敬語「お控え」の意味とビジネスにおける全使い方

「お控え」の意味と敬語の種類、ビジネスシーンに最適な使い方のすべてについて。

ここでは敬語「お控え」にまつわる疑問のすべてに答えを示していきます。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ。

“お控え”の意味と敬語の種類

まずは「お控え」のそもそもの意味と敬語の種類について。

“控える”の意味

控える(ひかえる)の意味は・・・

  1. 用事や順番に備えて、すぐ近くの場所にいて待つ。待機する。【例文】待合室に控える
  2. 目立たないようにしてそばにいる。【例文】上司のうしろに控える
  3. 空間的・時間的に迫っている。近くに位置する。また、近い将来に予定される。【例文】大会は1週間後に控えている
  4. 度を越さないように、分量・度数などを少なめにおさえる。節制する。【例文】アルコールを控える
  5. 自制や配慮をして、それをやめておく。見合わせる。【例文】テロの懸念があるため出張を控える【例文】コメントを控える

“お控え”の敬語の種類

「お控え」の敬語の種類は・・・

「控える」という元の語に①尊敬語あるいは②謙譲語の「お(ご)」をつかって敬語にしています。

  1. 上司/目上などの相手が「お控えくださる」「お控えだ」→①尊敬語“お(ご)”
  2. 「自分がお控えする」「相手にお控えいただく」→②謙譲語“お(ご)”

というように2パターンあります。

敬語”お(ご)”の使い方

ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。

じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お(ご)」の使い方があります。

謙譲語としての「お(ご)」の使い方はたとえば、

  • 会議日程のご連絡
  • 会食のお誘い
  • 販売状況のご報告
  • 転勤のご挨拶
  • 貴社ご訪問のお願い

こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。

ところが例文は自分が「ご連絡・お誘い・ご報告・ご挨拶」するため「お(ご)」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。

これは、

謙譲語「お(ご)」の使い方を知らないためにくる勘違いです。

尊敬語の「お(ご)」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。

いっぽうで尊敬語の「お(ご)」は「部長がお戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。

“控える”の敬語①謙譲語

「控える」とのセットで謙譲語となる形をまとめておきます。

①そもそも謙譲語とは…

敬語の一種であり、

謙譲語Ⅰ:自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。

謙譲語Ⅱ:自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。

の2種類あり。

  1. お控えする
    お控えします
    ※意味は(自分が)控える
  2. お控えいたす
    お控えいたします
    ※意味は(自分が)控える
  3. お控え申し上げる
    お控え申し上げます
    ※意味は(自分が)控える
  4. お控えいただく
    お控えいただきます
    ※意味は(自分が相手に)控えてもらう
  5. 控えさせていただく
    控えさせていただきます
    ※意味は「控えさせてもらう」

※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり、何でもかんでも使える訳ではありません。

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方です。ご留意ください。

ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。

“控える”の敬語②尊敬語

「控える」の尊敬語をまとめておきます。

②そもそも尊敬語とは…

敬語の一種であり、相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの。

  1. お控えだ
    お控えです
    ※意味は(目上なり上司が)控える
  2. お控えになる
    お控えになります
    ※意味は(目上なり上司が)控える
  3. 控えられる
    控えられます
    ※意味は(目上なり上司が)控える
  4. 控えなさる
    控えなさいます
    ※意味は(目上なり上司が)控える
  5. お控えなさる
    お控えなさいます
    ※意味は(目上なり上司が)控える
  6. お控えくださる
    お控えくださいます
    ※意味は(目上なり上司が)控えてくれる

※丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。

※尊敬語「〜れる・られる」は受け身の用法とごっちゃになる可能性があり、注意が必要。

“控える”の敬語③丁寧語

つづいて「控える」の丁寧語について。

③そもそも丁寧語とは…

敬語の一種であり、話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。いわゆる「です・ます」口調のこと。

  • 控えます
    ※意味は(自分が)控える

以上で基本事項のおさらいは終わり。

あとはビジネスシーンごとに使える敬語フレーズをまとめておきます。

使い方①依頼「控えてください」と言いたい時

「お控え」の使い方。

依頼・お願いの敬語フレーズとして、目上や社内上司・取引先に「控えてください」「控えてほしい」と言いたいときに使います。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降よりご紹介。

