「ご多用のことと存じますが」意味と使い方・ビジネスメール例文

「ご多用のことと存じますが」について、意味と上司や目上への正しい使い方、注意点をビジネスメールの例文つきで誰よりもくわしく解説していく記事。

まず簡単にまとめを。

「ご多用のことと存じますが」の意味は「忙しいことと思いますが～」であり、とくに「忙」という語がきらわれる結婚や出産・その他めでたいビジネスシーンで活躍する表現です。

もちろん普段のビジネスメールにもつかえる丁寧な敬語フレーズ。相手が忙しいとかそうでないとかを関係なく使えます。

使い方としてはたとえば、

などがあり、どの例文も社内メールで目上の人（上司や先輩）につかっても、社外のビジネスメールにつかってもよい丁寧な敬語表現です。

なお言い換えとしては

• 【言い換え】ご多用中とは存じますが～
• 【言い換え】ご多用とは存じますが～
• 【言い換え】ご多用の折とは存じますが～

などがありどれを用いても丁寧です。なお結婚式や祝い事のシーンでなければ「ご多忙＝とても忙しいこと」「お忙しい」に言い換えてもOK。

※「忙」など縁起がわるいとされている言葉を忌み言葉といいます。結婚式・出産・葬儀・その他それぞれ違いますのでご注意ください。

ざっくりとした解説はこれにて終了。くわしくは本文中にて意味と使い方、注意点を述べていきます。

※長文になりますので、時間の無い方は「見出し」より目的部分へどうぞ。

【意味】ご多用のことと存じますが

「ご多用のことと存じますが」の意味は「忙しいことと思いますが」となります。

たとえば「ご多用のことと存じますが、よろしくお願い致します」とすれば、「忙しいとは思うのだけど、よろしく」となります。

1. ご多用＝「忙しいこと」の意味
2. こととは存じますが ＝「こととは思いますが」の意味の敬語（謙譲語）

これら２つの言葉をあわせているだけなのですが念のためくわしく解説しておきます。

“ご多用”の意味

もとになる語は「多用」であり、尊敬語「お（ご）」をくわえて「ご多用」という敬語にしています。

「多用」はたとえば、

【例文】ご多用のところ恐れ入りますが、ご対応いただけますと幸いです。→「忙しいこと」の意味

【例文】MBA用語を多用する上司には耐えられない。→「多く使用する」の意味

のようにして使います。

“存じますが”の意味は「思いますが」

「思う」の謙譲語「存じる」に丁寧語をくっつけると「存じます」という敬語になります。

そうすると「存じますが」の意味は、

「思いますが・・・」と解釈できます。

“ことと存じますが”の「こと」ってどういう意味？

ここで深堀を。

「ことと存じますが」の「こと（事）」にはとくに深い意味はありません。

「ご多用」を強調するためにもちいられます。

「こと（事）」はたとえば、

• 「母には長いこと会っていない」だと「母には長く会っていない」の意味
• 「不思議な事にiPhoneが壊れた」といえば「不思議とiPhoneが壊れた」の意味

のようにして使われます。

いずれもとくに意味はなく、たんに形容詞を強調したり、きわだたせたりするためにつかわれています。

ちなみに「ご多用の折（おり）」「ご多用のところ」「ご多用とは」「ご多用かと」に言い換えても似たような意味になります。

• 「ご多用の折とは存じますが」だと「忙しい時節・時期とは思いますが」の意味
• 「ご多用のところとは存じますが」といえば「忙しい最中とは思いますが」の意味
• 「ご多用とは存じますが」といえば「忙しいとは思いますが」の意味
• 「ご多用かと存じますが」といえば「忙しいだろうかと思いますが」の意味

というように言い換えできます。

日本語としてはそれぞれ若干ニュアンスが違います。まぁビジネスシーンでは誰も気にしないでしょうけど…。

【シーン別】”ご多用のことと存じますが”の使い方

つづいて「ご多用のことと存じますが」の使い方について。

「忙しいことと思いますが」という意味ですので、目上なり上司を気づかうフレーズとして使われます。

使えるシーンはたくさんありますが代表的なものを箇条書きにしてまとめます。

使い方①お願い・問合せビジネスメールなど（結びに使う）

「ご多用のことと存じますが」の使い方、まずは基本。

上司なり社内目上・社外取引先に何かしらお願いしたり、問い合わせしたり、教えてほしいとき。

「ご多用のことと存じますが＋何かしらのお願い」の形でつかうと丁寧です。

たとえば、

• 「ご多用のことと存じますが、ご出席のほど何卒よろしくお願い致します」とすれば「忙しいことと思いますが、出席してくれるようお願い！」の意味。
• 「ご多用のことと存じますが、ご参加いただけますと幸いです」とすれば「忙しいことと思いますが、参加してもらえると嬉しいです」の意味。

