「ご意見いただきますようお願い申し上げます」の意味、ビジネスシーンにふさわしい使い方(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)、注意点について。
ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ
意味
「ご意見いただきますようお願い申し上げます」は直訳すると「意見してもらうようお願いします」という意味。
ようは「意見してほしい」と言いたいわけなのですが…
なぜこのような意味になるのか?
そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。
“意見”の意味は「主張・考え・思うところ」
「意見」のそもそもの意味は…
-
ある問題に対する主張・考え。心に思うところ。
【例文】政治では少数意見も大切にするべきだ
【例文】あなたの経済制裁に関する意見を述べよ
【例文】部長のご意見を伺えればと思います
-
自分の思うところを述べて、人の過ちをいさめること。異見。
【例文】総理大臣に意見する
【例文】社長の経営方針に意見した
“ご意見いただきますよう”の意味は「意見してもらうように」
「ご意見いただきますよう~」の意味は直訳すると「意見してもらうように」
「~してもらう」の敬語(謙譲語)「お(ご)~いただく」をつかい、
さらに丁寧語「ます」+「よう(様)」を組み合わせると「お(ご)~いただきますよう」という敬語になります。
「ますよう」ってどんな意味?
“ご意見いただきますよう”の「ますよう」は「(〜する)ように」の意味。
なぜこのような意味になるのでしょうか?
先ほども示しましたが「ますよう」は「①ます+②よう(様)」という2つの単語からなります。
まず前半部分の「ます」はシンプルに丁寧語の「ます」
つづいて後半の「よう(様)」の意味はいろいろありますが…
ここでは「婉曲 (えんきょく) な命令・希望の意を表す」言葉として使われます。
希望をあらわす「よう(様)」にはたとえば、
- 【例文】時間に遅れないよう、ご留意ください
- 【例文】部長に怒られないように気をつける
- 【例文】風邪などお召しになりませんように
などあり。
ちなみに「ように」でも「よう」でも正しい日本語ですが、「お伝えいただきますようにお願い致します」はあまり一般的ではありません。
※ なお表記は漢字「ます様に」でも平仮名「ますように」でも、どちらも正しい日本語です。
お願い申し上げます は「お願いする」よりも丁寧な敬語
「お願い申し上げます」の意味は「お願いする」
ただしよりカチッとした敬語「お(ご)~申し上げます」をつかっているため実際にはもっと丁寧なニュアンス。
もととなる単語は「願う」であり、
謙譲語「お(ご)〜申し上げる」を使い「お願い申し上げる」とし、さらに丁寧語「ます」を使って敬語にしています。
「お願い申し上げます」は「よろしくお願い申し上げます」としてもOK。
さらに「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」を使い「何卒よろしくお願い申し上げます」としても丁寧。
あるいは「お願い致します」に言い換えても丁寧です。
あわせると意味は「意見してもらうよう、お願いします」
- ご意見 = 意見すること
- お(ご)~いただく = 「〜してもらう」の意味の敬語(謙譲語)
- ますよう=丁寧語「ます」+希望「よう(様)」
- お願い申し上げます = 「お願いする」よりもかしこまった敬語
これらの単語を合体させて意味を考えます。
すると「ご意見いただきますようお願い申し上げます」の意味は…
「意見してもらうように、お願いします」
のように解釈できます。
ようするに「意見してほしい!」「意見してください!」というあなたの希望をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。
そこで遠まわりに「~してもらうようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。
そんなに丁寧にお願いする必要あるの?って思うくらい。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
敬語の解説
「ご意見いただきますようお願い申し上げます」の敬語の使い方について整理しておきます。
- もとになる単語「意見」
- 「〜してもらう」の謙譲語”お(ご)〜いただく”で「ご意見いただく」
- 丁寧語”ます”をくっつけて「ご意見いただきます」
- 希望を表す”よう(様)”で「ご意見いただきますよう」
- 「お願いする」よりもかしこまった敬語「お願い申し上げます」
→ あわせると「ご意見いただきますようお願い申し上げます」という敬語の完成
上記のようにして元になる語「意見」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
補足
※ 漢字表記「頂きますよう」vs ひらがな表記「いただきますよう」はどちらも正しい
※ 漢字表記「ます様」vs ひらがな表記「ますよう」はどちらも正しい
ちなみに敬語「お(ご)」は…
- 「自分がご意見する」「相手にご意見いただく」のであれば謙譲語としての使い方。
- 上司・目上・取引先などの「相手がご意見くださる」のであれば尊敬語としての使い方。
というように2パターンあります。
“ご意見頂きますよう vs 頂けますよう”の違い
“ご意見いただきますようお願い申し上げます”と似たような敬語には…
“ご意見いただけますようお願い申し上げます”もあります。
これって何が違うのでしょうか?
