なぜ資産1億でも会社を辞めないのか?サイドFIREが最高と思う理由

サイドFIRE

資産1億円。

多くの人が「FIRE(完全リタイア)」をひとつのゴールとして意識する、魔法のような響きを持つ数字です。この大台に到達したら、すぐにでも辞表を叩きつけて自由な生活を送りたい。そう考えるのが普通でしょう。

しかし、僕はその選択をしませんでした。

「1億円も稼いだらもう十分じゃないの?」
「私なら次の日に辞表を出しに行く・笑」
「辞めたらもっと才能を発揮できるのでは?」

そう思う方もいるかもしれません。しかし、僕はこの会社に縛られずに会社員を続ける「サイドFIRE」という生き方こそ、控えめに言って最高のライフスタイルだと確信しています。

まずは論より証拠。現在の僕の資産状況です。

今回は、なぜ僕がこの一見、中途半端にも見える生き方を選ぶのか。その現実的な理由と、サラリーマンが知らない「サイドFIRE」の絶大な魅力について、余すところなくお話しします。

    そもそも「FIRE」「サイドFIRE」とは?

    本題に入る前に、言葉の定義をさせてください。

    • FIRE(ファイア)
      株式の配当金や不動産収入、自動化されたビジネスなど、自分が働かなくても得られる「不労所得」だけで生活費のすべてをまかなえる状態。つまり「完全リタイア」を指します。
    • サイドFIRE(サイドファイア)
      その「不労所得」で生活費の大部分をまかないつつ、残りの部分は好きな仕事や負担の少ない労働で補う、より自由で柔軟なライフスタイルです。僕の場合は、サラリーマンという仕事を続けながら、その「不労所得」の柱として株式投資を育てている、という状態ですね。

    資産1億円でも僕が会社員を辞めない、3つの現実的な理由

    理由1:不労所得が、まだ生活費に足りない

    これが最もシンプルな理由です。
    僕の現在の年間配当収入は約300万円。しかし、都内在住で3人の子供たちの塾や習い事代、家賃などを考えると、我が家の年間生活費は1000万円近くにのぼります。

    全く、足りません。

    もし今、会社を辞めてしまったら、残りの700万円を補うために、虎の子の資産を取り崩すか、必死でアルバイトや他の仕事をしなければならなくなります。それでは、精神的な自由は得られません。

    僕の中で、安心してFIREできる不労所得の最低ラインは、年間600万円。これだけあれば、贅沢はできなくとも、家族の生活基盤は守れる。通勤を考えなくてもよいので都心から離れられる、今のように家にお金を使わなくてよくなるので、その分、必要な生活費が減るイメージですね。

    それでも足りなければ残りは好きな仕事を少しして補えばいい。そう考えています。欲を言えば年間配当1000万円くらいほしいですが(笑)。

    とにかく不労所得が足りない、だから辞めない。それが一つ目の理由です。

    理由2:今の会社が「コスパ最強」だから

    以前の記事でも書きましたが、僕の勤める大手化学メーカーは、驚くほどコストパフォーマンスが良い。

    仕事のプレッシャーや強度はそこまで高くなく、正直に言えばいくらでも楽をできます。もちろん、結果を出すべきところでは出しますが、スタートアップ企業のように常に精神を消耗するような不安定さはありません。

    その「ゆるさ」の割に給料は高く、30代後半の現時点で年収1000万円を超えています。

    この「安定した高給」というセーフティネットがあるからこそ、僕はリスクを取って投資に挑戦できるのです。いわば、会社は僕の挑戦を支えてくれる、最強のスポンサー。この恵まれた環境を、今すぐ手放す理由が見つかりません。

    理由3:「いつでも辞められる」状態で給料をもらう贅沢を知ってしまった

    これが精神的に最も大きな理由かもしれません。

    かつて感じていた日曜の夜の憂鬱、いわゆる「サザエさん症候群」が、僕にはもうありません。なぜなら、「嫌なら、明日辞めてもいい」と心から思えるからです。

    会社に生殺与奪の権を握られている状態と、「いつでも辞められる」と思いながら働くのとでは、ストレスが天と地ほど違います。

    もはや、僕にとって会社は「生活のために我慢して行く場所」ではありません。「自分の資産を守るための保険料(社会保険)を払ってくれて、おまけに高給までくれる、ありがたい場所」なのです。この、会社との新しい関係、この贅沢を知ってしまったら、もう後戻りはできません。