『お控えください』

「お控え」の使い方。

依頼・お願い「控えてください」と言いたいときの丁寧な敬語フレーズ。

  • 例文「お控えください」

意味は『控えてください』

「控えて」というフレーズを尊敬語「お控え」に言い換えているため丁寧レベルとしては「控えてください」よりもだいぶマトモ。

ただやはり「〜ください」という命令形である点において、強い口調に感じられてしまうケースあり。

時と場合によっては目上・上司・取引先に不快感をあたえてしまいます。

気になるかたは以降の例文をつかいましょう。

ちなみに”お控えください”の敬語は以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「控える」に尊敬語”お(ご)”で「お控え
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「お控えくださる
  • さらに命令形にして”お控えください”

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

このようにして元になる語「控える」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

『お控えくださいませ』

「お控え」の使い方。

依頼・お願い「控えてください」と言いたいときの丁寧な敬語フレーズ。

  • 例文「お控えくださいませ」

意味は『控えてください』

尊敬語「お控えくださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「控えてください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

『お控えいただければと存じます』

依頼・お願い「控えてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「お控えいただければと存じます」

意味は『控えてもらえたらと思います』

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」を可能形にして「お(ご)~いただける」とし、さらに仮定の「たら・れば」をくっつけています。

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

『お控えいただきたく存じます』

依頼・お願い「控えてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お控えいただきたく存じます
    → 意味は『控えてもらいたいと思います』

あるいはシンプルに、

  • 【例文】お控えいただきたく、お願い致します
    → 意味は『控えてもらいたい、お願いします』

としても丁寧です。

「~いただきたく存じます」の意味は「~してもらいたいと思います」。相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

『お控えいただければ幸いです』

依頼・お願い「控えてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お控えいただければ幸いです

意味は『控えてもらえたら嬉しいです』

「~いただければ幸いです」の意味は「~してもらえたら嬉しいです・幸せです」

ようするに「控えてほしい!」「控えてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「控えてもらえたら嬉しいです」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

「~いただければ幸いです」という敬語フレーズはお願い・依頼のビジネスメールでよく使います。以下のフレーズもご参考にどうぞ。

  • 例文「お控えいただけますと幸いです」
  • 例文「お控えいただけましたら幸いです」
  • 例文「お控えいただければ幸甚に存じます」
  • 例文「お控えいただけますと幸甚に存じます」
  • 例文「お控えいただけましたら幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)”幸いです”の意味は「嬉しいです、幸せです」

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけますと」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)〜いただけましたら」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にし「いただける」として、さらに丁寧語”ます”をくっつけ、さらに仮定「たら・れば」をくっつけた敬語

『お控えくださいますようお願い申し上げます』

依頼・お願い「控えてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 例文「お控えくださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「お控えくださいますようお願い致します」

意味は『控えてくれるようお願いします』

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます = お願い致します」に言い換えOK

ようするに「控えてほしい!」「控えてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「控えてくれるようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ちなみに「ますよう」は「①ます+②よう(様)」という2つの単語からなります。

まず前半部分の「ます」はシンプルに丁寧語の「ます」

つづいて後半の「よう(様)」の意味はいろいろありますが…

ここでは「婉曲 (えんきょく) な命令・希望の意を表す」言葉として使われます。

希望をあらわす「よう(様)」にはたとえば、

  • 【例文】時間に遅れないよう、ご留意ください
  • 【例文】部長に怒られないように気をつける
  • 【例文】風邪などお召しになりませんように

などあり。

ちなみに「ように」でも「よう」でも正しい日本語ですが、「お控えくださいますようにお願い申し上げます」はあまり一般的ではありません。

また表記は漢字「ます様に」でも平仮名「ますように」でも、どちらも正しい日本語です。

『お控えいただきますようお願い致します』

依頼・お願い「控えてください」と言いたいときの敬語フレーズ

  • 【例文】お控えいただきますようお願い申し上げます
    → 意味は『控えてもらうようお願いします』

あるいは可能形「いただける」をつかい、

  • 【例文】お控えいただけますようお願い申し上げます
    → 意味は『控えてもらえるようお願いします』

としても丁寧。

とくにビジネスメール結び・締めにつかわれる敬語です。

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「~いただきますよう」の意味は「〜してもらうように」

ようするに「控えてほしい!」「控えてください!」という依頼・お願いをあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司に使うにはイマイチです。

