あとはビジネスシーンごとに「承知」の使い方・例文を紹介しておきます。
どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。
すでに登場した例文もありますが、いちおう全てをまとめておきます。
依頼・お願いビジネスメール結びに使う”承知”
ビジネスにおける「承知」のいろいろな使い方
何かしら目上や上司・取引先に「承知してほしい！！」とお願い・依頼したいときは…
たとえば、
- 例文「承知くださいますようお願い申し上げます」
意味は「承知してくれるようお願いします」 - 例文「承知をお願い致します」
意味は「承知してほしい、お願いします」 - 例文「承知いただきますようお願い申し上げます」
意味は「承知してもらうようお願いします」 - 例文「承知賜りますようお願い申し上げます」
意味は「承知してもらうようお願いします」 - 例文「承知いただければ幸いです」
意味は「承知してもらえたら嬉しいです」 - 例文「承知いただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「承知してもらいたいと思います」 - 例文「承知いただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「承知してもらえたらと思います」
のようにお願いすると丁寧です。
「承知いただければ幸いです」「承知賜りますようお願い申し上げます」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするにすべて「承知してね！よろしく」という意味なのです。
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語「ます」＋仮定「たら・れば」
自分が”承知する”ときに使える敬語
ビジネスにおける「承知」のいろいろな使い方
自分が「承知します！」と言いたいときには…
- 【現在形】承知します／（ご）承知いたします
- 【過去形】承知しました／（ご）承知いたしました
- 【進行形】承知しております／（ご）承知いたしております
- 【希望①】承知したく思います／（ご）承知いたしたく思います
- 【希望②】承知したく存じます／（ご）承知いたしたく存じます
こんな感じの敬語をつかいます。
「お（ご）～します」は謙譲語「お（ご）〜する」＋丁寧語「ます」
「お（ご）～いたします」は謙譲語「お（ご）〜いたす」＋丁寧語「ます」
「～いたします」の部分にするべきことの中身がはいります。
たとえば、
何かしら連絡しなければいけないのであれば「（ご）連絡いたします」
何かしら対応しなければいけないのであれば「（ご）対応いたします」
ここで「（ご）承知いたします」というように（ ）書きにしているのは「承知いたします」としても丁寧な敬語だから。
ちなみに敬語「お（ご）～いたします」「お（ご）～します」は自分が「～する」ときにつかいます。
相手に「承知してもらう」としたいときには…
「承知いただく＝承知してもらう」
「承知くださる＝承知してくれる」
という敬語をつかいます。
断りのビジネスメールに使う”承知”
ビジネスにおける「承知」のいろいろな使い方
「承知することができません！」と言いたいときには…
- 【例文】（ご）承知いたしかねます
意味は「承知することができません」
- 【例文】承知しかねます
意味は「承知することができません」 - 【例文】●●のため承知することが叶いません
意味は「承知することができません」
- 【例文】承知することが大変困難でございます
意味は「承知することがとても難しいです」
無理やり感のある例文になってしまいました…すみません。
こんなときには「承諾いたしかねます」「見送らせていただきます」などの敬語をつかいますね。
また「〜いたしかねる（兼ねる）」は「～することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。
たとえば、
- 【例文】お応えいたしかねます
意味は「添うことができません」 - 【例文】お受けいたしかねます
意味は「受けることができません」 - 【例文】ご対応いたしかねます
意味は「対応することができません」
などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的
「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。
ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。
お礼メールに使う”承知”
ビジネスにおける「承知」のいろいろな使い方
あとはビジネスシーンで相手に何かしら承知してもらったときの、お礼ビジネスメールにも使えます。
「承知してもらいありがとう！」と言いたいときには…
- 例文「承知ありがとうございます」
- 例文「承知いただきありがとうございます」
- 例文「承知いただきましてありがとうございました」
- 例文「承知賜りましてありがとうございました」
- 例文「承知くださいましてありがとうございました」
のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするに「承知してくれてありがとう！」という意味なのです。
どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「～賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。
ほかにも色々ある”承知”の例文
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「承知いただきたく存じます」
※意味は「承知してもらいたいと思います」希望 - 例文「承知いただければと存じます」
※意味は「承知してもらえたら嬉しいです」希望 - 例文「承知いただければ幸いです」
※意味は「承知してもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「承知いただけましたら幸いです」
※意味は「承知してもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「承知いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「承知してもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「承知いただければ幸甚に存じます」
※意味は「承知してもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「承知いただけますか？」
※意味は「承知してもらえるか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「承知いただけますでしょうか？」
※意味は「承知してもらえるだろうか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語「ます」＋仮定「たら・れば」
“お願い申し上げます＝お願い致します”
ところでビジネスシーンでは、
「承知くださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…
「承知くださいますようお願いいたします」「承知くださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。
また「どうか」という意味の「何卒（なにとぞ）」をつかい、
「承知くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
頭の片隅にいれておきましょう。