    控えめに言って最高。「投資家 兼 サラリーマン」の絶大な魅力

    このサイドFIREという状態は、ただ会社に居座るだけではありません。投資家としての視点を持つことで、サラリーマンという立場が、とてつもないアドバンテージに変わるのです。

    1. 株価暴落が来ても冷静でいられる

    資産が1億円あっても、20%暴落すれば2000万円が一瞬で消し飛びます。普通の精神状態ではいられません。しかし、その翌月も、その次の月も、会社は僕に安定した給料を振り込んでくれる。この事実が、パニック売りを防ぎ、むしろ冷静に買い向かう勇気を与えてくれます。つまり今の投資実績はサラリーマンだったからこそ達成できたとも言えます。

    2. 上司に媚を売らなくて済む

    出世競争から完全に降りているので、社内政治や無意味な忖度は一切不要です。理不尽な要求や、結論の出ない会議。昔は我慢して付き合っていましたが、今は「その時間は私の投資機会を奪っている」と冷静に判断し、断ることもできます。これは、組織で上に行けば行くほど、とてつもなく大きなアドバンテージになります。

    3. やりたくない仕事、本質的でない仕事はやらなくてよい

    会社の利益につながらないと判断した仕事は、断るか、手を抜きます。投資家として、自分の時間という最も貴重な資本を、リターンの見込めない活動に投下することはできません。自分の時間と精神を守ることが最優先です。

    4. 無理にパフォーマンスを上げる必要がない

    評価を気にして無理に頑張る必要もありません。自分の営業成績をよくみせるため、労力をかけて顧客に頭を下げて走りまわる必要もありません。短期的ではなく中長期目線で会社に貢献しそうなことだけをやります。「給料分の働き」、つまり「会社の利益に本質的に必要なこと」だけを冷静に実行します。

    サイドFIREは「静かな退職(Quiet Quitting)」なのか?

    この働き方を聞いて、「それって、やる気のない『静かな退職』じゃないの?」と思った方もいるでしょう。

    見方によっては、そう見えるかもしれません。明らかに僕は、会社への忠誠心も、出世欲もない「やる気のない人」ですから。

    しかし、僕は自分の働き方が、多くの「やる気だけある社員」よりも、よほど会社の利益に貢献していると自負しています。

    会社にはいませんか?ビジネスの本質を理解しないまま、やる気だけが空回りして、意味のない仕事を次から次へと生み出す人。あれは、会社の貴重なリソース(人・時間・金)を浪費するだけの、何もしないよりも悪い行為です。

    なぜ「やる気のない億り人」が会社にとって有益なのか

    長年、あらゆる企業の決算書を読み込み、優れたビジネスモデルを研究してきた投資家の視点から見ると、多くの会社員が行っている仕事のレベルの低さには、正直イライラさせられます。

    僕のような「静かな退職者」は、無駄な仕事をせず、会社の利益に直結することだけを冷静に実行します。

    それって、ほとんどタダ働きしてくれる経営者が、現場に一人いるのと同じだと思いませんか?(ちょっと自信過剰すぎかもしれませんが・笑)

    だから、僕はこの「投資家 兼 サラリーマン」という、最強のサイドFIRE生活を、心から気に入っているのです。

    結論

    このように、「いつでも辞められる」という精神的な自由を手に入れた上で、サラリーマンという安定した基盤を活用し続ける。これが、僕がたどり着いた現時点での最適解です。

    FIREしてすべての労働から解放されることだけが、ゴールではありません。自分にとって最も心地よく、かつ合理的な働き方を見つけることこそが、本当の「上がり」なのかもしれませんね。

    この記事を書いた人

    大手化学メーカー営業。純資産1億円のサイドFIRE投資家。

    20代借金300万から副業と資産運用で人生を逆転。30代で資産1億円を達成し会社に縛られないサイドFIRE生活に。

    自身の経験を元にサラリーマンが自由を手に入れるための戦略を語ります。

    ※SNS無し。ご連絡は「お問い合わせ」からお気軽にどうぞ。

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