そこで遠まわしに「控えてもらうようにお願い!」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なフレーズですね。

ちなみに、

「くださいますよう」「いただきますよう・いただけますよう」はニュアンスが違うものの、どれも結局のところ「~してほしい」と言いたいので同じです。

メール結び・文末では「~くださいますよう」を使うことが多いのですが、心底どれをつかっても構いません。

なお「ご了承賜りますよう~」というように「」を入れるケースもあります。どちらを使っても正しい敬語です。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただきますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

※「お(ご)〜賜りますよう」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)~賜る」+丁寧語”ます”+”ように(様に)”

その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お控えいただきたく、お願い致します
    意味は「控えてほしい、お願いします」
  • 例文「お控えいただけましたら幸いです
    ※意味は「控えてもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お控えいただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「控えてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お控えいただければ幸甚に存じます
    ※意味は「控えてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お控えいただけますと幸いです
  • 例文「お控えいただけますと幸甚に存じます
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

使い方②会話・電話での依頼は”お控え頂けますか?”

お控えの使い方。

つづいてビジネスメールではなく会話や電話対応シーンで「控えてほしい!」と言いたいときには…

「お控えくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】お控えいただけますか?
  • 【例文】お控えいただけますでしょうか?
  • 【例文】お控え願えますでしょうか?

※もちろん「お控えください」「お控えくださいませ」としても丁寧

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「控えてもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

『控えて頂けますか?/頂けますでしょうか?』でもOK

あえて「お控え」という敬語をつかわなくても…

会話や電話対応シーンであれば「控える」の敬語フレーズをつかってシンプルに、

  • 【例文】控えていただけますか?
    → 意味は「控えてもらえますか?」
  • 【例文】控えていただけますでしょうか?
    → 意味は「控えてもらえるでしょうか?」

としても丁寧です。

一般的に、会話や商談でカチッとした敬語をつかいすぎると、相手とのあいだに壁をつくってしまいます。ようは会話がスムーズに進まなくなってしまうのですよね。

そこで会話シーンではすこしカジュアルな敬語をつかうことをオススメします。

とくに「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

※「すでに控えてもらえましたか?」と催促・確認するときは過去形「お控えいただけましたか?」「お控えいただけましたでしょうか?」とすると丁寧。

敬語の解説

「お控えいただけますか?」「お控えいただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “控える”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「お控えいただく」
  • 可能形にして「お控えいただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「お控えいただけます」
  • 疑問形にして「お控えいただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お控えいただけますでしょうか?」

どちらも謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…

バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」でも構いません。

使い方③お礼「控えてくれてありがとう」の敬語

「お控え」の使い方。

つづいてお礼の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「控えてくれてありがとう」「お控えありがとう」と言いたいときにも「お控え」をつかいます。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降よりご紹介。

『お控えいただきありがとうございます』

「お控え」の使い方。

お礼・感謝「控えてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ。

  • 例文『お控えいただきありがとうございます』
  • 例文『お控えいただきまして、ありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『お控えありがとうございます』

としてもまぁOKです。

意味はどれも『控えてもらいありがとう』

お礼・感謝の意をあらあわすフレーズとしてはもっともオーソドックスな敬語です。

会話シーンではもちろんのことビジネスメールにもつかえる丁寧なフレーズであり、社内上司・目上・取引先にも丁寧ですね。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜いただく」は「〜してもらう」の敬語(謙譲語)

『お控えくださいましてありがとうございます』

「お控え」の使い方。

お礼・感謝「控えてくれてありがとう」と言いたいときの敬語フレーズ。

  • 例文『お控えくださいましてありがとうございます』

あるいはシンプルに、

  • 例文『お控えくださり、ありがとうございます』

としても丁寧です。

意味はどれも『控えてくれてありがとう』

こちらもビジネスメールでよく目にする敬語フレーズですね。目上や上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語です。

