ホームページは「拝読する」「拝見する」どっちが正しい?

① ホームページを拝見しました/拝見いたしました。

② ホームページを拝読しました/拝読いたしました。

はどっちが正しい?

という疑問にたいして100%完璧な解答をしめす記事。

●まずは結論。

ホームページは読むものなのか、見るものなのかを考えたとき。

なんとなく「読む=拝読する」とするほうが正しいような気もしますが…

ホームページには「拝見=見ること」をつかったほうが日本語の使い方としては妥当と言えます。

なぜなら。

ホームページはキチッとした構成のある読み物というよりも。画像やイラスト、ときには文章、あるいはその他デザインをもちいて誰かしらを集客するツールであるため、読み物ではなく広告と言えます。

広告は読み物ではなく、目で視覚的に見るものですよね!?

そんなわけでホームページは「拝読=読むこと」ではなく「拝見=見ること」をつかうほうが妥当と考えられます。

ざっくりとした解説はこれにて終了。

あとは実際のビジネスシーンにおいてケーススタディー的に「拝見」「拝読」のどっちをつかうのが妥当か?という点について見ていきます。

①「ホームページを拝見 or 拝読しました」はどっちが正しい?

「拝受」「拝読」の使い分け方。

まずは企業のホームページなりWEBサイトをみて問い合わせするとき。

  • 例文「ホームページを拝読し連絡いたしました
  • 例文「ホームページを拝見し連絡いたしました

はどっちが正しいでしょうか?

結論としてホームページには「拝見=見ること」をつかったほうが日本語の使い方としては妥当と言えます。

なぜなら理由は冒頭ですでに述べたとおり。

ホームページはキチッとした構成のある読み物というよりも。画像やイラスト、ときには文章、あるいはその他デザインをもちいて誰かしらを集客するツールであるため、読み物ではなく広告と言えます。

広告は読み物ではなく視覚的に見るものなので「拝読=読むこと」ではなく「拝見=見ること」をつかうほうが妥当と考えられます。

  • 例文「ホームページを拝見し連絡いたしました

というようにするのが日本語の使い方としてシックリきます。

②返信メールの書き出しに「メール拝見・拝読しました」はどっちが正しい?

「拝見」「拝読」の使い分け方。

つづいて上司なり目上・取引先からのメールに返信するとき。

  • 例文「メール拝読しました/拝読いたしました」
  • 例文「メール拝見しました/拝見いたしました」

はどっちが正しいでしょうか?

◎結論としてこの使い方はいずれもまったく違和感がなく丁寧な「拝見」「拝読」の使い方といえます。

意味は「メールを見ました」「メールを読みました」であり「拝見・拝読」はメールの送り主である上司なり目上・取引先を立てるためにつかっています。

メールは読むものなのか、見るものなのかを考えたとき。なんとなく「読む」とするほうが正しいような気もしますが…「見る」でも日本語としては正しいです。

なぜなら。

メールというのは文章ではあるものの電子的な何かであり、携帯なりPCのディスプレイに表示されていますよね。「画面を見る」というのと同じであるため日本語的には「メールを拝見する」という使い方もOKなのです。

おなじようにSNSなりLINEメッセージも文章ではあるものの日常的には「見る」を使いますよね。

なお返信メールではたとえば。

  • 【例文】メール拝見しました。早々にお返事いただき誠にありがとうございます。
  • 【例文】資料を拝読いたしました。早速ご対応いただきありがとうございます。

というように「拝見しました+相手がしてくれた事にたいするお礼」とすると丁寧です。これらはビジネスメール返信の書き出しにつかえるフレーズですね。

また。

メールを受け取ったことを報告すると考え、

  • 【例文】メール拝受しました。早々にお返事いただき誠にありがとうございます。
  • 【例文】資料を拝受いたしました。早速ご対応いただきありがとうございます。

というように「拝受=受け取ること」をつかっても丁寧です。

※実は…こんなシーンでもっともよく目にするのは「拝受」ですが「拝見・拝読」でも差し支えありません。

③メールの途中で「資料を拝見or拝読しましたところ、いくつか修正をお願いしたい箇所が見つかりました」はOK?

「拝見」「拝読」の使い分け方。

つづいて上司なり目上・取引先からのメールに返信するとき。

たとえば取引先にお願いした資料(見積書や契約書をふくむ)をメールで読んだあと。何かしら修正が必要になったとき。

  • 例文「資料を拝見しましたところ、いくつか修正をお願いしたい箇所が見つかりました」
  • 例文「資料を拝読しましたところ、いくつか修正をお願いしたい箇所が見つかりました」

とした場合はどうでしょうか?

