「お誘いいただけましたか」の意味、ビジネスシーンにふさわしい使い方（メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職）、注意点について。
ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
また…
ビジネスシーンで何かしらを「すでに誘ったか？」と確認したいときには「お声かけ」をつかい、
【例文】お声掛けいただけましたか？
【例文】お声掛けになりましたか？
などとしても丁寧です。
※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ
意味と敬語
「お誘いいただけましたか？」は「誘ってもらえましたか」という意味。
なぜこのような意味になるのか？
そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。
“お誘いいただける”の意味は「誘ってもらえる」
まずは前半部分。
「お誘いいただける」の意味は…
「誘ってもらえる」と解釈できます。
“お誘い”のもとになる単語は”誘う”であり、「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）～いただく」をつかって敬語にしています。
「いただける」の部分は謙譲語「いただく」の可能表現をつかっています。可能の表現をつかっているので意味としては「〜してもらえる」となります。
おなじような可能の表現にはたとえば、
「泳ぐ → 泳げる」
「書く → 書ける」
「聞く → 聞ける」
などあり。どれも「〜できる」という意味になりますね。
ちなみに”お誘い”の「お（ご）」の部分は向かう先を立てるために使う敬語であり謙譲語の「お（ご）」です。余談ですが尊敬語にも「お（ご）」の使い方があり混同しがち。
むずかしく感じるかたは「お（ご）●●いただく」のセットで謙譲語とおぼえておきましょう。
“ましたか？”は丁寧語の疑問形+過去形
つづいて後半部分。
「〜ましたか？」は丁寧語「ます」の疑問形を過去形にしたもの。
意味としてはシンプルに「〜したか？」というような質問・疑問の形になります。
目上・上司や取引先に質問するときにはたとえば、
「泳げたか？ → 泳げましたか？」
「書けたか？ → 書けましたか？」
「聞けたか？ → 聞けましたか？」
このように丁寧語の疑問形をつかうと丁寧です（例文を使うかどうかは別として…）。
ちなみに、
「お誘いいただけますか？」と現在形をつかうと「誘ってもらえますか？」というお願い・依頼のフレーズになります。
あわせると意味は「誘ってもらえましたか」
- お誘い ＝ 誘うこと
- お（ご）～いただける ＝ 「〜してもらえる」の意味の敬語（謙譲語）
- ますか = 「〜か？」という意味の敬語（丁寧語）
これらの単語を合体させて意味を考えます。
すると「お誘いいただけましたか？」の意味は…
「誘ってもらえましたか？」
のように解釈できます。
ようするに「すでに誘ったのか？」「もう誘ったのか？」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。
そこで遠まわりに「～してもらえましたか？」として、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズにしています。
そんなに丁寧に催促する必要あるの？って思うくらい。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
敬語の解説
ややこしいので、これまでの敬語の解説をまとめておきます。
「お誘いいただけましたか」を敬語としてみていくと以下のとおりに成り立ちます。
- もとになる単語「誘う」
- “〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」で「お誘いいただく」
- 可能形にして「お誘いいただける」
- 丁寧語”ます”の疑問形「ますか」を過去形にして「ましたか？」
→ すべてあわせると「お誘いいただけましたか？」という敬語の完成
※「お（ご）」を省いて「誘っていただけましたか？」でも正しい敬語です。
このようにして元になる語「誘う」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。
相手に強制しない、とてもやわらか～いお願いの敬語フレーズになります。
なお「お誘いしていただけましたか？」は間違い敬語となりますのでご注意を。
この場合、謙譲語「お（ご）」をなくして「誘っていただけましたか？」とすれば正しい敬語になります。
理由は長くなるので省きますが、あくまでも「お誘いいただけましたか？」をつかうことをオススメします。
それでは次項より使い方についても見ておきましょう。
使い方
つづいて「お誘いいただけましたか」の使い方について。
【基本】誘ってもらえたか？と催促・確認するビジネスシーン
「お誘いいただけましたか」の使い方
意味のとおりで何かしら「すでに誘ってもらえたか？」と催促したい、あるいは確認したいときのビジネスシーンで使います。
「お誘いいただけましたか」にかぎらず「〜いただけましたか？」という表現はビジネスメールよりも、どちらかというと電話対応や商談・会話シーンで多くつかいますね。
だからと言ってメールにつかったら失礼とかではなく、ビジネスメールにつかっても違和感はありません。
例文