というように使います。あとは後半部分をシーンごとにいろんなフレーズに置き換えて応用しましょう。

①ご多用のことと存じますがご返信(ご連絡・ご回答)～

「ご多用のことと存じますが＋何かしらのお願い」をつかった例文まとめ。

上司なり社内目上・社外取引先にビジネスメールで返信や連絡してもらいたいときは？？

「ご多用のことと存じますが＋ご返信・ご連絡・ご回答・お返事～」の形でつかうと丁寧です。

たとえば、

• 【例文】ご多用のことと存じますが、ご返信いただけましたら幸いです。
• 【例文】ご多用のことと存じますが、お返事いただければ幸いです。
• 【例文】ご多用のことと存じますが、ご連絡いただきますようお願い致します。
• 【例文】ご多用のことと存じますが、ご回答くださいますようお願い致します。

というようにビジネスメール（就活・転職メールふくむ）の結び・締めくくりに使うと、相手への配慮が感じられて好感がもてます。

②ご多用のことと存じますがご出席(ご参加など)～

「ご多用のことと存じますが＋何かしらのお願い」をつかった例文まとめ。

つづいて上司なり社内目上・社外取引先に会議や懇親会・結婚式に出席（参加）してもらいたいときは？？

「ご多用のことと存じますが＋ご出席・ご参加～」の形でつかうと丁寧です。

• 【例文】ご多用のことと存じますが、ご出席賜りますようお願い申し上げます。
• 【例文】ご多用のことと存じますが、ご出席いただけましたら幸いです。
• 【例文】ご多用のことと存じますが、ご臨席いただければ幸いです。
• 【例文】ご多用のことと存じますが、ご参加いただきますようお願い致します。
• 【例文】ご多用のことと存じますが、ご参加くださいますようお願い致します。

というようにつかうと相手への配慮が感じられて好感がもてます。

※例文はいずれもビジネスメールの文末・結び・締めに使うことを想定しています。

③その他(ご教示・ご対応・ご確認・ご検討・ご査収など)

「ご多用のことと存じますが＋何かしらのお願い」をつかった例文まとめ。

「ご多用のことと存じますが＋いろいろな敬語フレーズ」をくみあわせてお願い・依頼のフレーズをつくることができます。

よくつかうものだけを以下に紹介しておきますね。

• 教えてほしい時のお願いメール
  例文「ご多用のことと存じますが、ご教示いただけますと幸いです。」
  例文「ご多用のことと存じますが、ご教示の程お願い申し上げます。」
• 受け取ってほしい時（＝ご査収）
  例文「ご多用のことと存じますが、ご査収いただければ幸いです。」
  例文「ご多用のことと存じますが、ご査収の程お願い致します。」
• 対応してほしい時
  例文「ご多用のことと存じますが、ご対応いただければ幸いです。」
  例文「ご多用のことと存じますが、お取り計らいの程お願い申し上げます。」
• 確認してほしい時
  例文「ご多用のことと存じますが、ご確認いただけましたら幸いです。」
  例文「ご多用のことと存じますが、ご確認いただきますようお願い致します。」
• 検討してほしい時
  例文「ご多用のことと存じますが、ご検討いただければと存じます。」
  例文「ご多用のことと存じますが、ご検討いただけますと幸いです。」
• 送付してほしい時
  例文「ご多用のことと存じますが、送付いただけますと幸甚に存じます。」
  例文「ご多用のことと存じますが、ご送付の程お願い致します」

※ビジネスメールの文末・結び・締めに使うことを想定しています。

上記はほんの一例。

ビジネスシーンにおうじて無限のバリエーションがあります。あなたの語彙が広がるほどにつかえる敬語も増えていくでしょう。

お願いメールには「恐縮ですが」「恐れ入りますが」とするとなお丁寧

使い方③で解説したことの繰り返しになりますが…

「ご多用のことと存じますが」はどちらかというと「使い方②相手の健康などを気づかうビジネスメール」のシーンで用いられる事がおおいですね。

いっぽうで「使い方①依頼・お願いシーン」では…

「恐縮ですが」「恐れ入りますが」「お手数ですが」など相手に手間をかけて申し訳なく思う気持ちをあらわす敬語フレーズと一緒につかうと、目上や上司・取引先にたいする言葉づかいとしてはより丁寧です。

