副業で年収1000万円を超えたら、あなたなら会社を辞めますか?
おそらく、ほとんどの人が「即答でYES」と答えるでしょう。
過去にBUYMA転売とブログ運営という2つの副業で、それぞれ年収1000万円以上を稼ぎ出した経験があります。給料をはるかに超える収入を副業だけで得ていたのです。
会社からもらう給料も合わせると年収2000万円を超える年もありました。
しかし、会社は辞めませんでした。今も化学メーカーで働く、しがないサラリーマンです。
何度も退職を考えたのに、なぜ会社を辞めなかったのか。その理由は、今だからこそ言語化できる「お金と自由の本質」にありました。
副業収入が給料を超えても、サラリーマンを辞めなかった3つの理由
当時、月収100万円を達成した副業は、正直言って本業よりも圧倒的に稼げました。いつでも会社を辞められる、という自信と選択肢は、大きな心の支えでした。
それでも会社員の籍を捨てなかったのには、大きく3つの理由があります。
理由1:辞めるには惜しい。「ゆるい高給取り」という絶妙なポジション
会社を辞めなかった最大の理由は、身も蓋もない言い方をすれば、会社の「コストパフォーマンス」が非常に良かったからです。
僕の勤める化学メーカーという業界は、良くも悪くも巨大な装置産業。一度仕組みが回ってしまえば、個人のパフォーマンスが業績に与える影響は限定的です。そのため、プレッシャーもそこまで強くなく、楽しようと思えばいくらでも手抜きができました。
(もちろん、逆に出世を目指して猛烈に働くことも可能な、自由度の高い環境でした。)
この「ゆるさ」の割に、給料はそこそこ高い。
- 20代後半:年収500万円程度
- 30代前半:年収700万円程度
- 30代後半:年収1000万円突破(役職によります、あくまで僕のケースです)
世間一般では「ぬるま湯」と揶揄されるかもしれませんが、本業とは別の場所で人生の活路を見出そうとしている人間にとっては、これ以上ない最高の環境でした。
この化学メーカーという業界の「割の良さ」については、当ブログでも過去にたくさんの記事にしています。多くの読者さんから反響をいただいたので、興味があればぜひ読んでみてください。
もちろん、営業として嫌なこともありましたが、「安定した給料」と「確保されたプライベート時間」というセーフティネットの上で、リスクを取って副業にフルスイングできた。辞めるにはあまりにも惜しい、絶妙なポジションだったのです。
理由2:収益の「自動化」に失敗していた
BUYMAもブログも、月収100万円を超えたあたりで燃え尽きました。なぜなら、その収入は自分の時間を切り売りして得たものだったからです。
BUYMAでは、会社から帰っては深夜まで商品の出品と検品、発送作業。ブログでは、同じく深夜まで記事を書き続ける日々。どちらも、自分が手を止めれば収入が止まる、寝ていてもお金が入ってくる仕組み(=収益の自動化)の構築に失敗していました。
理由3:「本当の自由」ではなかった
この「自動化の失敗」が、3つ目の理由に繋がります。
もし会社を辞めたら、どうなるか?
ブログなら広告主の意向に、BUYMAなら運営元のプラットフォーマーにより強く縛られることになります。
結局、会社という一つの組織から解放されるだけで、別のものに縛られるだけだと感じたのです。収入も不安定な中で、家族(妻と子供2人)を養うプレッシャーは、会社員でいることの比ではありません。これは、僕が求める「真の自由」とは程遠いものでした。
投資を始めて気づいた「労働収入」と「資本収入」の決定的な違い
当時はうまく言葉にできませんでしたが、投資によって不労所得を得るようになった今なら、明確に言語化できます。
僕がやっていたBUYMA輸入転売もブログも、結局は「労働収入」だったのです。
自分のスキルや時間を使ってお金を稼ぐ「労働収入」は、再現性もあり素晴らしいものです。しかし、それだけでは経済的に自由になるにはあまりにも心もとない。AI登場のような、少しの環境変化で一瞬にして稼げなくなる脆さも抱えています。
一方で、お金がお金を生み出す「資本収入(不労所得)」は、自分が寝ていても、遊んでいても、自動的にお金が入ってくる仕組みです。
経済学者のトマ・ピケティが示した「r > g(資本収益率 > 経済成長率)」という不等式があります。これは、労働者が給料で資産を増やすスピードよりも、資本家が投資で資産を増やすスピードの方が速い、という残酷な真実を示しています。
毎月200万円以上の収入(給料+副業)があっても満たされなかった僕が、資産1億円を築き、配当などの不労所得で生活できるようになった今、この「r > g」の意味を人生をもって体現していると感じます。
なぜ労働収入が多いと無駄遣いし、資本収入は雪だるま式に増えるのか
不思議なことに、年収2000万円(本業+副業)を稼いでいた当時が、一番お金を無駄にしていたかもしれません。
正直、金銭感覚が麻痺していました。銀行口座の残高は給料日を待たずに増え続け、まるで蛇口をひねれば無限にお金が出てくるような錯覚に陥っていたのです。
その結果が、今思えば本当にばかげた浪費の数々でした。昼間は会社員、夜は深夜まで副業という生活パターンで家族をないがしろにしがちだった当時。
家族サービスにかこつけては、最高級ホテルにふらりと泊まるステイケーションを繰り返す。休日の午後は優雅なアフタヌーンティーへ。極めつけは、勢いで予約した200万円のモルディブ旅行。
「働けばまたすぐ稼げる」という労働収入特有の万能感に支配され、資産を築くという発想そのものが欠落していました。
一方で、投資で得た利益は全く感覚が違います。なぜなら、その利益は「再投資に回す」のが基本だからです。
手元にキャッシュをほとんど持たないようにしているので、そもそも「金持ち気分」になりません。常に相場の下落時に買い向かえるよう、ある程度の待機資金を確保しておく必要もあります。その結果、必要以上にお金を使わなくなるのです。
これこそが、資本収入の最も良いところかもしれません。こうして、資産は雪だるま式に増えていくのですよね。
結論:FIREを目指すなら「資本収入」の最大化を狙うべき
労働収入だけでFIREするのは、常に収入が途絶えるリスクと隣り合わせの、非常に危険な道です。
正直な話をすると、身を粉にして働いていた年収2000万円(給料+副業)よりも、今、寝ていても入ってくる年間300万円の配当収入のほうが、精神的な余裕は圧倒的に上です。
なぜなら、そのお金は僕の労働や時間に全く依存していないからです。これは寝ていても毎年安定して入ってくるお金であり、買っている会社の経営がうまくいってビジネスが伸びればその分、100万円、200万円、300万円・・・と配当収入も増えていきます。
そして何より、資産が1億円まで積み上がったという事実が、何物にも代えがたい精神的な安定をもたらしてくれています。
本当の経済的自由とは、不労所得の仕組みを確立して初めて手に入るもの。だからこそ、サラリーマンという安定した基盤の上で、余剰資金と時間を「資本収入」の最大化に使うべきと考えます。
そして僕にとって、その最も再現性の高い手段が「株式投資」でした。
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