念のため「ご意見いただきますよう vs ご意見いただけますよう」の違いについて簡単に説明しておきます。
意味と敬語の違い
どちらも結局のところ「意見してほしい!」「意見してください!」という意味になるのですが…こまかくは以下のとおり意味と敬語の違いあり。
- 「ご意見いただきますよう」だと意味は「意見してもらうよう」
→ 敬語は”お(ご)~いただく”+丁寧語”ます”+希望”よう”
いっぽうで、
- 「ご意見いただけますよう」だと意味は「意見してもらえるよう」
→ 敬語は”お(ご)~いただく”+可能形+丁寧語”ます”+希望”よう”
となります。
謙譲語「いただく」に可能表現をつけくわえると「いただける」。
ということなので可能表現をつかうのか、そうでないかという点において違いますね。
可能の表現をつかうと意味としては「〜してもらえるよう」となります。
おなじような可能の表現にはたとえば、
「泳ぐ → 泳げる」
「書く → 書ける」
「聞く → 聞ける」
などあり。どれも「〜できる」という意味になりますね。
“ご意見頂けますよう~”のほうが丁寧
「ご意見いただきますよう vs ご意見いただけますよう」の違い
で結局どちらがより丁寧かというと…
「ご意見いただけますよう~」のほうがより丁寧な敬語になります。
可能の表現をつけくわえることによって「もしよかったら意見してもらえますか?」というようなニュアンスになるからですね。
よりやわらか~いお願い・依頼のフレーズと解釈できます。
本当に些細なことなので誰も気にしないとは思いますが…
ただ結論としては、
とにかくどちらも上司・社内の目上にかぎらず社外取引先にもつかえる丁寧な敬語です。
ご安心ください。
【使い方】ビジネスメールの結びetc…
つづいて「ご意見いただきますようお願い申し上げます」の使い方について。
意味のとおりで何かしら「意見してほしい!」「意見してください!」と言いたいビジネスシーンに使います。
ただしビジネス会話や電話対応でつかわれることはほとんどなく、ほとんどの場合ビジネスメールで、とくに結び・締め・文末につかいます。
ビジネスメール結び・締め・文末につかう特有のフレーズとお考えください。
※もちろん結びでなくても使えないことはありませんが…
使い方①例文
「ご意見いただきますようお願い申し上げます」はたとえば、
- 【例文】どうかご意見いただきますようお願い申し上げます
- 【例文】何卒ご意見いただきますようお願い申し上げます
- 【例文】大変恐れ入りますが、どうかご意見いただきますようお願い申し上げます
のようにして使います。
ほとんどの場合ビジネスメールで、とくに結び・締め・文末としてつかいますね。
まぁようするに「意見してほしい!」「意見してください!」という意味なのですが丁寧な敬語にすると、こんな風にややこしい文章になります。
使い方②”ご意見いただきますようお願い致します”でも丁寧
ところでビジネスシーンでは、
「ご意見いただきますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…
「お願い申し上げます」とおなじ意味の「お願い致します」をつかい、
- 【例文】ご意見いただきますようお願い致します
- 【例文】ご意見いただきますようお願いいたします
としても丁寧です。
あるいは…
「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい「ご意見くださいますよう何卒よろしくお願い致します」
としても丁寧です。
頭の片隅にいれておきましょう。
“ご意見くださいますようお願い申し上げます”でも丁寧
「ご意見いただきますようお願い申し上げます」の他にもビジネスメール結び・締め・文末によく使う敬語には、
- 【例文】ご意見くださいますようお願い申し上げます
- 【例文】ご意見くださいますようお願い致します
※意味はどちらも「意見してくれるようお願いします」
もあります。
「意見してください!」とストレートに言うのではなく遠回しに自分の意思や気持ちをつたえる、とても丁寧なフレーズですね。
ニュアンスとしては「意見してください、お願いします」みたいなイメージ。
意味と違い
「ご意見いただきますよう」vs「ご意見くださいますよう」の意味と違い。
どちらも言いたいことは結局のところ「意見してほしい」なのですが…
意味と敬語の使い方に違いあり。以下のような違いがあります。
- 「ご意見いただきますよう」だと意味は「意見してもらうよう」
→ 敬語は謙譲語”お(ご)~いただく”+丁寧語”ます”+希望”よう”
いっぽうで、
- 「ご意見くださいますよう」だと意味は「意見してくれるよう」
→ 敬語は尊敬語”お(ご)~くださる”+丁寧語”ます”+希望”よう”
※ 尊敬語「お(ご)~くださる」の意味は「~してくれる」
となります。
「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。
が、
「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。
そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。
どちらも丁寧であり使い分けの必要なし
で、どちらが丁寧かという話。
結論としてはどちらも丁寧であり使い分けする必要はありません。
どちらかというとビジネスメールの結びには「~くださいますよう」をつかうことが多いのですが…
これは年代によって違いますし地域によっても差があるかと。
若い世代は「いただきますよう」を好み、私のようなおっさんは「くださいますよう」を好む傾向にあり。
ということで心底どちらをつかっても差し支えありません。
シンプルに”ご意見のほどお願い申し上げます”でも丁寧
他にもビジネスメール結び・締め・文末によく使う敬語には「ご意見のほどお願い申し上げます」もあります。
ビジネスメールではとかく「いただく」「くださる」ばかりになってしまい、文章が気持ち悪くなってしまうのですよね。
そこで活躍するのが「ご意見のほどお願い申し上げます」です。
たとえば、
- 例文「ご意見のほどお願い申し上げます」
- 例文「ご意見のほどお願い致します」
のようにして使います。
意味は結局のところ「意見してほしい!」「意見してください!」というお願い・依頼のフレーズになります。
“ご意見のほど”の「ほど」ってどんな意味?