◎結論としてこの使い方はいずれもまったく違和感がなく丁寧な「拝見」「拝読」の使い方といえます。

資料は読むものなのか、見るものなのかを考えたとき。なんとなく「読む」とするほうが正しいような気もしますが…「見る」でも違和感はありません。

なぜなら。

資料には100%文字で構成されているものもあれば、グラフや写真を多くつかったようなものもあるからです。そう考えると「拝見・拝読」はいずれも問題ないことがわかります。

ただ。

ほとんど文章で構成されているような資料、たとえば契約書なりは「拝読=読むこと」をつかったほうが日本語の使い方としては妥当と言えます。

いっぽうで。

イラストなり画像を豊富にとりいれた資料、たとえばプレゼン資料などは「拝見=見ること」をつかったほうが日本語の使い方としては妥当と言えます。

通常のビジネスシーンでここまで厳密に使い分けする必要はまったくありません。

④新聞は「拝見 or 拝読」どっち?

「拝受」「拝読」の使い分け方。

つづいて新聞の記事をみたよと言いたいとき。

  • 例文「今朝の新聞で拝読しました
  • 例文「今朝の新聞で拝見しました

はどっちが正しいでしょうか?

◎結論としてこの使い方はいずれもまったく違和感がなく丁寧な「拝見」「拝読」の使い方といえます。

意味は「新聞で見ました」「新聞で読みました」であり「拝見・拝読」はその新聞ニュースに登場する会社なり個人を立てるためにつかっています。

新聞は読むものなのか、見るものなのかを考えたとき。なんとなく「読む」とするほうが正しいような気もしますが…「見る」でも日本語としては正しいです。

なぜなら。

「見る」は「視覚的に見る」という意味以外にも「読んで知る」の意味もあるから。新聞ニュースで読んで知りました、という意味で「新聞で拝見しました」とするのはなんら問題ありません。

正しい使い方です。

他にもたとえば「ニュースで見る」などが「読んで知る」の意味でつかわれます。

また言うまでもなく「新聞で拝読しました」としても正しいですね。

⑤論文は「拝見 or 拝読」どっち?

「拝受」「拝読」の使い分け方。

つづいて教授なり誰かの論文をみたよと言いたいとき。

  • 例文「xx教授の論文を拝読しました
  • 例文「xx教授の論文拝見しました

はどっちが正しいでしょうか?

結論として論文には「拝読=読むこと」をつかったほうが日本語の使い方としては妥当と言えます。

なぜなら。

論文はキチッとした構成のある読み物だから。「論文を拝見した」とした場合、見た・見つけたのような意味合いがつよくなり、実際に中身を読みましたというニュアンスにはなりません。

もし中身を読んでいないのでしたら「拝見」でもいいでしょうけど…それではそもそも論文を書いた相手に失礼な発言となりかねません。

そんなわけで論文は「拝見=見ること」ではなく「拝読=読むこと」をつかうほうが妥当と考えられます。

  • 例文「教授の論文を拝読しました

ただし「論文拝見しました」は正しい

ただし!ひとつ重要な追記を。

論文で知りました!というときには「拝見=見ること」を用いて「論文拝見しました」としても正しい日本語となります。

なぜなら。

「見る」は「視覚的に見る」という意味以外にも「読んで知る」の意味もあるから。論文で読んで知りました、という意味で「論文で拝見しました」とするのはなんら問題ありません。

こうすると「論文を読んで知りました」という意味になります。ほかには「新聞で拝見しました」とすると「新聞を読んで知りました」などもありますね。

敬語はまず、もとの意味に直して考えてみよう!

こうして例をあげていくとキリがないためまとめます。

「拝見」「拝読」にかぎらず敬語の使い分けでつまずいた場合。

敬語をつかう前のもとの意味にもどって考えるとたいてい上手くいきます。

たとえば「拝見」「拝読」の使い分けについて悩んだとき。

こういうときには「見ること」と「読むこと」のどっちが日本語としてふさわしいのか?をまず考えましょう。

そうすると日本語ネイティレベルの皆さまでしょうから自ずと答えはでてきます。

どちらも使えそうであればどちらを使っても差し支えありません。

敬語ってわからない英単語みたいに意味不明だから悩ましいのですが、いったん意味がわかるとドンドン応用できるようになります。わからない敬語がでてきたらその都度、意味をチェックすることをオススメします。

参考記事

タイトルに対する結論は以上。

あとはご参考までに「拝見」「拝読」の正しい使い方について、以下の記事にてビジネスメール例文とともに紹介しています。ご興味あるかたのみどうぞ。