「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と例文。
まずは「至極当然」から。
意味
至極(しごく)の意味は…
① この上ないこと、これ以上ないこと
② 極めて
当然(とうぜん)の意味は…
① あたり前であること
② もっともであること
ということで、
上記2つの単語をあわせると「至極当然」の意味は…
- この上なく、あたり前であること
- この上なく、もっともであること
使い方
使い方は、
「至極当然」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「至極当然です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「至極当然でございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「至極当然に存じます」
- あとに文章を続けたいのであれば接続詞「が」「ながら」を使い「至極当然に存じますが~」「至極当然のこととは存じますが」「至極当然のことながら~」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、「至極当然のことながら念のため申し上げます」というように、すでに誰でも知っているような情報について「あたり前だと思いますけど~」と文章の前置きに使うことができます。
至極当然 の類語と言い換え
至極当然 の類語と言い換えについて。
ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。
- 当然至極
- 自明
例文「水が0℃で凍るのは自明の理です」
例文「汗をかいたあとのビールが上手いのは自明の理です」 - 明白
例文「総理が辞任するのは明白であります」
例文「これまでの実績を考えると部長が昇進するのは明白であります」 - 明らか
例文「総理が辞任するのは明らかです」
例文「これまでの実績を考えると部長が昇進するのは明らかです」
至極当然は「すごく当然」とは違う
至極当然と「すごく当然」は違う言葉です。
似たようなフレーズではあるのですが…
「至極」は「これ以上ないくらい」という意味であり、
「すごく」は「かなり」という意味。
したがって凄いレベルは「至極」のほうがもっとスゴイわけです。
そもそも、
「至極」というのは「至る・極める」をくみあわせており、もう究極のところまで来ているのですね。だから「これ以上なく」「この上なく」という意味になるのです。
例文
至極当然 をつかったビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文をザックリまとめておきます。
- 例文「~は至極当然でございます」
「部長が昇進するのは至極当然でございます」
「総理が辞任するのは至極当然でございます」
「新幹線が速いのは至極当然でございます」
「至極当然でございます」 - 例文「~は至極当然のことと存じます」
「イチロー選手の引退は、年齢を考えると至極当然のことと存じます」
「これまでの実績を考えると、わたしの年棒UPは至極当然のことと存じます」
※存じる=思う の謙譲語 - 例文「至極当然のこととは存じますが、」
「至極当然のこととは存じますが、念のため申し上げます」
「至極当然のこととは存じますが、トイレにガムを流さないようにお願いします」
「至極当然のこととは存じますが、節度あるマナーを心がけましょう」 - 例文「至極当然のことながら、」
「至極当然のことながら、念のため申し上げます」
「至極当然のことながら、トイレにガムなどを流さないようお願いします」
「至極当然のことながら、節度あるマナーを心がけましょう」
至極恐縮・恐縮至極 の意味と使い方
「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と例文。
つづいて「至極恐縮」「恐縮至極」
意味
至極恐縮 の意味…
① この上なく恐れ入ること
② この上なく申し訳ないと思うこと
順序を変えて「恐縮至極」としてもおなじ意味です。
たとえば、
「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、ご返信のほどお願い申し上げます」とすると、
- 忙しいところこれ以上なく申し訳ないと思うのだけど…メール返信してほしい
の意味となり、
「身に余るお言葉をいただき至極恐縮です」とすると、
「褒めてもらって、この上なく恐れて身がすくむ思いです」という意味の丁寧な敬語フレーズになります。
使い方
「至極恐縮」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「至極恐縮です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「至極恐縮でございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「至極恐縮に存じます」
- あとに文章を続けたいのであれば接続詞「が」を使い「至極恐縮に存じますが~」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、
① お願い・依頼
② お礼・感謝
③ お詫び・謝罪
などのシーンで「とてつもなく申し訳なく思う気持ち」「とてつもなく恐れ入る気持ち」を表したいときに使うとよいでしょう。
例文
至極恐縮 をつかったビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文をザックリまとめておきます。
- 例文「~をいただき至極恐縮でございます」
「お心遣いをいただき至極恐縮でございます」
「本日はお足元の悪いなかご足労いただき、至極恐縮でございます」
「このたびはたいそうなお品をいただき至極恐縮でございます」
「身に余るお言葉をいただき至極恐縮でございます」 - 例文「~をいただき至極恐縮に存じます・でございます」
「お心遣いをいただき至極恐縮に存じます」
「本日はお足元の悪いなかご足労いただき、至極恐縮に存じます」
「このたびはたいそうなお品をいただき至極恐縮に存じます」
「身に余るお言葉をいただき至極恐縮に存じます」 - 例文「私事にて至極恐縮に存じます・でございます」
「私事にて至極恐縮に存じますが、ご了承のほどお願い申し上げます」
- 例文「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、」
「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、ご返信いただければ幸いです」
「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、ご対応いただければ幸いです」
「お忙しいところ至極恐縮に存じますが、ご連絡くださいますようお願い申し上げます」 - 例文「~のお願いにて至極恐縮に存じますが、」