たとえば、
- 【例文】懇親会の件、xx部長（上司）はお誘いいただけましたか。
- 【例文】会食の件、xxさんはお誘いいただけましたか？
※「お（ご）」を省いて「誘っていただけましたか？」でも正しい敬語です。
のようにして催促や確認をともなうビジネスシーン（会話・電話対応・メール）に使われます。
ようするに「すでに誘ってもらえたか？」という意味なのですが丁寧な敬語にすると、こんな風にややこしい文章になります。
誘ってもらえるか？と依頼する時は”~いただけますか？”
「誘ってもらえましたか？」は「すでに誘ったのか？」という催促や確認の意味をあらわしています。
で、
誘ってもらえるか？と依頼・お願いしたいときには…
- 【例文】お誘いいただけますか？
- 【例文】お誘いいただけますでしょうか？
のように現在形「〜いただけますか？」をつかうと丁寧です。
あるいは尊敬語「お（ご）〜くださる」をつかい…
- 【例文】お誘いくださいますか？
- 【例文】お誘いくださいますでしょうか？
のように「〜くださいますか？」をつかっても丁寧。
こうすると意味は「誘ってくれるか？」となります。
ニュアンスと敬語の使い方は違いますが、言いたいことは同じでありどちらも丁寧です。
“お誘いいただけますか vs いただけましたか？”の違い
“お誘いいただけますか vs いただけましたか？”の違いについて簡単にまとめ。
これまで解説したとおり、
- 「お誘いいただけましたか？」は過去形であるため「すでに誘ったのか？」「もう誘ったのか？」という催促や確認の意味でつかわれます。
いっぽうで、
- 「お誘いいただけますか？」と現在形をつかうと「誘ってもらえますか？」というお願い・依頼のフレーズになります。
まったく違う意味になりますのでご留意ください。
お誘いいただけましたでしょうか？とするとなお丁寧
「誘ってもらえましたか？」と催促・確認したいときに使える敬語。
「お誘いいただけましたか」でも十分に丁寧ではありますが…
「お誘いいただけましたでしょうか」とすると、よりやわらか〜い感じの敬語フレーズになります。
推測「〜だろうか？」の丁寧語「〜でしょうか？」を「お誘いいただけましたか」に加えるとこうなります。
意味と使い方・例文
「お誘いいただけましたでしょうか」の意味は「誘ってもらえただろうか？」
使い方はおなじでたとえば、
- 【例文】飲み会の件、新人はお誘いいただけましたでしょうか。
- 【例文】xxさんはお誘いいただけましたでしょうか。
※ “でしょうか？”は「だろうか？」の丁寧語（敬語）
※ 意味は「誘ってもらえただろうか？」
※「お（ご）」を省いて「誘っていただけましたでしょうか？」でも正しい敬語です。
のようにして催促や確認をともなうビジネスシーン（会話・電話対応・メール）に使われます。
もちろん上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語です。
で、どちらを使うかは結局のところあなたの好み。
どちらかというと「〜いただけましたでしょうか？」のほうが丁寧なのですが…
バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけましたか？」でも差し支えありません。
ちなみに、
「お誘いいただけますでしょうか？」と現在形をつかうと「誘ってもらえるだろうか？」というお願い・依頼のフレーズになります。
敬語の解説
「お誘いいただけましたでしょうか？」
の敬語の成り立ちとしては…
- “誘う”に「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」で「お誘いいただく」
- 可能形にして「お誘いいただける」
- さらに丁寧語”ます”で「お誘いいただけます」
- 疑問形にして「お誘いいただけますか？」
“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お誘いいただけますでしょうか？」
どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。
したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。
どちらかというと「〜いただけましたでしょうか？」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけましたか？」でオッケー。
お誘いくださいましたか？としても丁寧
「誘ってもらえましたか？」と催促・確認したいときにつかえる敬語。
「お誘いいただけましたか？」「お誘いいただけましたでしょうか？」だけでなく…
- 【例文】お誘いくださいましたか？
→意味は「誘ってくれたか？」 - 【例文】お誘いくださいましたでしょうか？
→意味は「誘ってくれただろうか？」
※「～してくれる」の尊敬語「お（ご）～くださる」をつかって敬語にしています。
もあります。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
“いただけましたか vs くださいましたか”意味と違い・使い方
「お誘いいただけましたか？」vs「お誘いくださいましたか？」の意味と違い。
どちらも言いたいことは結局のところ「すでに誘ったか？」なのですが…
敬語の使い方に違いあり。
- “お誘いいただけましたか？“だと意味は「誘ってもらえたか？」
→敬語は謙譲語「お（ご）〜いただく」の可能形＋丁寧語
vs.
