「投資を始めたいけど、何から手をつけていいか分からない」
「損をしそうで怖い…」
今、この記事を読んでいるあなたは、そんな風に思っているかもしれません。何を隠そう数年前に投資を始めた頃の僕も、全く同じでした。情報が多すぎて何が正解かわからず、なかなか第一歩を踏み出せずにいたのです。
この記事では、そんな僕が過去の自分に教えるつもりで、「投資初心者が本当に知りたいこと」「最短で迷わずスタートを切るための知識」を自身の経験を交えながら一つのロードマップにまとめました。
この地図を手にすれば、あなたはもう迷うことはありません。未来のあなたのために、今日、確かな一歩を踏み出しましょう。
STEP1:まず知るべき「始め方」と「基本のキ」
まず、投資はギャンブルではありません。正しい知識とルールを知れば、誰にでも資産を築くチャンスがある、再現性の高い手法です。
証拠として20代にギャンブルで借金300万円をつくってしまった絶賛ギャンブル運のない僕でも、資産1億円を達成することができました。
まずは投資の基本をしっかり押さえましょう。
なぜ投資が必要?僕が始めた「たった1つの理由」
僕が投資を始めた理由は、正直に言うと、もっと楽に生きたかったからです。
昼間はサラリーマンとして働き、家に帰ってから深夜にまで及ぶで疲弊していた当時の僕。「このまま働き詰めの一生は嫌だ…」と、なんとか楽して稼ぎたい、と思っていろいろ調べている間にたどり着いた答えが投資でした。
自分で働くのではなく、お金に働いてもらう。つまり「不労所得」を手に入れたいとの一心でした。
そしてもう一つ、僕を投資へと駆り立てた決定的な事実があります。それは「貯金しているだけでは、お金は静かに減っていく」という現実です。
これが、いわゆる「インフレ(インフレーション)」です。モノの値段が上がり、お金の価値が下がることですね。例えば、昔は100円で買えたジュースが、今は150円出さないと買えませんよね?これは、あなたの持っている「100円」というお金の価値が、ジュース1本分から3分の2本分に減ってしまったことを意味します。
銀行に100万円を預けていても、1年後の金利なんて雀の涙。でも、世の中のモノの値段が2%上がったらどうでしょう?あなたの100万円は、額面上は100万円のままですが、実際に買えるモノの量は98万円分に減っています。これは、政府に毎年2%の「インフレ税」を静かに徴収されているのと同じことです。何もしないことが、実は最大のリスクなのです。
幸い、僕には元手となる貯金が3000万円ほどありましたが、このお金もインフレで価値を失う前に「働かせなければならない」と強く感じました。この気づきが、僕を本格的に投資の世界へ足を踏み入れさせたのです。
【超基本】証券口座を開設しよう【銀行口座じゃダメな理由】
投資を始めるには、まず専用の口座である「証券口座」が必要です。
「え、いつも使ってる銀行の口座じゃダメなの?」
はい、ダメなんです。銀行の普通預金口座は、あくまでお金を預けたり、引き出したりするためのもの。株や投資信託といった金融商品を買うためには、専用の証券口座が必須となります。
「どこで開設できるの?」
じつは、ゆうちょや三菱UFJ、三井住友銀行、みずほ、地銀など、普段あなたがお使いの銀行の窓口に行って申し込めば証券口座は開設できます。
しかし、僕が断然おすすめするのは「ネット証券」です。
特に2大ネット証券と言われる「楽天証券」と「SBI証券」は、サービスの質が非常に高く、取引手数料も基本的に無料です。どちらを選んでも間違いありませんが、僕は楽天経済圏に生きているので、携帯電話や楽天市場、楽天カードなど、他サービスとのお得な連携ができてポイントもたまる「楽天証券」だけを使っています。このように、ご自身の生活スタイルに合わせて選ぶのが良いでしょう。
時間がない会社員でも成功できる王道戦略「長期・積立・分散」
ここからは、僕自身がメインで実践してきた手法とは異なりますが、投資の世界には「王道」と呼ばれる、再現性が非常に高く、時間のない会社員の方でも無理なく実践できる手法があります。僕が尊敬してやまない投資の神様、ウォーレン・バフェットも、その重要性を繰り返し説いています。
株式市場とは、忍耐力のない人間から、忍耐力のある人間に資産を移転させるための装置である。
ウォーレン・バフェット
まさにこの言葉に集約されています。王道の戦略とは、この3つのキーワードです。
- 長期:10年、20年という単位で、どっしり構えること。株価は短期的には上下しますが、世界経済は長期的に見れば成長を続けています。その果実を丸ごと受け取るイメージです。
- 積立:毎月決まった額を、感情を無にして買い続けること。これを「ドルコスト平均法」と言います。株価が高い時は少なく、安い時に多く買えるため、平均購入単価を下げることができます。
- 分散:卵を一つのカゴに盛らないこと。一つの会社、一つの国に集中投資すると、そこがダメになった時に全てを失います。投資先を世界中に散らすことで、リスクを限りなく小さくできます。
この3つは、投資に多くの時間を割けない方でも、着実に資産形成を目指せる、非常に優れた戦略です。
STEP2:何を買う?王道戦略でいくならコレ
さて、もしあなたが先ほどの「王道戦略」で投資を始めるなら、何を買うべきか。その問いへの答えは非常にシンプルです。
国のボーナス制度「NISA」とは?
