先日、6年ぶりにこのブログを再始動させました。
ピーク時には月間300万PVを超え、副業収入だけで年収1000万円以上を稼ぎ出す、まさに「金の卵を産むガチョウ」だったこの場所を、なぜ僕は捨ててしまったのか。
そして、一度は完全に捨てたはずのこの場所に、なぜ今になって戻ってきたのか。
これは、多くの人が夢見る「ブログで成功」の、その先にあるリアルな物語です。
燃え尽きるまで走り続けた日々
ブログを運営していた当時、僕は狂ったように働いていました。平日は会社から帰って深夜まで、休日は一日中パソコンに向き合い、寝る間も惜しんで記事を書き続ける。
その甲斐あって、ブログは驚異的なスピードで成長。月間PVは300万を超え、広告収入だけで月200万円以上を稼ぎ出すこともありました。
しかし稼げば稼ぐほど、僕の心はすり減っていきました。自分の時間をすべてブログに捧げる働き方は、まさに「労働」そのものだったからです。
夢だったはずの「自動化」と、その挫折
この労働地獄から抜け出す道は「外注化による自動化」しかないと考え、記事制作をライターさんにお願いしようと試みました。
しかし、結果は惨敗。
最大の理由は、ライターさんに報酬を払うと自分の手取りが確実に減るという事実に、心が耐えられなかったこと。そして、送られてくる記事の品質が、自分で書いたものとは比べ物にならないと感じてしまったこと。
プライドと欲が邪魔をして、僕はブログの自動化に完全に失敗したのです。
「不労所得」という幻想との決別
自動化を諦めた僕は、燃え尽きたまま、ブログを完全に「放置」する道を選びました。
そして、図らずも壮大な社会実験が始まりました。「月300万PVのブログを6年間放置したら、どうなるのか?」と。
その、リアルすぎる結果がこれです。
- 広告収入:ピーク時 月200万円超 → 現在 月数万円(笑)
- 月間PV:ピーク時 300万PV → 現在 20万PV
もちろん6年放置してもまだ月20万PVあり、数万円を稼ぎ続けてくれているのは驚異的です。過去の自分が積み上げた資産が、価値を生み続けてくれている証拠でしょう。
しかし、これは僕が夢見た「不労所得」ではありませんでした。
ただの「過去の労働に対する、遅延型の報酬」に過ぎなかったのです。
この結果を目の当たりにし、僕は「ブログは不労所得にはなり得ない」という幻想と、完全にお別れしました。更新し続けなければ、ブログは緩やかに死んでいく。そして、更新し続ける限り、それは自分の時間を切り売りする「労働」なのです。
なぜ、それでもブログに復帰したのか
では、ブログはただの労働収入で、不労所得にもならないと悟った僕が、なぜ6年ぶりに戻ってきたのか。
理由は3つあります。
- 語るべき「新しい物語」ができたから
ブログを休止していた6年間、僕は株式投資の世界にいました。労働収入の限界を知り、お金がお金を生む「資本収入」で資産1億円を築いた今、僕には語るべき新しい物語があります。その経験を伝えるのに、このブログほど最適な場所はありませんでした。 - ここが僕の「原点」だから
どれだけ稼いでも、どれだけ時間が経っても、僕の人生を変えるきっかけをくれたこの「のまどサラリーマン」という場所は、やはり特別な「原点」です。収益のためではなく、この場所を大切にしたいという気持ちが芽生えました。 - もう「数字」を追わなくていいから
最大の理由はこれかもしれません。資産を築き、サイドFIREを達成した今、僕はもうブログのPVや収益を追いかける必要がなくなりました。プレッシャーから解放され、純粋に「趣味として」「伝えたいことがある時にだけ書く」という、最も贅沢なブログとの向き合い方ができるようになったのです。
ブログは不労所得にはなりません。しかし、過去の経験を価値に変え、誰かの役に立ち、そして自分自身の思考を整理する最高のツールです。
これからは、そんなブログの素晴らしい側面とだけ向き合っていこうと思っています。
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