現在の年間配当金は300万円を超え、ようやくサイドFIREと呼べる状態が近づいてきました。
今回は、その過程にあったひとつの大きな節目、「年間配当金200万円」を達成した当時を振り返り、そこに至るまでの道のりや考え方の変化について、Q&A形式で答えていこうと思います。
年間100万円(月8万強)から200万円(月17万弱)へ。このステージは、サイドFIREが目前に迫り、資産の雪だるまがどんどん大きくなるのを実感できる、非常にエキサイティングな時期でした。
実績と基本情報
Q1. 配当200万円時点での総資産と利回りは?
A. 総資産が5000万円を少し超えたあたりでした。配当利回りは約4%超ですね。
バリュー投資をベースにしつつ、高配当株投資も組み合わせた戦略が、ちょうど実を結び始めた時期です。
当時は今よりも割安で放置されている銘柄が多く、さらに東証からの資本効率改善要請もあって、多くの企業が増配や自社株買いといった株主還元を強化し始めたタイミングだったのも、本当に運が良かったです。
Q2. 100万円から200万円まで、どのくらいの期間がかかりましたか?
A. 2年ほどしか、かかりませんでした。0→100万円の時は投資のタネ銭づくりの期間もふくめると10年ほどかかっているので、それに比べてハイペースでしたね~。
この期間に資産が3000万円台から5000万円台まで激増したのが大きいです。もともと保有していた大手商社株をバフェットが買い増したことで、資産が爆発的に増えた時期でした。
また、このあたりから資金効率を上げるために信用取引にも本格的に手を出し始めました。うまくいく方にレバレッジをかけるのは、妥当な判断だったと思っています。
Q3. 新NISAの使い方は?
A. 成長投資枠だけMAXで使っています。つみたて投資枠は使っていません。
僕は性格的にコツコツ積み立てるのが苦手なので、自分の能力や性格を超えることに無理に手を出すのはやめています。
Q4. 保有銘柄数はどのくらいでしたか?
A. この当時はまだ多くて、20銘柄くらいに分散していましたね。
「分散は無知に対する保険だ」というバフェット氏(僕の最も尊敬する米国の著名投資家)の言葉の意味を、この頃にようやく身をもって理解し始めました。
つまり、当時の僕はまだまだ無知だったので20銘柄にも分散投資し、無知に対する保険をかけていたのですよね。
Diversification is a protection against ignorance. It makes very little sense for those who know what they are doing. by Warren Buffet
分散投資は無知に対する保険である。自分が何をしているのかを知っている人にとっては、あまり意味がない。ー ウォーレン・バフェット
その後、僕自身は「もう無知ではない」と判断し、10銘柄ほどに絞り込んでいくことになります。
Q5. メインで使っている証券会社は?
A. これは最初から変わらず楽天証券です。特に不満もないので、ずっと使い続けています。
投資戦略の「進化」
Q6. 今、注目しているセクター(業種)は?
A. 今、世間から注目されていなくて売り込まれているセクターや、半導体関連の中でもまだ注目されていない銘柄ですね。具体的な話はいずれ読者様限定で配信できればと考えています。
Q7. 100万円達成時から、投資戦略に変化はありましたか?
A. はい、よりリスクを取るようになりました。
コロナバブルの追い風もあって資産がとんとん拍子に増えていたので、信用取引をほぼフル活用し始めたのがこの時期です。これが功を奏して、資産の増加ペースはさらに加速しました。
とはいえ、何度もプチ暴落に巻き込まれ、一度は追証(おいしょう)も経験しました。ここで本当の意味でのリスクコントロールを覚えた気がします。
Q8. 集中投資を続ける上で、一番気をつけていることは?
A. 入念なリサーチと、リスクコントロールです。
「このアイディアは絶対にいける」と心の底から確信したものにしか投資しません。そのため、本格的な売買は3ヶ月に1回など、頻度は極端に少ないです。それでもミスる時はあるので、その時は過ちを認めて潔く損切りします。
Q9. 情報源は何ですか?