具体的な銘柄の話をする前に、もっと大事なことを話します。それは「NISA(ニーサ)」という制度を絶対に使う、ということです。
NISAとは何か?一言で言えば、投資の利益が非課税になる国のボーナスステージです。普通、株や投資信託で100万円の利益が出たら、約20万円というバカにならない額を税金として国に納める必要があります。汗水たらして増やした資産の2割ですよ?やってられません。
ですが、NISA口座の中での取引なら、その税金がゼロになります。100万円の利益は、まるごと100万円あなたのものです。これを使わないのは、目の前に落ちているお金を拾わないのと同じくらい愚かな行為だと僕は思います。
2024年に始まった新NISAで、この制度はさらに”神アップデート”されました。僕らの世代が資産を作るなら、この制度を使い倒すことが必須。まずは「投資=NISAでやる」と頭に叩き込んでください。
結論:初心者は「NISA」で「S&P500」と「TOPIX」を半分ずつ買え
もしあなたが僕の家族や親友で、かつ投資に時間をかけられない会社員なら、迷わずこうアドバイスします。
「新しいNISA口座で、『米国株(S&P500)の投資信託』と『日本株(TOPIX)の投資信託』を半分ずつ、毎月可能な限り積立しなさい」
これだけです。
オルカンをおすすめしない理由
専門家やインフルエンサーの方が「全世界株式インデックスファンド(通称オルカン)」をおすすめしているのをよく見ますが、僕は推奨しません。
(補足)よく聞く「オルカン」って何?
よく耳にする「オルカン」について簡単に説明しておきます。これは「オール・カントリー」の略称で、その名の通り全世界の株式にまるごと投資する投資信託(インデックスファンド)のことです。これ1本で世界中の成長企業に分散投資できるという手軽さから、多くの専門家が「まずこれを買っておけば間違いない」と推奨しています。
…ですが、それでも僕は推奨しません。その理由は次の通りです。
- どちらにせよ構成銘柄のウェイトは米国株と先進国株が大きいので、分散できているようで、実はできていないからです。中途半端に分散するくらいなら、強いところに集中させた方がよほど効率的です。
- また、これは米国、EU各国、インド、東南アジアからイランまで、世界各国を出張で見てきている僕だからわかるのですが、米国や日本、EU諸国といった先進国以外の国は、カントリーリスクが高すぎて基本的に投資には不向きだと考えています。不安定な政治、予測不能な規制、通貨の暴落など、大切なお金を投じるには危険が多すぎる。わざわざリスクの高い新興国にまで国を分散する意義が、僕には理解できません。
米国株で「成長」を、日本株で「安定」を買う
僕の考えはこうです。
世界で一番繁栄しているアメリカのさらなる成長に賭けるのは必須(S&P500)。そして、我々が住み、カントリーリスクが極めて低い先進国の代表格である日本株にかければ、それで十分ことたりる(TOPIX)、と。なぜ僕がここまでアメリカに強気なのか。それは、僕が尊敬するバフェットのこの言葉がすべてを物語っているからです。
これまで240年間、アメリカの成長に逆らうような賭けは、ことごとく大失敗に終わった。そして、今この瞬間も、その賭けを始めるべき時ではない。
ウォーレン・バフェット
バフェットは、この国の持つダイナミズム、イノベーション、そして困難を乗り越えてきた歴史そのものに投資しています。日々のニュースに惑わされず、この巨大な国の成長という「追い風」に乗り続けること。これこそが、S&P500をポートフォリオの中核に据えるべき最大の理由です。
10年、20年やそこらで、世界の勢力図はそんなには変わりませんよ(笑)。
もし将来、米国や日本にとって代わるような国があらわれたときに乗り換えても、ぜんぜん遅くはありません。まずはシンプルに、最強の国と、最も身近で安心できる国。この2つに投資することから始めましょう。
