【億り人のNISA出口戦略】「ずっと売らない」が本当にベスト?

サイドFIRE

2024年から始まった新しいNISA、すごいブームですよね。「毎月いくら積み立てようかな」「どの商品がいいかな?」なんて、お金を「入れる(入口)」の話で盛り上がっている方も多いと思います。

でも、ちょっと待ってください。その貯めたお金を、「いつ、どうやって使うか(出口)」まで、考えたことはありますか?

「NISAはずっと非課税だから、売らずに置いておくのが一番いいんじゃないの?」
そんな声もよく聞きますが、本当にそうでしょうか?

この記事では、資産1億円を達成した私が、実体験での失敗も交えながら、NISAという「お金の育て方・使い方」について、わかりやすくお話ししていきますね。


  1. まずは基本から!新しいNISAの「4つの超重要ポイント」
    1. ポイント①:2つの「投資枠」があり、年間最大360万円まで投資できる
    2. ポイント②:一生涯で使える非課税の「上限額」は1,800万円
    3. ポイント③:一度売っても、非課税枠が「翌年によみがえる」
    4. ポイント④:非課税で保有できる期間が「無期限」になった
    5. 参考:旧NISAとの違いが一目でわかる比較表
  2. 私のNISAの使い方(実は、積立が苦手です…)
  3. じゃあ、いつ売るの?お金を使う「3つのタイミング」
    1. パターン1:人生の「もしも」の時のお助け財布として
    2. パターン2:もっと良い投資先が見つかった時に
    3. パターン3:自分の人生をもっと楽しむために!
  4. 【私の出口戦略】夫婦で目指す「年間140万円の非課税配当金生活」
    1. ステップ1:夫婦の非課税枠3,600万円を「高配当株」で埋め尽くす
    2. ステップ2:「売らずに」毎年約140万円の”お小遣い”を非課税で受け取る
  5. 【参考】FIREの合言葉「4%ルール」って何?
    1. 「4%ルール」の基本
    2. 私の使い方:「逆算」で自分のゴールを知る
    3. ただし、知っておきたい注意点
  6. NISAとiDeCo、どう違う?どっちを優先?
  7. 【ちょっとした裏ワザ】NISAは「家族でチーム戦」が最強です
    1. 家族の人数で、非課税メリットはこんなに変わる!
  8. 「1,800万円の枠」を埋め終わったら?
  9. さいごに:「出口戦略」って、実はワクワクする未来予想図なんです

まずは基本から!新しいNISAの「4つの超重要ポイント」

「お金の使い方」を考える前に、まずは新しいNISAのすごい仕組みを、4つのポイントに絞ってしっかりおさらいしましょう。ここが分かっていると、自分に合った戦略がグッと立てやすくなります。

ポイント①:2つの「投資枠」があり、年間最大360万円まで投資できる

新しいNISAには、性格の違う2つの「投資枠(コースのようなもの)」があり、両方を同時に使うことができます。

  • つみたて投資枠:国が選んだ基準を満たす投資信託などを、毎月コツコツ積み立てるのに向いている枠。年間120万円まで。
  • 成長投資枠:個別株や幅広い投資信託など、比較的自由に商品を選べる枠。年間240万円まで。

この2つを合計して、一年間で最大360万円まで非課税で投資することができます。

ポイント②:一生涯で使える非課税の「上限額」は1,800万円

NISAで非課税で投資できる金額には、生涯にわたる上限があります。それが1,800万円です。
ただし、一つだけ注意点があります。それは、1,800万円のうち、「成長投資枠」で使えるのは最大で1,200万円まで、というルールです。
(逆に言えば、「つみたて投資枠」だけで1,800万円を使い切ることは可能です。)

ポイント③:一度売っても、非課税枠が「翌年によみがえる」

これが新NISA最大の革命と言われるポイントです!
例えば、NISA口座で100万円で買った株が150万円に値上がりしたとします。この株を売却すると、翌年には「投資した元本の100万円分」の非課税枠が復活し、再び使えるようになるのです。
値上がり後の150万円ではなく、あくまで「買ったときの金額」の枠が復活するのがミソです。これにより、人生の必要なタイミングでためらわずに売却しやすくなりました。

ポイント④:非課税で保有できる期間が「無期限」になった

旧NISAでは「5年」や「20年」といった非課税期間の縛りがありましたが、新しいNISAではそれが無期限になりました。
つまり、一度NISAで買った商品は、あなたが売却しない限り、一生涯非課税の恩恵を受けながら育て続けることができるのです。期間を気にする必要がなくなったため、よりどっしりと構えた長期投資がしやすくなりました。

