「お手伝いいただきありがとうございます」の意味と使い方・例文

「お手伝いいただきありがとうございます」の意味、敬語の種類、ビジネスシーンにふさわしい使い方（メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職）、注意点について。

ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

意味

「お手伝いいただきありがとうございます」は「手伝ってもらいありがとう」という意味。

なぜこのような意味になるのか？

そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

“手伝う“の意味

お手伝いいただき～の意味は「手伝ってもらい～」

もとになる語「手伝う」に「～してもらう」の敬語（謙譲語）「お（ご）～いただく」をつかうと「お手伝いいただく」という敬語になります。

したがって意味は「手伝ってもらい～」と解釈できます。

謙譲語「お（ご）～いただく」は他にもたとえば、

【例文】ご連絡いただく →「連絡してもらう」の意味

【例文】ご指導いただく →「指導してもらう」の意味

などのようにして使われますね。

上司・目上・ビジネスメールに使うフレーズとしてはとても丁寧で好感がもてます。

あわせると意味は「手伝ってもらい、ありがとう」

1. お手伝いいただき＝「手伝ってもらい」の意味の敬語（謙譲語）
2. ありがとうございます = お礼

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「お手伝いいただきありがとうございます」の意味は…

「手伝ってもらい、ありがとう」

のように解釈できます。

敬語の種類

つづいて「お手伝いいただきありがとうございます」の敬語の種類について。

この項目はかなりマニアックな敬語の解説になります。敬語について細かく学ぶ必要のないかたは読み飛ばしてください。

“お手伝い”の敬語の種類

まずは前半部分「お手伝い」の敬語について。

「お手伝い」にかぎらず敬語「お（ご）」には①尊敬語もしくは②謙譲語の２パターンあり。

たとえば、

1. 上司/目上などの相手が「お手伝いくださる」「お手伝いだ」→①尊敬語“お（ご）”
2. 「自分がお手伝いする」「相手にお手伝いいただく」→②謙譲語“お（ご）”

というようになります。

ここでは「お手伝いいただきありがとうございます」としているため、パターン②謙譲語の「お（ご）」ですね。

ちなみに謙譲語とか尊敬語ってなに？の解説はすこし後にあります。

敬語”いただく”の使い方

つづいて後半部分「いただく（頂く）」の敬語について。

「お手伝いいただく」にかぎらず・・・

「お（ご）〜いただく」は「〜してもらう」の敬語（謙譲語）

使い方はたとえば、

1. 「お手伝いいただく」であれば「（上司なり目上に）手伝ってもらう」の意味
2. 「ご連絡いただく」であれば「（上司なり目上に）連絡してもらう」の意味
3. 「ご指導いただく」であれば「（上司なり目上に）指導してもらう」の意味

