 【現在形】ご訪問します／（ご）訪問いたします
- 【過去形】ご訪問しました／（ご）訪問いたしました
- 【進行形】ご訪問しております／（ご）訪問いたしております
- 【希望①】ご訪問したく思います／（ご）訪問いたしたく思います
- 【希望②】ご訪問したく存じます／（ご）訪問いたしたく存じます
こんな感じの敬語をつかいます。
「お（ご）～します」は謙譲語「お（ご）〜する」＋丁寧語「ます」
「お（ご）～いたします」は謙譲語「お（ご）〜いたす」＋丁寧語「ます」
「～いたします」の部分にするべきことの中身がはいります。
たとえば、
何かしら連絡しなければいけないのであれば「（ご）連絡いたします」
何かしら対応しなければいけないのであれば「（ご）対応いたします」
ここで「（ご）訪問いたします」というように（ ）書きにしているのは「訪問いたします」としても丁寧な敬語だから。
ちなみに敬語「お（ご）～いたします」「お（ご）～します」は自分が「～する」ときにつかいます。
相手に「訪問してもらう」としたいときには…
「ご訪問いただく＝訪問してもらう」
「ご訪問くださる＝訪問してくれる」
という敬語をつかいます。
③禁止のビジネスメールに使う”ご訪問”
ビジネスにおける「ご訪問」のいろいろな使い方
上司なり取引先・目上の相手に「訪問することができません！」と禁止するときは…
- 【例文】ご訪問いただけません
- 【例文】ご訪問いただくことはできません
④断りのビジネスメールに使う”ご訪問”
ビジネスにおける「ご訪問」のいろいろな使い方
自分が「訪問できません！」と断りをいれるときは…
- 【例文】（ご）訪問いたしかねます
- 【例文】ご訪問しかねます
- 【例文】●●のためご訪問することが叶いません
- 【例文】ご訪問することが大変困難でございます
無理やり感のある例文になってしまいました…すみません。
こんなときには「ご対応いたしかねます」「お受けいたしかねます」「遠慮させていただきます」などの敬語をつかいますね。
また「〜いたしかねる（兼ねる）」は「～することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。
たとえば、
- 【例文】お応えいたしかねます
意味は「添うことができません」 - 【例文】お受けいたしかねます
意味は「受けることができません」 - 【例文】ご対応いたしかねます
意味は「対応することができません」
などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的
「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。
ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。
⑤お礼メールに使う”ご訪問”
ビジネスにおける「ご訪問」のいろいろな使い方
あとはビジネスシーンで相手に何かしら訪問してもらったときの、お礼ビジネスメールにも使えます。
「訪問してもらいありがとう！」と言いたいときには…
- 例文「ご訪問ありがとうございます」
- 例文「ご訪問いただきありがとうございます」
- 例文「ご訪問いただきましてありがとうございました」
- 例文「ご訪問賜りましてありがとうございました」
- 例文「ご訪問くださいましてありがとうございました」
のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするに「訪問してくれてありがとう！」という意味なのです。
どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「～賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。
⑥ほかにも色々ある”ご訪問”の例文
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「ご訪問いただきたく存じます」
※意味は「訪問してもらいたいと思います」希望 - 例文「ご訪問いただければと存じます」
※意味は「訪問してもらえたら嬉しいです」希望 - 例文「ご訪問いただければ幸いです」
※意味は「訪問してもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「ご訪問いただけましたら幸いです」
※意味は「訪問してもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「ご訪問いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「訪問してもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「ご訪問いただければ幸甚に存じます」
※意味は「訪問してもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「ご訪問いただけますか？」
※意味は「訪問してもらえるか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご訪問いただけますでしょうか？」
※意味は「訪問してもらえるだろうか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語「ます」＋仮定「たら・れば」
“ご訪問いただく vs ご訪問くださる”の使い方
ややこしいので「ご訪問いただく vs ご訪問くださる」の使い方について。
代表的なパターンを表にまとめておきます。
こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。
▼「ご訪問いただく」の使い方まとめ（すべて敬語）
| ①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
|---|---|---|---|
| 現 在 | ご訪問いただく | ご訪問いただきます | -頂くよう -頂きますよう |
| 過 去 | ご訪問いただいた | ご訪問いただきました | × |
| 進行形 | ご訪問いただいている | ご訪問いただいています | -頂いております |
| 過去~現在 | ご訪問いただいていた | ご訪問いただいていました | -頂いておりました |
| 希 望 依 頼 |
ご訪問いただきたい ご訪問いただきたく ご訪問いただくよう |
ご訪問いただきたいです ご訪問いただきますよう ご訪問いただけますよう |
-頂きたく思います -頂きたく存じます -頂ければと存じます |
| 可 能 | ご訪問いただける | ご訪問いただけます | -頂けるよう -頂けますよう |
| 仮 定 | ご訪問いただければ | ご訪問いただけましたら | × |
| 疑 問 | ご訪問いただけるか？ | ご訪問いただけますか？ | -頂けますでしょうか |
| 禁 止 | ご訪問いただけない | ご訪問いただけません | × |
| 命 令 | × | × | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。
※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK
※「×」としたのは一般的につかわない
▼「ご訪問くださる」の使い方まとめ（すべて敬語）
| ①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
|---|---|---|---|
| 現 在 | ご訪問くださる | ご訪問くださいます | -くださるよう -くださいますよう |
| 過 去 | ご訪問くださった | ご訪問くださいました | × |
| 進行形 | ご訪問くださっている | ご訪問くださっています | -くださっております |
| 過去~現在 | ご訪問くださっていた | ご訪問くださっていました | -くださっておりました |
| 希 望 |
ご訪問くださるよう | ご訪問くださいますよう | × |
| 可 能 | × | × | × |
| 仮 定 | × | × | × |
| 疑 問 | ご訪問くださるか？ | ご訪問くださいますか？ | × |
| 否 定 | ご訪問くださらない | ご訪問くださいません | × |
| 命 令 | ご訪問ください | ご訪問くださいませ | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります
※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK
※「×」としたのは一般的につかわない