いちおう依頼・お願いするときにつかうと丁寧な言い換えも紹介しておきます。ご参考までにどうぞ。

※どちらかと言えば…という話なので使い方①②はどちらも丁寧です。

かなり丁寧『恐縮ではございますが』

「恐縮ではございますが」の意味は「申し訳なく思うのですが」であり、上司や目上・社外取引先に著しく負担をかけたときに使うと好感度アップします。

• 【言い換え】ご多用のところ恐縮ではございますが、ご返信いただければ幸いです。
• 【言い換え】ご多用のところ大変恐縮ではございますが、ご対応の程お願い致します。
• 【言い換え】ご多用のところ恐縮ではございますが、ご出席の程お願い申し上げます。
• 【言い換え】ご多用のところ恐縮ではございますが、ご出席賜れますと幸いです。

※「ご多用」は「ご多用・ご多忙」に言い換えても丁寧です。ただし「忙」は忌み言葉になるため結婚式や祝い事（出産）のシーンでは「ご多用」としましょう。

※「恐縮ではございますが」は「恐縮ですが」としてもOK。

※「恐縮」の意味は「相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと。おそれいること。また、そのさま。」

丁寧『恐れ入りますが』など

「恐縮」とおなじ意味である「恐れ入る」をつかった言い換えもできます。

• 【言い換え】ご多用のところ恐れ入りますが、ご検討の程お願い致します。
• 【言い換え】ご多用のところ大変恐れ入りますが、ご対応の程お願い致します。
• 【言い換え】ご多用のところ恐れ入りますが、ご出席賜りますようお願い申し上げます。

※「ご多用」は「ご多用・ご多忙」に言い換えても丁寧です。

※「恐れ入る」の意味は恐縮におなじ

その他『お手数ではございますが』など

あとはちょっと違った角度から。

「手間をかけること」の意味である「お手数（おてすう）」をつかっても丁寧です。

使い方は意味のとおりで、とくに上司や目上・取引先にめんどうな事を依頼・お願いするときに活躍するフレーズですね。

• ご多用のところ＋お手数
  かなり丁寧「ご多用のところ大変お手数ではございますがご連絡いただければ幸いです」
  かなり丁寧「ご多用のところ大変お手数お掛けいたしますがご検討～」
  丁寧「ご多用のところ大変お手数ですがお返事～」
• ご多用の中＋お手数
  かなり丁寧「ご多用の中お手数ではございますがご教示の程お願い致します」
  かなり丁寧「ご多用の中、大変お手数お掛けいたしますがご対応～」
  丁寧「ご多用の中お手数ですがご対応～」
• ご多用の折＋お手数
  かなり丁寧「ご多用の折お手数ではございますがご教示の程お願い致します」
  かなり丁寧「ご多用の折、大変お手数お掛けいたしますがご確認～」
  丁寧「ご多用の折お手数ですがご確認～」

※「ご多忙」は「ご多用」に言い換えても丁寧です。

【例文】ビジネスメール・結婚式・披露宴招待状

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「ご多用のことと存じますが」の使い方をビジネスメール例文とともにご紹介。

どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。

例文①披露宴の招待状

謹啓

ｘｘの候　皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます

このたび私たちは　結婚式を挙げ新たな一歩を踏み出すこととなりました

つきましては　日ごろお世話になっております皆様をお招きし
ささやかではございますが　披露宴を催したく存じます

ご多用の折とは存じますが　何卒ご出席賜りたくご案内申し上げます

謹白

平成○年○月吉日
○○○○（新郎氏名）
○○○○（新婦氏名）

記

日時　平成○○年○月○日
午後○時○分（午前○時○分受付）
場所　○○ホテル○○の間
東京都ｘｘ区○○ 1-1-1
電話番号　03-1234-5678
（地下鉄ｘｘ線　ｘｘ駅 下車 5分）