ちなみに「お控えくださいましてありがとう」よりも先ほどの例文「お控えいただき〜」をつかう方が、よりやわらかい印象の敬語になります。

丁寧な対応を心がけたいときには「お控えいただく」をオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)〜くださる」は「〜してくれる」の敬語(尊敬語)

“ありがとう”だけじゃないお礼の敬語フレーズ

ここまではビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)でオーソドックスに使えるお礼・感謝の敬語フレーズを紹介しました。

ただ、

お礼するときにいつも「ありがとうございます」を使っていてはビジネス敬語ビギナー。

ここからは「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズを紹介します。

『感謝申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「感謝」をつかった例文を。

  • 【例文】お控えいただき感謝申し上げます
  • 【例文】お控えいただき感謝いたしております
  • 【例文】お控えいただき感謝いたします

※「お控えくださり感謝〜」「お控えくださいまして感謝〜」に言い換えても丁寧

※「お控え賜り感謝〜」「お控え賜りまして感謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「控えてもらいありがとう!」「控えてくれてありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただく」は「~してもらう」の敬語(謙譲語)

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『深謝いたします』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「深謝=深く感謝すること」をつかった例文を。

  • 例文「お控えいただき深謝いたしております」
  • 例文「お控えいただき深謝いたします」

※「お控えくださり深謝〜」「お控えくださいまして深謝〜」に言い換えても丁寧

※「お控え賜り深謝〜」「お控え賜りまして深謝〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなも。

ようは「控えてもらい本当にありがとう!」「控えてくれて本当にありがとう!」と言いたいのですが…

丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

【敬語の補足】

※「いたします」は「する」の謙譲語”いたす”+丁寧語”ます”

※「いたしております」は「する」の謙譲語”いたす”+「いる」の謙譲語”おる”+丁寧語”ます”

『お礼申し上げます』など

「ありがとう」だけじゃないお礼・感謝の敬語フレーズ

「お礼申し上げます」をつかった例文を。

  • 【例文】お控えいただきお礼申し上げます
  • 【例文】お控えいただき厚くお礼申し上げます

※「お控えくださり・お控えくださいましてお礼〜」に言い換えても丁寧

※「お控え賜り・お控え賜りましてお礼〜」だとより丁寧

意味はどれも似たようなもの。

ようは「控えてもらいお礼します!」「控えてくれてお礼します!」と言いたいのですが…丁寧な敬語をつかうとこんな風にややこしい表現になります。

お礼フレーズ参考記事

使い方④断り「控えることはできません」の丁寧な敬語

「お控え」の使い方。

断りのシーン、つまり目上や社内上司・社外取引先に「控えることはできません!」「控えるのは無理です!」「お断りします!」と言いたいときにも使います。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。

『お控えいたしかねます』

「お控え」の使い方。

断り「お断りします!控えることはできません」と言いたいときにも使えます。

  • 【例文】お控えいたしかねます

意味は「控えることができません」

ようは「お断りします!」「控えることはできません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

ここで「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「引き受けることができません」
  • 【例文】ご要望にはお応えいたしかねます
    意味は「要望に応えることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご対応いたしかねます』

断り「お断りします!控えることはできません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご対応いたしかねます

意味は「対応することができません」

ようは「お断りします!」「対応できません!」ということなのですが、このままではあまりにストレートすぎて強い口調に感じられてしまいます。上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いたしかねます」という敬語をつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしかねます」は「~する」の謙譲語「お(ご)~いたす」に否定語”~かねる”をくっつけ、さらに丁寧語”ます”をくっつけた敬語

『ご要望にお応えすることが叶いません』

断り「お断りします!控えることはできません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】xxにより、ご要望にお応えすることが叶いません
  • 【例文】xxのため、ご要望にお応えすることが大変困難な状況でございます
    → 意味は「要望に応えることができない or 難しい」

あるいは、

  • 【例文】xxにより、お控えすることが叶いません
  • 【例文】xxのため、お控えすることが大変困難な状況でございます
    → 意味は「控えることができない or 難しい」