- “お誘いくださいましたか？“だと意味は「誘ってくれたか？」
→敬語は尊敬語「お（ご）〜くださる」＋丁寧語
というように意味と敬語の使い方が違います。
が、
結局のところ言いたいことはどちらも全く同じなわけです。
ちなみに、
「お誘いくださいますか？」と現在形をつかうと「誘ってくれるか？」というお願い・依頼のフレーズになります。
いただけましたか？のほうが丁寧
「誘ってくれたか？＝お誘いくださいましたか？」
よりも”いただく＋可能形”をつかって、
「誘ってもらえたか？＝お誘いいただけましたか？」
としたほうが丁寧な印象のフレーズとなります。
ただ、
敬語の使い方には違いはあれど、どちらもひとしく丁寧な敬語であり目上・上司・社外取引先につかえるフレーズです。
ただ少しニュアンスの違いというか敬語の使い方が違うよ、ということですね。
これは好みで分かれるところ。
どちらかというと「いただく」を使ったほうがやんわ～りとした表現になりますが、心底どちらでも差し支えありません。
まぁ、ひとつのオプションとしてお好みでお使いください。
お誘いいただきましたか？でも丁寧
「誘ってもらえましたか？」と催促・確認したいときにつかえる敬語。
これまで紹介した例文のほかにも…
- 【例文】お誘いいただきましたか？
→意味は「誘ってもらったか？」 - 【例文】お誘いいただきましたでしょうか？
→意味は「誘ってもらっただろうか？」
※「～してもらう」の謙譲語「お（ご）～いただく」をつかって敬語にしています。
※「お（ご）」を省いて「誘っていただきましたか？」でも正しい敬語です。
もあります。
目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
“いただけましたか vs いただきましたか”の意味と違い・使い方
「お誘いいただけましたか？」vs「お誘いいただきましたか？」の意味と違い。
どちらも言いたいことは結局のところ「すでに誘ったか？」なのですが…
敬語の使い方に違いあり。
- “お誘いいただけましたか？“だと意味は「誘ってもらえたか？」
→敬語は謙譲語「お（ご）〜いただく」の可能形＋丁寧語
vs.