なお　お手数ではございますが
ご出欠のお返事を○月○日までに賜りますよう　お願い申し上げます

例文②結婚式の招待状

拝啓

時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます

このたび私たちは　結婚式を挙げることとなりました

つきましては　日ごろお世話になっております皆様をお招きし
ささやかではございますが　挙式ならびに式後　披露宴を催したく存じます

ご多用のところ誠に恐れ入りますが　何卒ご臨席賜りたくご案内申し上げます

敬具

平成○年○月吉日
○○○○（新郎氏名）
○○○○（新婦氏名）

記

日時　平成○○年○月○日
午後○時○分（午前○時○分受付）
場所　○○ホテル○○の間
東京都ｘｘ区○○ 1-1-1
電話番号　03-1234-5678
（地下鉄ｘｘ線　ｘｘ駅 下車 5分）

なお　お手数ではございますが
ご出欠のお返事を○月○日までに賜りますよう　お願い申し上げます

ビジネスメール例文③採用情報を教えてほしい（就活・転職）

メール件名: 2018年卒・新卒採用予定の有無（就活大学・就活一郎）

転職株式会社
ご採用担当　様

突然のメールにて大変失礼いたします。

私、現在就職活動をしております、就活大学・就活学部の就活一郎と申します。

この度は、今年度の新卒採用予定の有無について伺いたく、連絡いたしました。
もし貴社にて新卒採用のご予定がおありでしたら応募したいと考えております。

ご多用のところ大変恐れ入りますが、
ご教示いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い致します。

***********
メール署名
***********

• 【就活】メールで質問して“お礼を返信する”までの例文と全注意点 – 添削あり

ビジネスメール例文④問合せメール（to社外）

ビジネスメール例文⑤出欠の催促メール（to社内上司）

メール件名①新規：懇親会・出欠のご確認
メール件名②転送Fw：懇親会・出欠のご確認

●● 課長（社内上司）

お疲れ様です。たびたび申し訳ありません。

さて、先般お願いしておりました3月10日・懇親会の件、●●課長のご都合はいかがでしょうか。

誠に勝手を申し上げますが早めに予約等の手配を進めたく、明日中にご返信いただればと存じます。

以上

ご多用のことと存じますが、
ご連絡のほど何卒よろしくお願い致します。

※なお本メールと行き違いでご返信をいただいておりましたら申し訳ありません。

************
営業部　ノマド
************

• 【出欠の催促】ビジネスメール例文（飲み会・忘年会・結婚式・会議）

ビジネスメール例文⑥価格見積のお願いメール（to社外）

メール件名：お見積送付のお願い

転職株式会社
転職　様　（社外取引先）

平素はお世話になっております。
株式会社就活の就活です。

先日はご多忙にもかかわらずお時間をいただき、誠にありがとうございました。

さて、先般ご提案いただいた「iPad Pro」につきまして
さらなる検討を進めることと決定いたしました。

つきまして以下の条件にてお見積りをいただきたく存じます。

①支払い条件：前払い
②数量条件：1000台

なお勝手を申し上げますが、
4月10日までに送付いただけますと幸いです。

以上

ご多忙のところ大変恐縮ではございますが、
お取り計らいの程お願い申し上げます。

************
メール署名
************

• 【ビジネス】見積もり依頼メールの書き方・例文

ビジネスメール例文⑦アポイントをとる（to社外）

【社外ビジネス】
面識のある取引先に対して、用事があって商談や打合せを依頼する「アポイントのビジネスメール」例文。候補日をこちらから連絡するパターン。

メール件名: 貴社訪問のお願い（転職・ノマド）

株式会社ビジネス
研究部　●● 様　（社外取引先）

いつもお世話になっております。
転職・ノマドでございます。

先般は打合せに際してお時間をいただき、誠にありがとうございました。

さてその後、弊社の開発に進捗がございましたので、ご報告のため貴社訪問いたしたく存じます。よろしければ、以下候補のうちから1時間ほどお時間を頂戴したく存じますが、ご都合いかがでしょうか。

・11月10日 AM
・11月12日 終日
・11月15日 PM

ご多忙のところ大変恐縮ではございますが、
ご検討いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

************
メール署名
************

• 【ビジネス】アポイントメールし、返信でお礼し、日時確定する例文

【言い換えOK】”ご多用のことと存じますが”の類語

つづいて「ご多用のことと存じますが～」の類語を例文でまとめます。ビジネスメールではこれらの表現に言い換えすることもできますので、お好みの表現を用いてください。

どれも目上の人（社内上司・先輩）にはもちろんのこと、社外取引先にもつかえる丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。