「差し出がましいお願いにて至極恐縮に存じますが、~」
「ぶしつけなお願いにて至極恐縮に存じますが、~」
至極恐悦・恐悦至極 の意味と使い方
「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と例文。
つづいて「至極恐悦」「恐悦至極」
意味
至極恐悦 の意味…
① 相手の好意などを、もったいなく思って喜ぶこと
② 非常に喜ぶこと
順序を変えて「恐悦至極」としてもおなじ意味です。
たとえば、
「身に余るご評価をいただき、至極恐悦に存じます」とすると、
- 自分の実力以上の評価をしてもらって、とても嬉しく思う
の意味となり、
「ディナーをご一緒させていただき至極恐悦でございます」とすると、
「ディナーを一緒にとることができとても嬉しく思う」という意味の丁寧な敬語フレーズになります。
使い方
「至極恐悦」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「至極恐悦です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「至極恐悦でございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「至極恐悦に存じます」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、お礼・感謝のシーンで「とてつもなく慎んで喜ぶ気持ち」「とてつもなく嬉しく思う気持ち」を表したいときに使うとよいでしょう。
例文
至極恐悦 をつかったビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文をザックリまとめておきます。
- 例文「~をいただき至極恐悦でございます」
「お心遣いをいただき至極恐悦でございます」
「本日はお足元の悪いなかご足労いただき至極恐悦でございます」
「このたびはたいそうなお品をいただき至極恐悦でございます」
「身に余るお言葉をいただき至極恐悦でございます」 - 例文「~をいただき至極恐悦に存じます」
「お心遣いをいただき至極恐悦に存じます」
「本日はお足元の悪いなかご足労いただき至極恐悦に存じます」
「このたびはたいそうなお品をいただき至極恐悦に存じます」
「身に余るお言葉をいただき至極恐悦に存じます」
至極光栄 の意味と使い方
「至極」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と例文。
つづいて「至極光栄」「光栄至極」
意味
至極光栄 の意味は…
この上なく光栄であること
順序を変えて「光栄至極」としてもおなじ意味です。
たとえば、
「身に余るご評価をいただき、至極光栄に存じます」とすると、
- 自分の実力以上の評価をしてもらって、とても光栄に思う
の意味となり、
「ディナーをご一緒させていただき至極光栄でございます」とすると、
「ディナーを一緒にとることができこの上なく光栄に思う」という意味の丁寧な敬語フレーズになります。
使い方
「至極光栄」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「至極光栄です」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「至極光栄でございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「至極光栄に存じます」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、お礼・感謝のシーンで「とてつもなく光栄に思う気持ち」を表したいときに使うとよいでしょう。
例文
至極光栄 をつかったビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文をザックリまとめておきます。
- 例文「~をいただき至極光栄でございます」
「このたびはノーベル賞をいただき至極光栄でございます」 - 例文「~をいただき至極光栄に存じます」
「このたびはノーベル賞をいただき至極光栄に存じます」 - 例文「~でき至極光栄に存じます・でございます」
「総理にお会いすることができ、至極光栄に存じます」
「総理にお目にかかれて至極光栄でございます」
【注意点】至極 はこう使う!
つづいて「至極」を使うときの注意点を解説します。
敬語を正しく使うことはもちろん、
ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。
使いすぎると大げさになる
至極は「究極に至る」ということですから、なにか「これ以上なく~」というときだけ使います。
たとえば、
【例文】
「日本の人口が減るのは至極当然だ」
みたいなビジネスシーンで使えますね。
日本の人口が減っていくのはそれはもう、これ以上ないくらいにあたり前の事実です。
いっぽうでこんなのはどうでしょうか?
【例文】
「スマップが解散するのは至極当然だ」
う~ん、これは賛否両論イロイロとありそうです。スマップ解散はあたり前のことではなく、ヒトによって意見がわかれるハズ。
こんなときに「至極当然」をつかってしまうと、相手に不快感を与えてしまいます。
すると、
せめて「スマップが解散するのは至極当然のことと存じます」と、自分の意見をあらわす「思う=存じる」を使うのであればギリセーフ。
ということで、
あまり使いすぎると「大げさだなぁ…」と相手に思われたり、相手にあらぬ不快感を与えるため、ガチであたり前のときにだけ使いましょう。
何が至極なのか?
至極 を使うときには、対象というか、一体なににたいして「至極」であるのかをハッキリとさせて使いましょう。
総理が辞任するのが「至極当然」なのであれば、
「総理が辞任するのは至極当然だ」というようになりますし、
部長が昇進するのが「至極当然」なのであれば、
「部長が昇進するのは至極当然です」となります。
【シーン別】違いと使い分け
至極当然 のビジネスシーン(メール・手紙・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文をみてきましたが…
こんなときにはどれを使う?
というビジネスシーンごとの使い分けを整理しておきます。
ビジネス会話なら…
- 例文「至極○○です」
- 例文「至極○○ですが」
○○の部分には恐縮・恐悦・真っ当・当然・光栄などがきます。
会話で「ございます」ばかり使うとバカ丁寧な感じがするため、「至極当然です」あるいは「至極当然ですが」で十分です。
ビジネスメール・文書なら…
- 例文「至極○○と存じます」
- 例文「至極当然のこととは存じますが」
○○の部分には恐縮・恐悦・真っ当・当然・光栄などがきます。
ビジネスメール・手紙など文書の場合、
シンプルなフレーズではなくよりかしこまった表現を使うと好感度UP。
なぜなら、文章は会話と違って態度で敬意をしめすことができないから。