「富裕層」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
タワーマンションの最上階に住み、高級外車を乗り回す。週末は高級レストランで食事をし、長期休暇は海外の五つ星ホテルで過ごす。欲しいものは値段を見ずに買い、お金に困ることなどない、自由で優雅なセレブ生活…。
おそらく、そんなイメージではないでしょうか。
野村総合研究所の定義によれば、純金融資産1億円以上の世帯は「富裕層」と呼ばれます。そして、僕は先日、この「富裕層」の仲間入りを果たしました。

しかし冒頭に挙げたキラキラした富裕層のイメージは、現在の僕には、そのどれもが当てはまっていません。
今回は、資産1億円を達成した今だからこそ語れる、「富裕層」という言葉の幻想と、僕が直面しているリアルな現実について、正直にお話ししようと思います。
そもそも「富裕層」の定義とは?
まず、言葉の定義から確認しておきましょう。
日本で最もよく知られているのが、野村総合研究所(NRI)が発表している、純金融資産保有額に基づいたマーケットの階層分類です。
- マス層:3,000万円未満
- アッパーマス層:3,000万円以上 5,000万円未満
- 準富裕層:5,000万円以上 1億円未満
- 富裕層:1億円以上 5億円未満
- 超富裕層:5億円以上
この定義に従えば、純資産1億円を達成した僕は、晴れて「富裕層」の入り口に立った、ということになります。
なぜ資産1億円あっても富裕層の実感がないのか?
ではなぜ、定義上は富裕層である僕に、その実感が全くないのか。
理由は驚くほどシンプルです。
生み出されるキャッシュフローが、生活費に対して全く足りないから。
考えてみてください。金融資産が1億円あろうと10億円あろうと、そこから生まれる年間のキャッシュフロー(配当金など)が100万円なら、生活はカツカツですよね?
これが、今まさに僕が直面している課題です。現在の資産1億円から得られる年間配当金は約300万円。いっぽうで、都内在住・子供3人の我が家の年間生活費は約1000万円。資産はあっても、お金は常に足りないのです。
資産額という「ストック」の大きさよりも、そこから生み出される「フロー(キャッシュフロー)」の大きさこそが、生活の豊かさを決める。この当たり前の事実に、僕は今、あらためて向き合っています。
資産1億円の今より、月収250万円時代の方がよほど金持ちだった
皮肉な話ですが、「自分は金持ちだ」という感覚は、資産1億円を達成した今よりも、副業と給料で月収250万円を稼いでいた30代前半の方が、はるかに強かったです。
当時は、文字どおり「使っても使ってもなくならない魔法の財布」を持っているような感覚でした。銀行口座の残高はつねに増え続け、週末に超高級ホテルでステイケーション。勢いで200万円のモルディブ旅行を予約するなど、今思えば本当に愚かな浪費を繰り返していました。
それは、稼いでいたお金が「労働収入」だったからです。労働収入は、働けばまたすぐに稼げるという万能感を与え、消費へのハードルを下げます。
いっぽうで、投資で得た利益は「資本」。つぎの利益を生むための大切なタネ銭です。これを浪費することは、将来の可能性を自らつみ取る行為に他なりません。だからこそ、今の僕はMacBookを10年もつかい倒したあと、数万円のPCに買い替えるような、質素な生活を送っているのです。
それでも、資産1億円という事実が僕を支えている
「富裕層の実感がない」と繰り返してきましたが、それでも資産1億円を達成したという事実は、僕にとって何物にも代えがたい意味を持っています。
正直に言うと、達成した瞬間は涙が溢れました。
もう超えることは分かっていたから感動しないはずだったのに、証券口座の数字が9桁になったのを見たとき、これまでの苦労がすべて思い出されたのです。
20代の借金まみれの生活。裕福とは言えなかった実家。睡眠時間を削って身を粉にして働いた副業時代。そして、コロナショックで一瞬にして資産が溶けた恐怖。
そのすべてを乗り越えてたどり着いたこの場所は、僕の人生の逆転劇を証明する、ひとつの大きな勲章です。それは、僕が「お金の心配をせず、自分の人生の舵を自分で握る」ための、強力な精神的な支えとなっています。
提案:本当の富裕層は資産3億円から始まる
世間の定義に文句を言うつもりはありません。
しかし、僕自身の経験から、本当の意味で人生が「上がり」になる、つまり、心から「富裕層」だと実感できるのは、純資産3億円からだと提唱したいです。
なぜ、3億円なのか。
資産3億円 × 配当金などの税引き後利回り3.3% = 年間キャッシュフロー1000万円
この計算式が、すべてを物語っています。
資産3億円あれば、年間1000万円の不労所得が生まれる。僕の現在の生活費を、資産を一切取り崩すことなく、配当金だけで完全にまかなえるのです。
そうなって初めて、人は労働から完全に解放され、人生の時間を100%自分のために使えるようになる。これこそが、真の経済的自由であり、僕が目指すゴールです。
結論:目指すべきは「資産額」ではなく「キャッシュフロー」
「富裕層」という言葉は、ただの記号に過ぎません。その言葉の響きに惑わされ、資産額の大きさだけを追い求めても、本当の豊かさは手に入らないかもしれません。
大切なのは、自分の人生にとって、年間いくらのキャッシュフローがあれば心から満足できるのかを知ること。そして、そのキャッシュフローを生み出す資産を、いかに築き上げるか。
僕の旅は、まだ続きます。次の目標である「資産3億円」への道のりも、このブログで皆さんと共有していけたらと思っています。
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