- “お誘いいただきましたか？“だと意味は「誘ってもらったか？」
→敬語は謙譲語「お（ご）〜いただく」＋丁寧語
というように、
可能形をいれるかどうかという点において違いますね。
が、結局のところ言いたいことはどちらも全く同じなわけです。
ちなみに、
「お誘いいいただきますか？」と現在形をつかうと「誘ってもらうか？」という意味不明なフレーズになります。決してこういう使い方はしませんね。
いただけましたか？のほうが丁寧
「誘ってもらいましたか？＝お誘いいただきましたか？」
よりも可能形をつかって、
「誘ってもらえましたか？＝お誘いいただけましたか？」
というほうが丁寧な印象のフレーズとなります。
ホントに些細なことなので誰も気にしないかもしれませんけど…。
まぁとにかく、これまで紹介した例文はどれを用いても丁寧ではあります。
シンプルに”お誘いになりましたか？”でもOK
「誘ってもらえましたか？」と催促・確認したいときにつかえる敬語。
いい加減くどいのですが、まだまだあります…
とくに会話や電話対応はビジネスメールとちがって堅苦しい敬語は好まれません。
そこでシンプルに、
- 【例文】お誘いになりましたか？
→意味は「誘ったか？」 - 【例文】お誘いになりましたでしょうか？
→意味は「誘ったでしょうか？」
※「～する」の尊敬語「お（ご）〜になる」をつかって敬語にしています。
でも十分に丁寧です。
「誘う」に尊敬語「お（ご）〜になる」をつかい、さらに丁寧語の疑問形をつけくわえると例文のような敬語になります。
あるいは「～する」の尊敬語「お（ご）～なさる」をつかい、
- 【例文】お誘いなさいましたか？
- 【例文】お誘いなさいましたでしょうか？
としても丁寧。
こちらも目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。
いただけましたか？のほうが丁寧
「誘ったか？＝お誘いになりましたか？／お誘いなさいましたか？」
よりも”いただく＋可能形”をつかって、
「誘ってもらえましたか？＝お誘いいただけましたか？」
というほうが丁寧な印象のフレーズとなります。
結局どれがもっとも丁寧？
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。
ここまで紹介した言い換えだけでなく、思いつくかぎりの敬語フレーズを丁寧レベルごとに整理しておきます。
どれも「誘ってもらえましたか？」「誘ってくれましたか？」と催促・確認したいときにつかえる敬語です。
※ あくまでも目安としてお考えください。
①会話・電話対応につかえる丁寧レベル
「誘ってもらえましたか？」「誘ってくれましたか？」と催促・確認したいときの敬語。
まずは会話や電話対応シーンでよくつかう敬語フレーズから。
下にいくほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- 誘ってくれましたか？
- 誘ってもらえましたか？
- 誘っていただきましたか？
- 誘っていただけましたか？
- お誘いになりましたか？
- お誘いなさいましたか？
- お誘いされましたか？
- お誘いいただきましたか？
- お誘いくださいましたか？
- お誘いいただけましたか？
②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル
「誘ってもらえましたか？」「誘ってくれましたか？」と催促・確認したいときの敬語。
つづいて、上司や社内目上のビジネスメールにふさわしい敬語フレーズをご紹介。
下にいくほど丁寧な敬語になります。おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- お誘いになりましたか？
- お誘いなさいましたか？
- お誘いされましたか？
- お誘いいただきましたか？
- お誘いくださいましたか？
- お誘いいただけましたか？
- お誘いになりましたでしょうか？
- お誘いなさいましたでしょうか？
- お誘いされましたでしょうか？
- お誘いいただきましたでしょうか？
- お誘いくださいましたでしょうか？
- お誘いいただけましたでしょうか？
注）上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑥以降をつかいましょう。
【敬語の補足】
・「なさる／される」は”〜する”の尊敬語
・「お（ご）〜になる」は”〜する”の尊敬語
・「お（ご）〜くださる」は”〜してくれる”の尊敬語
・「お（ご）〜いただく」は”〜してもらう”の謙譲語
・「〜でしょうか」は”〜だろうか”の丁寧語
③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル
「誘ってもらえましたか？」「誘ってくれましたか？」と催促・確認したいときの敬語。
最後に、社外取引先や顧客のビジネスメールにふさわしい敬語フレーズをご紹介。
下にいくほど丁寧な敬語になります。おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。
- お誘いいただきましたか？
- お誘いくださいましたか？
- お誘いいただけましたか？
- お誘いになりましたでしょうか？
- お誘いなさいましたでしょうか？
- お誘いされましたでしょうか？
- お誘いいただきましたでしょうか？
- お誘いくださいましたでしょうか？
- お誘いいただけましたでしょうか？
【敬語の補足】
・「なさる／される」は”〜する”の尊敬語
・「お（ご）〜になる」は”〜する”の尊敬語
・「お（ご）〜くださる」は”〜してくれる”の尊敬語
・「お（ご）〜いただく」は”〜してもらう”の謙譲語
・「〜でしょうか」は”〜だろうか”の丁寧語