STEP3:未来のために「不安」を「自信」に変えるQ&A
Q. いくらから始めればいい?
A. 月々1,000円からでもOK。大切なのは「金額」より「経験」です。
1万円の投資は、どんな分厚い本を読むよりも多くのことを教えてくれます。まずはジュースを1本我慢したお金からでもいい。とにかく「投資の世界に身を置く」経験をしてください。
Q. 損をするのが怖い…
A. 僕も怖いです。だからこそ「忘れる」力も大事。
投資にリスクは付き物です。資産が一時的に減ることは必ずあります。王道の積立投資を実践するなら、短期的な値動きは無視して「忘れる」くらいが丁度いい。感情的な判断で売買するのが一番の失敗の元です。
Q. 暴落がきたらどうすればいい?(リーマンショックみたいな…)
A. 何もしない。むしろ「大バーゲンセールだ」と喜んで、いつも通り買い続けなさい。
この問いに対する完璧な答えを、バフェット氏が示してくれています。
他人が貪欲になっているときは恐る恐る。他人が怖がっているときは貪欲に。
ウォーレン・バフェット
暴落とは、まさに「他人が怖がっているとき」です。それは、優良な資産をありえないほどの安値で仕込める最大のチャンス。周りが恐怖に駆られて投げ売りしているのを横目に、あなたはいつも通り、あるいはいつもより多めに買い向かう。歴史が証明している通り、世界経済はどんな危機も乗り越え、必ず右肩上がりに成長してきました。暴落時に冷静でいられるかどうかが、凡人と億り人(おくりびと)を分けるたった一つの資質です。
Q. いつ売ればいいんですか?
A. 「お金が本当に必要になったとき」だけ。積み立て投資でいくなら売らない。
よく「目標金額に達したら売る」「株価が2倍になったら売る」という人がいますが、積み立て投資をする場合に限って、僕はおすすめしません。なぜなら、それは金の卵を産むニワトリを自ら絞め殺すような行為だからです。あなたの資産は、あなたが寝ている間も働き続ける最高の従業員。それを途中でクビにする理由がどこにありますか?
売却を考えるのは、家を買う、子供の学費を払う、リタイアして生活費として切り崩すなど、そのお金の「使い道」が明確に決まったときだけです。それまでは、ひたすら育て続ける。これが資産を最大化させる唯一の方法です。
Q. 最初にまとまったお金を入れるのと、毎月積立とどっちがいい?
A. 答えは明確。「両方やる」のが最強。でも初心者なら「まず積立」から。
理論上、株価は右肩上がりに成長するので「最初に全額投入(一括投資)」が最もリターンが高くなる可能性が高いです。僕自身は積み立てが苦手なので大きな資金を一括で入れていますが、よほどうまくやらないと成功する確率が低いです。なので初心者には少額の積み立て投資をおすすめします。
まずは「毎月積立」で投資に慣れること。そしてボーナスなど、余裕資金ができたときに「追加で投資(スポット購入)」をする。この「積立+スポット購入」の二刀流が、リスクを抑えながらリターンを狙える、金持ちになるための再現性が高い手法です。
Q. 毎月いくら投資すればいい?
A. 「手取り収入の20%」を目標に。でも最初は無理せず1万円からでOK。
これはあくまで目標ですが、本気で資産形成をしたいなら「手取りの20%」を投資に回す生活習慣を身につけるのが理想です。手取り25万円なら5万円、30万円なら6万円。このインパクトは絶大で、数年で人生が変わるレベルの資産を築くことも可能です。
とはいえ、いきなりは厳しいでしょう。だから、最初は月々1万円でもいい。慣れてきたら2万円、3万円と増やしていく。大切なのは「給料が入ったら、先に投資額を確保し、残ったお金で生活する」という思考の順番です。これを「先取り投資」と言います。
Q. 確定申告とか、税金の手続きって面倒じゃないの?
A. NISAでやるなら「一切不要」。これだからNISAは最強なんだ。
初心者が投資をためらう理由の一つに「税金の手続きが面倒くさそう」というのがありますよね。その心配は一切いりません。
NISA口座は利益が非課税なので、そもそも確定申告をする必要がありません。さらに、通常の証券口座(課税口座)で投資する場合も、口座開設時に「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけば、証券会社があなたの代わりに税金の計算から納税まで全て自動でやってくれます。あなたは本当に、ただ買って持っておくだけ。これ以上簡単なことはありません。
仮に確定申告が必要になったとしても心配ご無用。証券会社に必要なデータがそろっているので書類作成自体は慣れれば1-2時間で終わります。
番外編:最強の節税制度「iDeCo」もやるべき?