A. 日経新聞は毎日欠かさず、企業の決算書、有価証券報告書。これが基本です。
それでも分からない企業の強みの源泉などは都度Google検索し、Youtube、アナリストレポートやブロガーさんの情報を参考にさせてもらっています。
Q10. どんな銘柄に投資していますか?
A. 個別の銘柄戦略は公開していませんが、みなさんがよくご存知の株が中心です。
大学時代に失敗して才能のなさを痛感しているので、デイトレなどの短期売買はFIREしても多分やりません。あくまで中長期投資です。
とはいえマイルールに縛られるとチャンスを失うので自分の手法は固定化しないように柔軟に対処するスタイルを貫きます。デイトレやスキャルピングのほうが稼げると思ったらそちらへ行くでしょう。
Q11. このステージでの失敗談を教えてください。
A. いくらでも語れます(笑)。
爆安だった造船株や電線株に注目していたのに、成長戦略を見極めきれずに仕込めなかったこと。コロナからの復活を見越して買った化粧品メーカーが、まったく業績回復せず爆損したことなど、数え切れません。
ライフスタイルとマインドの変化
Q12. 年間配当200万円(月17万円弱)で、生活費はどのくらいカバーできますか?
A. 恥ずかしながら、2割ほどしかまかなえません。
都内在住で子供3人、塾や習い事もあって、生活費は月80万円(年1000万円)近くかかっています。この当時も、会社員の給料は全額生活費に消え、投資で稼いだお金はすべて再投資に回す、ということを徹底していました。
Q13. 月8万円と月17万円弱の不労所得。精神的に一番変わったことは?
A. 驚くほど、何も変わりません(笑)。
投資で稼いだお金には一切手を付けなかったので、常に家計は火の車でした。100万円の時と同じく、「前進はしているけど、まだまだ足りない」という感覚でしたね。
Q14. 配当金は今も全額再投資ですか?
A. はい、全額再投資です。生活費はサラリーマンの給料でまかなっています。
Q15. 本業のサラリーマンに対するモチベーションは?
A. 「まだ会社は辞められない」という気持ちが強かったですね。
資産5000万円・配当200万円といっても、我が家の生活費ではサイドFIREすら難しい。FIREなんて夢のまた夢だと、途方に暮れていました。まさか、この後すぐに資産1億円に到達するとは、夢にも思っていませんでした。
Q16. 資産が増えて、逆に「やらなくなったこと」は?
A. 贅沢全般ですね。
ブログで月200万円稼いでいた頃よりも、むしろお金が足りない感覚でした。なので、必死で生活を切り詰めていました。一番大きな出費になる旅行も、モルディブなんて夢のまた夢で、近場の安いホテルにしたり。とにかくいろいろケチっていました。
今後の目標と次へのアドバイス
Q17. 最終目標「年間配当1000万円」への戦略は?
A. 生活費が年1000万円なので、これを配当金だけでまかなえればFIREできる、という単純な目標です。
戦略は、増配余地のある企業や、業績が上向いて株主還元が増えるであろう企業を発掘して、集中投資することです。これに尽きます。
Q18. 今、年間配当100万円の人が次に200万円を目指す上で最も重要なことは?
A. やはり高配当株への投資がシンプルで良いと思います。
Q19. 配当金生活で一番「これは注意すべき」という点は?
A. 減配リスクのある銘柄を避けること。言うは易しですが(笑)。
そのためにも、財務分析をしっかり行い、経営者の考えを理解し、資料をよく読むといった地道な情報収集が不可欠です。
Q20. これから資産運用を本格的に始めたいサラリーマンに、一つだけアドバイスするなら?
A. 節約し、NISAで積み立て投資信託(ETF)をコツコツ購入してください。
僕のやっている個別株集中投資は、運の要素も必要で再現性が低いので、決してお勧めしません。王道が、一番の近道です。
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