※「叶いません」は「したいけどできない」のようなニュアンス

使い方は「お控えいたしかねます」と似たようなもの。

ようは「お断りします!!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはあまりにストレートすぎます。「お断りします」は確実に失礼にあたりますので、二度と付き合いたくない相手にだけつかいましょう。

そこで、

「叶いません=したいけどできない」「大変困難な状況です=難しい」といった、遠まわしに断るフレーズをつかっています。

『ご要望に添いかねます』

断り「お断りします!控えることはできません」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】ご要望に添いかねます

意味は「要望に添うことができません」

使い方は「お控えいたしかねます」と似たようなもの。

ようは「あなたの控えてほしいという要望には応えることができません!」ということなのですが、このままだと上司や目上・取引先につかうにはイマイチ。

そこで、

「~しかねます=~することができません」というフレーズをつかうことで、より丁寧な断りのフレーズにしています

丁寧な断りのフレーズいろいろ

上司や目上・取引先につかえる丁寧な断りの敬語フレーズは他にもいろいろあり。

飲み会の誘いを断るのであれば「~は遠慮させていただきます

仕事の依頼を断るのであれば「~を見送らせていただきます

内定を辞退するのであれば「内定を辞退いたします

・・・などなど

ビジネスシーンごとにふさわしいフレーズがあります。

以下の記事もご参考にどうぞ。

使い方⑤催促「控えてくれた?」の丁寧な敬語

「お控え」の使い方。

つづいて催促・確認の敬語フレーズ。

目上や社内上司・社外取引先に「すでに控えてくれた?」「控えてもらった?」と言いたいとき。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文を紹介します。

※かならずしも「お控え」をつかう必要はなく、例文のように言い換えても丁寧

『その後いかがでしょうか?』

催促・確認「控えてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

「いかがでしょうか?」をつかって、

  • 【例文】その後いかがでしょうか?
    → 意味は「その後どうでしょうか」

としても丁寧。

わざわざ「お控え」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。

「①いかが=どう」+「②でしょうか=だろうか」という2つの語からなるため「どうだろうか?」という意味になりますね。

ちなみに「いかがでしょうか?」はどんな状況であれ確認・催促するのにつかえる丁寧な敬語フレーズ。

目上・社内上司にかぎらず取引先にも丁寧ですし、ビジネスメール・会話シーンをとわず活躍します。

覚えておくとかならず役に立ちます。

【敬語の補足】

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

『ご状況いかがでしょうか?』

催促・確認「控えてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

わざわざ「お控え」という言葉を入れずとも「いかがでしょうか?」をつかって確認・催促できます。

  • 【例文】ご状況いかがでしょうか?
    → 意味は「状況はどうでしょうか」

使い方や敬語の種類は「その後いかがでしょうか」とおなじため省略。

催促・確認するとき、便利かつ丁寧なフレーズですので覚えておくと必ず役に立ちます。

『お控え頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』

「お控え」の使い方。

催促・確認「控えてくれたの?」と言いたいときにも「お控え」をつかいます。

  • 【例文】お控えいただけましたか?
    → 意味は「控えてもらえましたか」

あるいは「~でしょうか?」を付け足して、

  • 【例文】お控えいただけましたでしょうか?
    → 意味は「控えてもらえたでしょうか」

としても丁寧です。

ようするに「すでに控えてもらえたのか?」「もう控えてもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

そんなに丁寧に催促する必要あるの?って思うくらい。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

敬語について解説していると日がくれるため…

わかりやすく以下の例文をそれぞれ見比べてみましょう。

  • 【例文】すでに返事したのか? vs. お返事いただけましたか?
  • 【例文】すでに対応したのか? vs. ご対応いただけましたか?
  • 【例文】すでに予約したのか? vs. ご予約いただけましたか?