というように使います。

あるいは単に「〜していただく」とし、

1. 例文「手伝っていただく」
2. 例文「連絡していただく」
3. 例文「指導していただく」

のように使っても丁寧です。意味はどちらもまったく同じ。

ビジネスメールなど文書では「お（ご）〜いただく」をつかうとよりカチッとした文章になります。

いっぽうで会話や電話対応など堅苦しい敬語がもとめられないシーンでは「〜していただく」でも十分に丁寧ですね。

ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。

• 文化庁より｜敬語の指針

• 文化庁より｜敬語の指針

使い方は”お礼”のビジネスシーン（メールetc）

つづいて「お手伝いいただきありがとうございます」の使い方について。

文字どおり「手伝ってもらいありがとう」というお礼フレーズなので、そのようなビジネスシーン（メールなど）で使います。

上司・目上など社内にかぎらず社外にも使える丁寧な敬語フレーズですね。

お手伝いくださいまして~としても丁寧

「お手伝いいただきありがとうございます」の使い方

ところで「お手伝いいただきありがとうございます」と似たようなフレーズには…

もあります。

あるいは単に「お手伝いありがとうございます」としてもまぁ問題はありません。

結論としてはどれを使っても丁寧な敬語です。

お手伝いいただきまして~だとなお丁寧

「お手伝いいただきありがとうございます」の使い方

「お手伝いいただきありがとうございます」としても十分に丁寧ではありますが…

丁寧語”ます”の活用形「～まして」をくみあわせて、

とするとなお丁寧な敬語になります。

まぁ「お手伝いありがとうございます」だけでも十分ではありますが…丁重なメールに仕上げたいときにどうぞ。

相手に著しく負担をかけた時は「恐縮」を使う

上司や目上などの相手にとんでもなく負担をかけてしまったときには…

「ありがとう」だとイマイチしっくりこないですね。

こんなときには申し訳なくおもう気持ちをしめすフレーズをもってくると丁寧です。

とくに上司・目上や取引先にいちじるしく負担をかけたときには以下の例文をつかうと好感度UP。

• お手伝い＋恐縮（申し訳なく思うこと）
  「お手伝いいただき誠に恐縮です」
  「お手伝いいただきまして誠に恐縮でございます」
  「お手伝いくださいまして誠に恐縮でございます」
• お手伝い＋恐れ入る（申し訳なく思う）
  「お手伝いいただき大変恐れ入ります」
  「お手伝いいただきまして誠に恐れ入ります」
  「お手伝いくださいまして誠に恐れ入ります」

こんな感じでつかうと丁寧なビジネスメールになります。

他にもある丁寧な「お手伝い」の例文

お礼のシーンで「ありがとう」ばかりつかっていては敬語ビギナー。

お礼をしめすフレーズは他にもいろいろあります。

中級〜上級者むけですが、代表的な言い換え例文だけを紹介しておきます。

• ビジネスシーンでの『お礼・感謝』敬語フレーズのすべて

クッション言葉を添えるとなお丁寧

ビジネスメールのお礼をより丁寧にするためのコツ。

「お手伝い」の前置きにはそえるクッション言葉や、相手を気づかうフレーズをもってくるとなお丁寧です。

たとえば「ご多忙にも関わらず」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

• ご多忙にも関わらず＝忙しいにも関わらず
  「ご多忙にも関わらずお手伝いいただき誠にありがとうございます」
• ご多用にも関わらず＝忙しいにも関わらず
  「ご多用にも関わらずお手伝いいただき誠にありがとうございます」
• 勝手を申し上げたにも関わらず＝自分勝手を言ったにも関わらず
  「勝手を申し上げたにも関わらずお手伝い〜」
• ご無理申し上げたにも関わらず = 無理を言ったにも関わらず
  「ご無理申し上げたにも関わらずお手伝い～」