参考:旧NISAとの違いが一目でわかる比較表

「新しいNISAがどれだけパワーアップしたの?」というのが一目でわかるように、昔のNISA(旧NISA)との違いを表にまとめてみました。

項目新NISA
(2024年〜)
旧つみたてNISA
(〜2023年)
旧一般NISA
(〜2023年)
制度の併用可能不可能 (どちらかを選択)
年間投資枠合計 最大360万円
(つみたて120万+成長240万)
40万円120万円
生涯非課税限度額1,800万円800万円600万円
非課税保有期間無期限最長20年最長5年
売却枠の再利用可能 (翌年復活)不可能

この「①年間360万円まで投資できて、②生涯の上限は1,800万円。でも④無期限で持てて、いざとなったら③売っても枠が復活する」という自由度の高さこそ、私たちが出口戦略を考える上で最も重要なポイントなのです。


私のNISAの使い方(実は、積立が苦手です…)

ここで、私のNISAの使い方をこっそりお話ししますね。意外かもしれませんが、私は「つみたて投資枠」をあまり使っていません。

なぜかというと、お給料のほとんどが生活費に消えていく…というのもありますが、一番は私の性格です。実は、毎月コツコツ同じ金額を積み立てるのが少し苦手でして…。
「今だ!」と思ったタイミングや銘柄に、ある程度まとまったお金を入れたいタイプなので、自然と「成長投資枠」が私のメインになっています。

でも、そんな私にも後悔していることがあります。それは、以前、全体の株価が大きく下がった時に、怖くなってNISAで持っていた株を少し売ってしまったこと。利益は出ていたのですが、「あぁ、NISAは焦って売る必要なかったのにな…」と後で思いました。

この経験から、私はNISAの使い方を自分の中でこう決めています。

  • つみたて投資枠:これはもう、将来必要になるまで基本はほったらかし。コツコツ育てた果実なので、慌てて収穫しないのが一番です。
  • 成長投資枠:こちらも長く持つのが基本。でも、人生の大きなイベントがあったり、「こっちの株の方がもっと良さそう!」と思ったりした時は、売るのもアリ。だって、翌年には枠がよみがえるのですから!

じゃあ、いつ売るの?お金を使う「3つのタイミング」

「売るのもアリ」と言われても、タイミングが難しいですよね。私が考えている「お金を使うタイミング」の3つのパターンをご紹介します。

パターン1:人生の「もしも」の時のお助け財布として

NISAは将来のためだけじゃありません。例えば、家族が病気になったり、子供の進学で大きなお金が必要になったり。そんな「もしも」の時に、NISAで増えたお金の一部をありがたく使わせてもらう。私はこれも立派な「出口戦略」だと思います。

いざという時、「投資しておいて良かった…!」と、きっとNISAがあなたや家族の強い味方になってくれますよ。

パターン2:もっと良い投資先が見つかった時に

特に「成長投資枠」で株を持っていると、「こっちの会社の方がもっと成長しそうだな」なんて思うことがあります。そんな時、今持っている株を売って、新しい株に乗り換えるのも一つの手です。これも、使った枠が復活する新NISAだからこそ、気軽に考えられるようになりました。

パターン3:自分の人生をもっと楽しむために!

これが一番大事な「使い方」です。私の考えはとってもシンプル。「せっかく育てたお金なんだから、人生を楽しむために計画的に使おう!」です。

実は私、親が将来の不安から、一生懸命貯めたお金を趣味や旅行にあまり使えずにいる姿を見てきました。それは少し寂しいな、と感じたんです。

もちろん、無計画に使うのはNGです。そこで参考になるのが「4%ルール」という考え方。これは、「毎年、資産全体の4%くらいまでなら、使っても資産はなかなか無くならないよ」という研究に基づいた有名な目安です。例えば1,000万円の資産があれば、毎年40万円ずつ使っていくイメージですね。

このルールを参考にしつつ、できるだけ切り崩しは後回しにする。でも、使うと決めたら、自分の人生がもっと豊かになることに、思いっきり使う。そのために、私たちはお金を育てているんだと思いませんか?