NISAとともによく聞く言葉に「iDeCo(イデコ)」がありますね。結論から言うと、これは「老後資金作りに特化した、もう一つの超強力な非課税制度」です。これももちろん「投資」であり、僕も活用しています。
NISAとの決定的な違い:60歳まで引き出せない「貯金箱」
iDeCoを始める前に、たった一つ、絶対に理解しなければならないルールがあります。それは、「iDeCoで投資したお金は、原則60歳になるまで1円も引き出すことができない」という点です。
NISAがいつでも引き出せる「万能な普通預金」だとすれば、iDeCoは一度入れたら60歳まで絶対に開かない「超頑丈な貯金箱」。この違いはとてつもなく大きいです。途中で家を買いたくなっても、車が欲しくなっても、iDeCoのお金は使えません。だからこそ、生活のすべてをiDeCoに注ぎ込むのは危険なのです。
では、どう付き合うべきか?
この強力なデメリットを上回る、とんでもないメリットがiDeCoにはあります。それは「毎月の掛金が、全額『所得控除』の対象になる」という点です。
これは、簡単に言うと「iDeCoに支払った分だけ、あなたの年収が低かったことにしてあげるから、所得税と住民税を安くしてあげるよ」という国の制度です。年収が高い人ほど、この節税効果は絶大です。
これを踏まえた上で、初心者への僕からのアドバイスは以下の通りです。
- 最優先はNISA。まずはNISAの投資枠を使い切ることを考える。
いつでも引き出せるNISAは、あなたの人生のあらゆるイベントに対応できる最強のコア戦略です。まずはこのエンジンをフル回転させることに集中してください。 - NISAを満額使っても、まだ投資余力があるならiDeCoを検討。
NISAをやりきった上で、さらに「このお金は60歳まで絶対に使わなくても大丈夫」と断言できる資金があるなら、iDeCoの活用を検討しましょう。特に、所得税率が高い会社員にとっては、最高の節税ツールになります。 - 順番を間違えないでください。まずはNISA、次点でiDeCo。この優先順位が、初心者が失敗しないための鉄則です。
【上級者向け】参考:僕が実践した1億円達成の投資戦略
最後に、僕自身が資産1億円を達成したやり方についてお話しします。
ただし、これは再現性が低く、徹底的なリサーチとリスク許容度が求められるため、初心者の方には決して推奨しません。 あくまで参考情報として読んでください。
僕の投資スタイルの核心は「日本の個別株への集中投資」です。これもまた、バフェットの哲学を自分なりに解釈した結果です。
決して理解できないビジネスには投資しないことだ。
ウォーレン・バフェット
この言葉の通り、僕は自分が完璧に理解し、将来を確信できると判断したビジネス(企業)にのみ、資金を集中させてきました。
- 投資対象:日本の個別株100%。銘柄を絞り、これだと思った10銘柄程度に資金を集中させます。
- 時間配分:時間をかけるのは取引(トレーディング)ではなく、リサーチ部分です。財務分析・マクロ経済分析・企業分析を徹底的に行い、その企業を「理解」することに全力を注ぎます。幸い、僕には企業の発掘力に自信がありました。
- 投資手法:毎月コツコツ積み立てるのは、どうも自分の性格上できませんでした。そのため、自分が確信を持てたタイミングで、大きく資金を投下するスタイルにたどり着きました。
正確に言うと、資産が少なかったころから今に至るまで、僕は本当にいろんな手法を試してきました。その時々の自分の資産状況や相場環境に合わせて、最適な戦略を選んできた結果が今のスタイルです。
このブログでは、僕が試してきた様々な手法や、個別銘柄の分析記事も公開していますので、興味があればぜひ他の記事も読んでみてください。
まずは王道から始め、経験を積みながら、いずれはあなた自身の「勝ちパターン」を見つけていくのが投資の醍醐味です。この記事が、その第一歩となれば幸いです。
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