どちらが丁寧に感じられるかは一目瞭然ですね。

ちなみに「お控えいただけましたか」よりも「お控えいただけましたでしょうか」のほうが丁寧

ただし結局のところどちらも上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語です。

あまり気にせず、あなたのお好みでお使いください。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

※現在形「お(ご)~いただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

※現在形「お(ご)~いただけますでしょうか?」をつかうと「~してもらえるだろうか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

『控えて頂けましたか?/頂けましたでしょうか?』

催促・確認「控えてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】控えていただけましたか?
    → 意味は「控えてもらえましたか」

あるいは、

  • 【例文】控えていただけましたか?
    → 意味は「控えてもらえたでしょうか」

としても丁寧。

とくに会話や電話対応シーンでつかわれる敬語ですね。

ようするに「すでに控えてもらえたのか?」「もう控えてもらえたのか?」という催促や確認の意味をあらわしているのですが、このままではあまりにストレート過ぎて目上や上司・取引先に使うにはイマイチです。

そこで遠まわりに「~していただけましたか?=~してもらえましたか?」として、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズにしています。

ただ、

丁寧レベルとしては「お控えいただけましたか?」「お控えいただけましたでしょうか?」のほうが上。

カチッとしたビジネス敬語がもとめられるシーンではお気をつけください。

【敬語の補足】

※「~していただけましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「~していただく」を可能形にして「〜していただける」とし、丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに推量”だろうか”の丁寧語「でしょうか?」をくっつけると「〜していただけましたでしょうか?」という敬語になる。

※現在形「~していただけますか?」をつかうと「~してもらえますか?」というお願い・依頼の敬語フレーズとなる。

その他『お控えくださいましたか』など

催促・確認「控えてくれたの?」と言いたいときに使える敬語フレーズ

他にはたとえば、

  • 【例文】お控えくださいましたか?
  • 【例文】お控えくださいましたでしょうか?
    → 意味は「控えてくれましたか?/控えてくれたでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お控えいただましたか?
  • 【例文】お控えいただましたでしょうか?
    → 意味は「控えてもらいましたか?/控えてもらったでしょうか?」

としてもまぁOKです。

※ “でしょうか?”は「だろうか?」の丁寧語(敬語)

意味や使い方は「お控えいただけましたか?」と似たようなものなので省略。

どれもまぁ上司・目上・社外取引先につかえる敬語です。

が、あまり一般的ではなくおとなしく「お控えいただけましたか?」「お控えいただけましたでしょうか?」のいずれかを使うことをオススメします。

【敬語の補足】

※「お(ご)~くださいましたか?」は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~くださいましたでしょうか?」という敬語となる。

※「お(ご)~いただきましたか?」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」に丁寧語の過去疑問形”ましたか?”をくっつけた敬語。さらに「だろうか」の丁寧語”でしょうか”をくっつけると「お(ご)~いただきましたでしょうか?」という敬語となる。

使い方⑥自分の行為「控えます!」の丁寧な敬語

「お控え」の使い方。

自分が「控えます!」「控えています!」と言いたいビジネスシーンにも敬語「お控え」をつかいます。

ビジネスシーン(メール・電話・上司・社内目上・社外など)につかえる丁寧な例文は以降でご紹介。

『お控えします/お控えいたします』

「お控え」の使い方。

自分の行為「控えます」と言いたいときにも「お控え」は使えます。

  • 【例文】お控えします
  • 【例文】お控えいたします

意味はどちらも「控えます」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけて敬語にしています。

ようするに「控えるよ!」という自分の行為をしめす敬語ですね。

どちらも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お控えします」よりも「お控えいたします」のほうが丁寧な敬語となります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~します」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語

※「お(ご)~いたします」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

『お控えしましょうか?/しますか?』

「お控え」の使い方。

自分の行為「控えます」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お控えしましょうか?
    → 意味は「控えましょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お控えしますか?
  • 【例文】控えましょうか?
  • 【例文】控えますか?