【私の出口戦略】夫婦で目指す「年間140万円の非課税配当金生活」

ここまで色々な出口戦略のパターンをお話ししてきましたが、「じゃあ、あなた自身の具体的な戦略はどうなの?」と気になりますよね。包み隠さず、私の現在の戦略目標をお話しします。

それは、「NISA枠を夫婦で使い倒し、売らずに配当金を受け取り続ける」という、非常にシンプルな作戦です。

ステップ1:夫婦の非課税枠3,600万円を「高配当株」で埋め尽くす

まず、私と妻のNISA口座、合計3,600万円の生涯非課税枠を、時間をかけてでも全て埋め切ることを最優先します。これが全ての土台です。

そして、その中身は「配当金」を生み出してくれる資産にこだわります。具体的には、

  • 成長投資枠(2,400万円分):財務が安定していて、継続的に高い配当を出してくれる「個別の高配当株」を中心にポートフォリオを組みます。
  • つみたて投資枠(1,200万円分):個別株だけでなく、より分散の効いた「高配当株ETF(投資信託)」をコツコツと積み立てていきます。※今はできていませんが・・・

このように、個別株とETFを組み合わせることで、リスクを分散させつつ、安定的に配当金を受け取るための「お金のなる木」をNISA口座の中に作り上げるイメージです。

ステップ2:「売らずに」毎年約140万円の”お小遣い”を非課税で受け取る

この3,600万円のポートフォリオ全体で、税引き後の配当利回り年4%を達成することができれば、どうなるでしょうか?

3,600万円 × 4% = 144万円

なんと、年間で約144万円もの配当金を、税金が1円もかからずに受け取ることができるのです。月々にならすと、毎月12万円の不労所得がNISA口座から自動的に振り込まれる計算になります。

この戦略の最大のポイントは、資産を切り崩す(売却する)必要がない、という点です。元本である3,600万円はそのまま育ち続け、そこから生まれる果実(配当金)だけを、毎年ありがたく頂戴する。これが、私が考える究極の出口戦略の一つです。

この「非課税のお小遣い」があれば、生活に大きなゆとりが生まれますし、サイドFIREを続ける上での強力な精神的な支えにもなってくれます。

もちろん、これはあくまで私の現在の戦略であり、将来のライフプランの変化によって見直す可能性はあります。しかし、このように具体的な目標を立てることが、NISAを最大限に活用し、豊かな人生を送るための第一歩になるはずです。


【参考】FIREの合言葉「4%ルール」って何?

出口戦略を考える上で、絶対に知っておきたい有名な考え方に「4%ルール」というものがあります。これは、早期リタイアを目指す「FIREムーブメント」の合言葉のようになっている、とても大切な目安です。

「4%ルール」の基本

すごく簡単に言うと、「毎年、投資資産の4%を切り崩して生活費にあてていけば、30年以上資産が尽きる可能性は極めて低い」という、アメリカの過去のデータに基づいた研究結果です。

例えば、あなたが5,000万円の資産を築いてリタイアしたとします。

このルールに当てはめると、最初の年に使える金額は、5,000万円 × 4% = 200万円。つまり、年間200万円(月あたり約16.6万円)の生活費を、資産を大きく減らす心配なく引き出せる、という計算になります。

私の使い方:「逆算」で自分のゴールを知る

この4%ルールが本当にすごいのは、今の使い方だけでなく、「自分のゴール(目標金額)を計算する」のにも使える点です。

私自身の話をしますね。私の場合は、完全に仕事を辞めるFIREではなく、好きな仕事を少し続ける「サイドFIRE」を目指しているので、毎年4%を切り崩す必要はまだありません。しかし、「もし完全にリタイアするなら、いくら必要なのか?」を知るための逆算として、このルールを使っています。

私の家族の年間の生活費は、だいたい1,000万円くらいです。この生活費を、資産の4%でまかなうためには、いくらの元手が必要でしょうか?

計算式はこうです。

年間の生活費 ÷ 4% (0.04) = 必要な資産額

これに私の数字を当てはめてみると…

1,000万円 ÷ 0.04 = 2億5,000万円

という答えが出ます。つまり、私にとって完全なFIREを達成するための目標金額は「2億5,000万円」ということになります。この明確なゴールがあるからこそ、日々の投資戦略もブレずにいられるのです。

ただし、知っておきたい注意点

この4%ルールは超便利ですが、万能ではありません。使う上での注意点も知っておきましょう。

  • あくまでアメリカの過去のデータに基づいた研究です。
  • 将来の相場が同じようになるとは限らず、「絶対」ではありません。
  • NISA以外の口座から引き出す場合、税金のことは考慮されていません。
  • 30年以上の長期の引退生活の場合、より保守的に3.5%などで計算する考え方もあります。

このようにいくつかの注意点はありますが、「4%ルール」はあなたの出口戦略を考える上で、最強のコンパスになってくれるはずです。ぜひ、ご自身の年間の生活費を当てはめて、「自分だけのゴール」を計算してみてください。


NISAとiDeCo、どう違う?どっちを優先?