【例文】ビジネスメール全文

つづいて「お手伝い頂きありがとうございます」を使ったビジネスメールの例文を紹介します。

目上・上司にかぎらず社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

ただし注意点として…

ビジネスシーンで上司や目上に「手伝ってもらいありがとう！」と言いたいときには「お力添え＝手を貸すこと」をつかうのが一般的です。

→「お力添えいただきありがとうございます」の意味と使い方・例文

ビジネスメール例文①手伝ってもらったお礼（社内）

メール件名：お礼

●●部長　（社内上司・目上）

お疲れ様です。

このたびは小職の昇進試験に際してお力添えいただき誠にありがとうございました。

●●部長のお力添えにより、無事に課長試験を通過しましたことをご報告申し上げます。改めまして感謝申し上げます。

大変略儀ではございますが、
まずはメールをもちましてお礼ならびにご報告申し上げます。

今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い致します。

************
メール署名
************

ビジネスメール例文②手伝ってくれたお礼（社外）

メール件名：返信Re：お礼

株式会社ビジネス
営業部　●● 部長（社外取引先）

いつもお世話になっております。
（株）転職・ノマドです。

このたびは弊社の主催するマネージャー研修にお力添えいただき、誠にありがとうございました。

お陰様で大過なく終了することができ、参加者から数々のポジティブな感想をいただいております。

今後も何かとご相談することもあるかと存じますが、その際にはお力添えいただけますと幸いです。

まずはメールをもちましてご報告申し上げます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

************
メール署名
************

“お手伝い+お礼”の敬語フレーズまとめ

いろいろ散らかってきたので、一旦まとめ。

これまで紹介した例文もつくめ”お手伝い+お礼”の敬語フレーズを表にまとめておきます。

使い方に迷ったときのご参考にどうぞ。

お手伝い+ありがとう

※漢字表記「頂く」「下さる」をもちいてもOK

※過去形にしたければ「ありがとうございました」に言い換えする

お手伝い+いろいろなお礼フレーズ

※漢字表記「頂く」「下さる」をもちいてもOK

※強調するフレーズ「誠に」「大変」などをくわえてもOK

お手伝い+申し訳なく思うフレーズ

※漢字表記「頂く」「下さる」をもちいてもOK

※強調するフレーズ「誠に」「大変」などをくわえてもOK

クッション言葉+お手伝い+お礼

ビジネスメールのお礼をより丁寧にするためのコツ。

「お手伝い」の前置きにはそえるクッション言葉や、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。

たとえば「ご多忙にも関わらず」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

• ご多忙にも関わらず＝忙しいにも関わらず
  「ご多忙にも関わらずお手伝いいただき誠にありがとうございます」
• ご多用にも関わらず＝忙しいにも関わらず
  「ご多用にも関わらずお手伝いいただき誠にありがとうございます」
• 勝手を申し上げたにも関わらず＝自分勝手を言ったにも関わらず
  「勝手を申し上げたにも関わらずお手伝い〜」
• ご無理申し上げたにも関わらず = 無理を言ったにも関わらず
  「ご無理申し上げたにも関わらずお手伝い～」
• 早速／早々に
  「早速お手伝いいただきありがとうございます」
  「早々にお手伝い〜」

“お手伝い頂き vs お手伝いくださいまして”の違い

ここで少し横道にそれます。

「お手伝いいただきありがとうございます」と似たような表現には

「お手伝いくださいましてありがとうございます」

これって何が違うのでしょうか？

結論としてはどちらも上司や目上・取引先などに使える丁寧な敬語フレーズです。ここではその根拠について順を追って解説していきます。

敬語・意味の違い

まずは敬語と意味の違いについて。とくに色づけした部分についてよくご確認。

• お手伝いいただきありがとうございます
  意味は「手伝ってもらいありがとう」
  敬語は「～してもらう」の謙譲語「お（ご）～いただく」を使用。
  

• お手伝いくださいましてありがとうございます
  意味は「手伝ってくれてありがとう」
  敬語は「～してくれる」の尊敬語「お（ご）～くださる」を使用。
  「まして」の部分は丁寧語「ます」の活用形

色づけしたところが主に違います。

どちらも同じように使える

ということで、

「お手伝いいただく＝手伝っていただく」なのか「お手伝いくださる＝手伝ってくださる」なのか、という点において違いますが丁寧さとしてはまったく同じです。

また、

「お手伝いいただきありがとうございます」「お手伝いくださいましてありがとうございます」はどちらも結局のところ、お礼を述べているわけであってどちらも同じように使います。

お礼では「お手伝いいただき〜」が一般的

わたしの経験上ではお礼のビジネスシーンにおいては「お（ご）〜いただきありがとう」という敬語フレーズを使うことが多いです。

おっさん営業マンのたわごとですので無視してもらって構いませんけど…

本来はどちらも丁寧な敬語フレーズですので、あまり悩む必要はありません。

「いただく vs. くださる」の使い分け

せっかくですので「いただく」「くださる」の違いを例文で考えてみます。

たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう

すると…

「ご容赦くださいますようお願い致します」
「ご容赦いただきますようお願い致します」
「ご了承くださいますようお願い致します」
「ご了承いただきますようお願い致します」
「ご検討くださいますようお願い致します」
「ご検討いただきますようお願い致します」

こんな敬語フレーズをよく使います。

実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…

ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。

「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」

もうひとつ、

「ご利用くださりありがとうございます」
「ご利用いただきありがとうございます」

上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。

参考記事

• ビジネスシーンでの『お礼・感謝』敬語フレーズのすべて
• ビジネス挨拶文の例文50選（文書・メール・年賀状・時候ほか）
• 「教えてください」の代わりに使えるビジネス敬語、メール電話の例文
• ︎上司へお願いするときに使える敬語10の言葉と、例文50選