というように疑問文をつかっても丁寧です。

返事するなら『承知しました』などが丁寧

あるいは…

目上や上司・取引先から「控えてくれますか?」と質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

その他『控えさせて頂きます』など

自分の行為「控えます!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

他にはたとえば、

  • 【例文】控えさせていただきます
    → 意味は「控えさせてもらいます」
  • 【例文】控えさせてください
    → 意味は「控えさせてくれ」

あるいは、

  • 【例文】お控え申し上げます
    → 意味は「控えます」

なども丁寧です。

※ただし「させて頂く」「させて下さい」「申し上げる」はふさわしいシーンを考えて使うこと。なんでもかんでも使えば丁寧という訳ではない。

意味や使い方は「お控えします/いたします」と似たようなものなので省略。

とくに「お(ご)~申し上げます」はビジネス文書や手紙・丁寧なビジネスメールにしたいときなど、カチッとした敬語がこのまれるシーンでよくつかわれます。

【敬語の補足】

※「お(ご)~申し上げます」は「~する」の謙譲語に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

※「お(ご)~させて頂きます」は「~させてもらう」の謙譲語「お(ご)~させて頂く」に丁寧語”ます”をくっつけた敬語。

※「お(ご)~させてください」は「~させてくれる」の尊敬語「お(ご)~させてくださる」を命令形にした敬語。

使い方⑧希望「控えたい!」の敬語

「お控え」の使い方。

つづいてあなたの希望や意思・願望をあらわしたい時につかえる敬語フレーズ。

つまり、

自分が「控えたい!」と言いたいとき。

こんなビジネスシーンにも「お控え」をつかいます。

『お控えしたく存じます』

「お控え」の使い方:希望・意思・願望「控えたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お控えしたく存じます

あるいは、

  • 【例文】お控えしたく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「控えたいと思います」

謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~したく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

控えたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

【敬語の補足】

※「お(ご)~したく」は謙譲語の基本形「お(ご)~する」に希望の”~したい”をくっつけた敬語

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

『お控えいたしたく存じます』

希望・意思・願望「控えたい!」と言いたいときに使える敬語フレーズ

  • 【例文】お控えいたしたく存じます

あるいは、

  • 【例文】お控えいたしたく思います

としてもまぁOK。

意味はどれも「控えたいと思います」

※ひらがな表記「いたしたく」vs.漢字表記「致したく」はどちらもOK

謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の「~したい」をくっつけると「お(ご)~いたしたく」という敬語になります。

また「存じます」は「思います!」という意味の敬語(謙譲語)。

すべてあわせると、

控えたい!」という自分の意思や希望・願望をしめす敬語になりますね。

どれも目上・社内上司・社外取引先につかえるフレーズですが「お控えしたく存じます」よりも「お控えいたしたく存じます」のほうが丁寧な敬語となります。

【敬語の補足】

※「お(ご)~いたしたく」は謙譲語の基本形「お(ご)~いたす」に希望の”~したい”をくっつけた敬語。

※「存じる」は「思う」という意味の敬語(謙譲語)。丁寧語”ます”をくっつけると「存じます」となる。

使い方⑨許可を得る「控えてもいいか?」の敬語

「お控え」の使い方

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可を得たいとき。

つまり「控えてもいいか?」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

※ひとつ前の「控えたい」ときに使えるフレーズでも丁寧。相手にハッキリした答えをもらいたい時にはこれから紹介するフレーズをオススメします。

『お控えしてもよろしいでしょうか?』

「お控え」の使い方。

許可を得たい「控えてもいいか?」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】お控えしてもよろしいでしょうか?
    → 意味は「控えてもいいでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】お控えしてもよろしいですか?
    → 意味は「控えてもいいですか?」

としても丁寧。

「〜してもよろしいでしょうか?」の意味は「〜してもいいだろうか?」

「〜してもよろしいですか?」の意味は「〜してもいいですか?」

「よろしい」は「よい」の意味ですが、ビジネスシーンではより丁寧なフレーズ「よろしい」をつかうのが一般的。

【敬語の補足】

※「お(ご)~する」は謙譲語の基本形

※「よろしい」の意味は「よい」。「よろしい」のほうが丁寧なフレーズ。

※「〜でしょうか」は推量「〜だろうか」の丁寧語

『控えてもよろしいでしょうか?』

許可を得たい「控えてもいいか?」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】控えてもよろしいでしょうか?
    → 意味は「控えてもいいでしょうか?」