NISAとセットでよく聞く「iDeCo(イデコ)」。こちらもお得な制度ですが、お金の『使い方(出口)』がNISAとは全く違います。その違いを知っておきましょう。

項目新NISAiDeCo(イデコ)
ひと言でいうと自由な万能おさいふ老後のための鍵付き貯金箱
引き出しいつでもOK!原則60歳までNG!
非課税のタイミング運用で増えた利益①毎月の掛金(所得控除)
②運用で増えた利益
③もらう時(控除あり)
手数料無料のところが多い必ずかかる

一番大きな違いは「いつでも引き出せるNISA」「60歳まで引き出せないiDeCo」という点です。iDeCoは税金のメリットが大きい代わりに、老後までお金がロックされます。

私のおすすめの使い分けは、iDeCoは「老後の生活費の土台」としてコツコツ積み立て、NISAは人生の様々な場面で使える「メインのお財布」として育てる、という考え方です。このように役割分担をすると、お金の計画がとても立てやすくなりますよ。


【ちょっとした裏ワザ】NISAは「家族でチーム戦」が最強です

「資産が1億円もあるのに、NISAなんてやるの?」と聞かれることがあります。もちろんです!お金があればあるほど、NISAの「税金がかからない」というメリットのすごさが分かるんです。

ここで、家族がいる人向けの裏ワザをご紹介します。NISAは「家族でチーム戦」と考えると、メリットが何倍にもなります。

家族の人数で、非課税メリットはこんなに変わる!

  • ひとりの場合:非課税で投資できる上限は1,800万円
  • 夫婦ふたりの場合:1,800万円 × 2人 = 3,600万円
  • 夫婦+子供1人(成人):1,800万円 × 3人 = 5,400万円

もし夫婦で3,600万円を投資して、将来2倍の7,200万円になったら…?普通なら、増えた3,600万円に約720万円もの税金がかかります。でもNISAなら、それがぜーんぶあなたのもの。税金は1円もかかりません。
すごくないですか?

だから私は、まず自分と妻のNISA枠をいっぱいにすることを考えています。家族というチームで、このすごい制度をフル活用しない手はありません。


「1,800万円の枠」を埋め終わったら?

「新NISAの1,800万円の枠を使い切るのがゴールだ!」と思っている方もいるかもしれません。しかし、それはゴールではなく、最高のスタートダッシュです。

私自身もこの非課税枠は最速で埋めるつもりですが、もちろんそこで投資を終わりにするつもりはありません。1,800万円の枠を埋め終わった後は、普通に税金がかかる「課税口座(特定口座)」で、これまで通り資産を育てていくことになります。

将来お金を引き出す時には、「税金がかかる課税口座」→「税金がかからないNISA口座」の順番で使うのが基本の戦略になります。

新NISAは、あなたの資産形成を爆発的に加速させてくれる最強のブースターです。でも、そこで終わりじゃない。その先も続く、長い人生の資産プランを考えるきっかけにしてみてくださいね。


さいごに:「出口戦略」って、実はワクワクする未来予想図なんです

「出口戦略」なんて言うと、なんだか難しそうに聞こえますよね。
でも、要は「このお金で、これからどんな楽しいことをしようかな?」と考えることなんです。

「売らない」という言葉に縛られすぎないでください。大切なのは、

  1. NISAのすごいポイント(特に枠の復活!)を味方につけて、
  2. あなたの人生プランに合わせて、柔軟に使う選択肢を持って、
  3. 家族がいるなら、チームで考えるとお得だよ!

ということです。

出口戦略を考えることは、あなたの未来予想図を描く、とてもワクワクする作業。ぜひ、楽しみながらあなただけのプランを考えてみてくださいね。

この記事を書いた人

大手化学メーカー営業。純資産1億円のサイドFIRE投資家。

20代借金300万から副業と資産運用で人生を逆転。30代で資産1億円を達成し会社に縛られないサイドFIRE生活に。

自身の経験を元にサラリーマンが自由を手に入れるための戦略を語ります。

※SNS無し。ご連絡は「お問い合わせ」からお気軽にどうぞ。

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