ここで「ご意見のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。
断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。
もともと、とくに深い意味はありません。
ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
ちなみに「ご意見の程」というように漢字をもちいてもOK。あなたのお好みでお使いください。
ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ
ビジネスメール文末・結び・締めとして使うことの多い「ご意見頂きますようお願い致します」。ここではビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。
①どうか・何卒・宜しく+ご意見
すでに例文にはしましたが・・・
ビジネスメールを丁寧にするコツとして「どうか・何卒・宜しく」などの語を添えるとより丁寧というか、やわらかい印象のフレーズになります。
どれも深い意味はありませんが、お願い・依頼の際に添える語としてよくつかいますね。
たとえば、
- +どうか
「どうかご意見頂きますようお願い致します」
「どうかご意見くださいますようお願い致します」
「どうかご意見の程お願い申し上げます」 - +何卒(なにとぞ)=どうか
「何卒ご意見頂きますようお願い致します」
「何卒ご意見くださいますようお願い致します」
「ご意見のほど何卒お願い申し上げます」 - +宜しく・よろしく
「ご意見頂きますよう宜しくお願い致します」
「ご意見くださいますよう宜しくお願い致します」
「ご意見のほど宜しくお願い申し上げます」 - +何卒/どうか & 宜しく・よろしく
「ご意見頂きますよう何卒よろしくお願い致します」
「ご意見くださいますよう何卒よろしくお願い致します」
「どうかご意見のほど宜しくお願い申し上げます」
のようにすると丁寧です。
なお「何卒・どうか・宜しく」は「何卒お願い致します」のようにお願いの部分にかけても、「何卒ご意見〜」のようにご意見の部分にかけても、どちらも丁寧です。
また表記は漢字・ひらがなのどちらでも構いませんが、文章のバランスを考えて読みやすいようにしましょう。
②気づかいのフレーズ+ご意見
ビジネスメール結びを丁寧にするコツ。
前置きに気づかいのフレーズを使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- 恐縮=申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますがご意見〜」
「大変恐縮ではございますがご意見〜」
「たびたび恐縮ではございますがご意見〜」 - 恐れ入る=申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますがご意見〜」
「大変恐れ入りますがご意見〜」
「たびたび恐れ入りますがご意見〜」 - お手数=お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますがご意見〜」
「大変お手数ではございますがご意見〜」 - ご無理を申し上げる=無理を言う
「ご無理を申し上げますがご意見〜」 - 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますがご意見〜」
ビジネスメール例文(全文)
こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。
ここでは「ご意見いただきますようお願い申し上げます」の使い方をビジネスメール例文でご紹介。
どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。
なおビジネスメールにおいては以下の敬語もオススメです。
① それなりに丁寧「ご意見くださいませ」「ご意見をお願い致します」
② 丁寧「ご意見いただければと存じます」
③ かなり丁寧「ご意見いただければ幸いです」
④ とくにビジネスメール結び/文末につかう
「ご意見いただきますようお願い申し上げます」
「ご意見くださいますようお願い致します」
「ご意見のほどお願い致します」
ビジネスメール例文①上司の意見がほしい(社内)
メール件名:【ご相談】CRM導入の件
営業部 xx部長 (社内上司・目上など)
お疲れ様です。
IT担当・ノマドです。
さて標記の件、昨今のIT推進の流れを受け、弊部では各営業部ライン長の皆さまへCRM導入の検討をお願いしております。
CRM導入のメリットや、くわしい説明などは添付ファイルにて送付いたします。
ご多忙のところお手数ではございますが、
資料にお目通しの上、xx部長のご意見をいただければ幸いです。
以上
ご不明な点等ございましたら何なりとお申し付けください。
宜しくお願い致します。
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メール署名
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ビジネスメール例文②意見してほしい(社外)
メール件名: 【ご相談】ITシステム導入の件(転職・ノマド)
ビジネス株式会社
営業部 ○○ 様 (社外取引先)
いつもお世話になっております。
転職・ノマドです。
さて標記の件、貴社への新規ITシステム導入を進めていく中で、現場の方のご意見を伺いたく連絡いたしました。
具体的には受注システムの効率化を図る上で、新システムでは以下の変更を考えております。
現)~~
変更案)~~
上記変更による問題点などございましたら、お気軽にお申し付けください。
突然のお願いにて大変恐れ入りますが、
何卒ご意見くださいますようお願い申し上げます。
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メール署名
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