あるいは、

  • 【例文】控えてもよろしいですか?
    → 意味は「控えてもいいですか?」

としても丁寧。

意味や使い方は「お控えしてもよろしいですか/よろしいでしょうか」とおなじため省略。

「お控えしてもよろしいですか/よろしいでしょうか」のほうが、より丁寧な敬語ではありますが…

どちらをつかっても差し支えありません。

【敬語の補足】

※「よろしい」の意味は「よい」。「よろしい」のほうが丁寧なフレーズ。

※「〜でしょうか」は推量「〜だろうか」の丁寧語

使い方⑩許可をだす「控えてもいいよ!」の敬語

「お控え」の使い方。

つづいて上司や社内目上・社外取引先に許可をだすとき。

つまり「控えてもいいよ!」と言いたいときに使える丁寧な敬語フレーズをご紹介。

『お控えいただけます/お控えいただけます』

許可をだす「控えてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

  • 【例文】お控えいただけます
  • 【例文】お控えいただけます

意味は「控えてもらうことができます」

ようは「控えてもいいよ!」ということなのですが、このままではカジュアルすぎて上司や目上・取引先につかうにはイマイチですね。

そこで、

「~いただけます=~してもらうことができます」という敬語をつかうことで、ものすご〜く回りくどいフレーズで許可をだしています。

ビジネスシーンでは回りくどい敬語ほど丁寧にみられる傾向にあり。

そういう意味で丁寧といえます。

(本質的には間違っているのですが事実なので仕方ないです)

【敬語の補足】

※「お(ご)~いただけます」は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を可能形にして「いただける」とし、丁寧語”ます”をくっつけた敬語

返事するなら『承知しました』などが丁寧

許可をだす「控えてもいいよ!」の丁寧な敬語フレーズ

上司や社内目上・社外取引先から質問されたとき。

わかりました!」「了解しました!」と返事をする場合は、

  • 【例文】承知しました
  • 【例文】承知いたしました

あるいは、

  • 【例文】かしこまりました
  • 【例文】承りました(うけたまわりました)

としても丁寧です。

意味はどれも「わかりました・了解しました」

※ひらがな表記「いたします」vs.漢字表記「致します」はどちらもOK

ちなみに「承知」の意味は…

  1. 目上の人の命令などをうけたまわること
  2. 相手の願い、要求などを聞き入れること
  3. わかること、知ること

承知=知る+承る(うけたまわる)でなりたちます。

“お控えいただく vs お控えくださる”の使い方

ややこしいので「お控えいただく vs お控えくださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

“お控えいただく”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お控えいただく お控え頂きます -頂くよう
-頂きますよう
過 去 お控えいただいた お控え頂きました ×
進行形 お控えいただいている お控え頂いています -頂いております
過去~現在 お控えいただいていた お控え頂いていました -頂いておりました
希 望
依 頼
お控えいただきたい
お控えいただきたく
お控えいただくよう
お控えいただけるよう
お控え頂きたいです
×
お控え頂きますよう
お控え頂けますよう
-頂きたく思います
-頂きたくお願いします
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能 お控えいただける お控え頂けます -頂けるよう
-頂けますよう
①仮定
②仮定+可能
①お控えいただいたら
②お控えいただければ
お控え頂きましたら
お控え頂きましたら
×
①疑問+過去
②疑問+可能
③疑+
可+過
①お控えいただいたか?
②お控えいただけるか?
③お控えいただけたか?
お控え頂きましたか?
お控え頂けますか?
お控え頂けましたか?
-頂きましたでしょうか
-頂けますでしょうか
-頂けましたでしょうか
禁 止 お控えいただけない お控え頂けません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない

“お控えくださる”の使い方まとめ(すべて敬語)

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在 お控えくださる お控えくださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去 お控えくださった お控えくださいました ×
進行形 お控えくださっている お控えくださっています -くださっております
過去~現在 お控えくださっていた お控えくださっていました -くださっておりました
希 望
お控えくださるよう お控えくださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問 お控えくださるか? お控えくださいますか? ×
否 定 お控えくださらない お控えくださいません ×
命 令 お控えください お控えくださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります

※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK

※「×」としたのは一般的につかわない