今回は、僕の資産形成の歴史における、一つの大きな節目を振り返ってみたいと思います。
それは、副業収入だけで金融資産3000万円という壁を突破した、30代前半のこと。
現在の投資家としての自分から見ると、あまりにも未熟で、多くの過ちを犯していた時代です。しかし、この時の成功と失敗がなければ、今の自分はありません。
「アッパーマス層」の入り口に立った時、何が見え、何に悩み、何を考えていたのか。Q&A形式で、当時のリアルを語ります。
「アッパーマス層」到達と当時の勘違い
Q1. 野村総研の定義で「アッパーマス層」に入った瞬間、率直にどう感じましたか?
A. 実は当時、その定義自体を知りませんでした(笑)。
その階層分けを知るようになったのは、本格的に資産運用を始めてからです。当時はただ、「お金がすごい勢いで増えてきたな」「この現金を寝かせておくのはもったいない」「そろそろお金に働いてもらいたいな」と漠然と考えていました。
Q2. 資産3000万円の内訳は?
A. 100%、2つの副業で稼いだ預貯金です。投資による資産増は、この時点ではありません。
Q3. 達成まで何年かかりましたか?また、達成時の年齢は?
A. 30代前半、社会人になって10年目くらいでしたね。
Q4. この資産額で、年間いくらくらいの不労所得がありましたか?
A. 驚くかもしれませんが、ゼロです。
当時はまだ本格的な投資はしておらず、収入源はすべて副業でした。月300万PVを超えていたこのブログも、自動化に失敗し、自分一人で記事を書き続けていたので、完全な「労働所得」です。不労所得という概念すら、まだ腹落ちしていませんでした。
Q5. 老後2000万円問題については、どう考えていましたか?
A. そもそも、そんな問題が世の中で言われていませんでした(笑)。
自分自身まだ若かったですし、もともとが楽観主義なので、「まあ、どうにかなるさ」くらいの感覚でしたね。今のように誰もが投資をする時代でもなく、ようやく確定拠出年金(iDeCo)などが少しずつ浸透してきた、そんな世の中でした。
月収200万円超えの生活と、心境の変化
Q6. 3000万円という金額をどう捉えていましたか?
A. 富裕層いきの列車に、ようやく乗車券を手にした、という感覚でした。
3000万円という金額は、何か新しいビジネスを立ち上げるには十分な元手です。「この金で会社を買って成り上がろうか」「いやいや、やっぱり投資だろうか」と、次の展開を考えるのが面白くて仕方なかったですね。
Q7. 生活水準は変わりましたか?
A. めちゃくちゃ浪費家でした。
資産はそこまでないくせに、労働収入がすごかった(ピーク時:月収200万円+給料)。お金が使っても使っても入ってくるので、金銭感覚が完全に麻痺していました。「副業収入は全部使ってやろう」くらいの勢いで、それでも余るので、週末に目的もなく超高級ホテルに泊まったり…。今思うと、本当に愚かだったなと。
Q8. 逆に、資産が3000万円あっても「これはまだ無理だな」と感じたことは?
A. 正直に言うと「なんでもできる」と勘違いしていました。人生で最も調子に乗っていた時期かもしれません。20代の借金生活から一気に解放された反動ですね。
でも今だから冷静に分かりますが、当時の自分は何者でもなかった。3000万円では、都内のマンション一部屋すら買えませんでしたから。
Q9. 家族(奥様など)に報告しましたか?どんな反応でしたか?
A. 「ふ〜ん、よかったね、がんばったじゃん」で終わりでした。すごい他人事感(笑)。
良くも悪も、妻はお金に執着のない人間なので。ちなみに、その後資産1億円を達成した時も、全く同じ反応でした(爆)。
Q10. 会社に対する気持ちに変化はありましたか?
A. 正直、サラリーマンを続けるのが馬鹿らしくなりました。
資産は大した額ではなくても、キャッシュフローが凄まじく、副業だけで給料の何倍も稼いでいましたから。人生で一番、調子に乗っていた時期です。
ただ、地獄のような副業に比べれば、会社の仕事は楽勝でした。給料も安定している。「家族を養うためだ」と自分に言い聞かせ、なんとか踏みとどまりました。
サイドFIREと、当時の投資に対する考え方
Q11. 3000万円でサイドFIREやFIREは可能だと思いますか?
A. 当時は、キャッシュフローが大きかったので「できる」と思っていましたが、今なら「浅はかな考えだ」と断言できます。
Q12. 会社を「辞めたい」気持ちは強まりましたか?
A. 強まりましたが、今思えば若気の至りですね。あの時、調子に乗って辞めていたら、あとで大火傷していたことでしょう。お金の勉強が足りない段階で会社を辞めると、早いうちに絶対にお金に困ることになります。これは断言できます。
Q13. 「経済的自由」をリアルに感じましたか?
A. はい、当時はリアルに「経済的自由を手に入れた」と思っていました。
しかし冷静に考えると不労所得はゼロ。自分が働くのをやめたら収入が途絶えるわけで、何も自由ではありませんでした。その事実に後から気づけたのは、本当に幸運でした。
Q14. 3000万円達成時の、メインの投資戦略は?
A. ごめんなさい、当時はまだ本格的な投資はしておらず、副業オンリーでした。
「そろそろ投資を始めないとな」と、漠然とアイディアを固め始めたのが、ちょうどこの頃です。
Q15. ポートフォリオのアセットアロケーションは?
A. 現金100%です。潔いくらいに(笑)。もっと早くから投資を始めておけばと、後悔しかありません。
Q16. 暴落への恐怖はありませんでしたか?
A. 漠然と、「リーマンショックのような大暴落がいつか来る。その時まで現金を貯めて、来たら全力で買うんだ」と考えていました。
ところが、一向にそのタイミングが訪れず、現金が3000万円まで積み上がってしまった。
そして重い腰を上げて個別株投資を始めた瞬間に、コロナショック直撃です(笑)。タイミングが悪いとしか…。結果論ですが、コロナショックまでずっと現金で持っていれば、また別の未来があったかもしれませんね。
3000万円を「スタートライン」として
Q17. 3000万円に到達するまでの道のりで、一番の失敗談は?
A. 浪費と、労働収入を積み上げることに夢中になり、不労所得に全く目を向けていなかったこと。これは本当に大きな過ちでした。もっと早くから、お金や不労所得について真剣に勉強しておくべきでした。
Q18. 3000万円は、人生の「ゴール」ですか?「スタートライン」ですか?
A. 間違いなく「スタートライン」ですね。
Q19. 次の目標は「準富裕層(5000万円)」でしたか?
A. はい。3000万円を元手に投資をスタートし、次の目標は目先5000万円、そして夢として1億円を意識し始めました。
Q20. 今、資産1000万円台で「アッパーマス層」を目指している人に、一番のアドバイスを。
A. まずはお金について真剣に勉強すること。そして、一日でも早く、少額からでもいいので、投資で不労所得を得るポートフォリオの構築を始めること。これに尽きます。
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