①『ご多忙のことと存じますが』など

「ご多用」は「ご多忙＝とても忙しいこと」に言い換えできます。

使い分けする必要はありませんが、結婚や出産・その他めでたいシーンで「ご多忙」はNG。※ 忌み言葉といいます

そんなシーンでは必ず「ご多用」をつかいましょう。

ほかには以下の言い換えをつかっても丁寧です。例文は重複するため省略します。

• 【言い換え】ご多忙中とは存じますが
• 【言い換え】ご多忙の折とは存じますが

さらに「申し訳なく思いますが」の意味である「恐縮ですが」「恐れ入りますが」をつかっても丁寧。「恐縮ですが」「恐れ入りますが」のあとにはお願いフレーズが入ります。相手を気づかうフレーズ（ご自愛など）をくっつけると日本語がおかしくなるためご注意を。

• 【言い換え】ご多忙のところ大変恐縮ですが＋お願い
• 【言い換え】ご多忙のところ恐れ入りますが＋お願い
• 【言い換え】ご多忙の折、大変恐縮ですが＋お願い

【敬語および言葉の補足】

※「折（おり）」は「季節、時節、時期」の意味

※「存じます」は「思います」の意味の敬語（謙譲語）

※「大変恐縮ですが」をよりカチッとした言い方にするには「大変恐縮ではございますが」とすると丁寧です。

※「恐縮ですが」「恐れ入りますが」のあとにはお願いフレーズが入ります。相手を気づかうフレーズ（ご自愛など）をくっつけると日本語がおかしくなるためご注意を。

②『お忙しいとは存じますが』など

「ご多用」は「お忙しい」にも言い換えできます。

使い分けする必要はありませんが、結婚や出産・その他めでたいシーンで「お忙しい」はNG。※ 忌み言葉といいます

ほかには以下の言い換えをつかっても丁寧です。例文は重複するため省略します。

• 【言い換え】お忙しいとは存じますが何卒ご自愛くださいませ
• 【言い換え】お忙しいかと存じますが、～
• 【言い換え】お忙しいことと存じますが、～
• 【言い換え】お忙しい中とは存じますが、～

さらに「申し訳なく思いますが」の意味である「恐縮ですが」「恐れ入りますが」をつかっても丁寧。「恐縮ですが」「恐れ入りますが」のあとにはお願いフレーズが入ります。相手を気づかうフレーズ（ご自愛など）をくっつけると日本語がおかしくなるためご注意を。

• 【言い換え】お忙しいところ大変恐縮ですが＋お願い
• 【言い換え】お忙しいところ恐れ入りますが
• 【言い換え】お忙しい中、大変恐縮ですが

【敬語および言葉の補足】

※「折（おり）」は「季節、時節、時期」の意味

※「存じます」は「思います」の意味の敬語（謙譲語）

※「大変恐縮ですが」をよりカチッとした言い方にするには「大変恐縮ではございますが」とすると丁寧です。

• 「ご多忙」「ご多用」意味と違い・使い分け方【メール例文あり】

③”ご多用”をつかった色々な言い換え

あとは「ご多用のことと存じますが」だけでなく、「ご多用」のなかにも色々なフレーズがあります。

• 【言い換え】ご多用のことと存じますが、ご対応いただければ幸いです。
• 【言い換え】ご多用とは存じますが、何卒ご自愛くださいませ。
• 【言い換え】ご多用かと存じますが、ご返信のほどお願い致します。
• 【言い換え】ご多用の折とは存じますが、～
• 【言い換え】ご多用中、大変恐縮ですが～
• 【言い換え】ご多用のところ大変恐縮ですが～
• 【言い換え】ご多用折、大変恐縮ですが～

どれも丁寧なので使い分けは必要なし

で、

結局どれがもっとも丁寧なのか？ということですが・・・

正直なところ、すべて等しく丁寧なので使い分けする必要はありません。

ただし結婚や出産・その他めでたいシーンで「忙」はNGとなるためご留意を。

まとめ

今回は「ご多用のことと存じますが」の意味と使い方、注意点について、これでもかというくらい語ってみました。

この表現はとても便利で、ビジネスメールでは万能に活躍します。

ぜひ、ありとあらゆる場面を経験し、使い倒してください。頭でどうこうなるものではないので、ビジネスシーンで場数を踏んでくださいね。ではでは～～。