現役営業マンが作成する2020年新卒用の就職偏差値ランキング。化学素材メーカー文系&理系総合職用です。前回2018年卒用から2年ぶりのアップデートです。就活・転職のご参考にどうぞ。
注1) 理系と文系を共通にしたが競争倍率および学歴フィルターは文系のほうが圧倒的に厳しい。理系ならパッと入れそうな企業でも文系ともなると、まず大学ごとの採用枠が無ければ相当に厳しい就職活動となる。文系は化学業界しか受けてないと全落ちするリスクもあるので滑り止め必須。理系なら企業さえ選ばなければ大抵は内定を得られるだろう。
注2) 対象業種:化学、ガラス・土石、ゴム。なお「*スリーエム」「*プライムポリマー」のように社名の前に「*」の付いているメーカーは外資ふくむ非上場企業であることを示している。
注3) 2ch就職掲示板とは一切関係ありません。完全に独自で作ってます。
注4) 更新履歴 2019/4; 初版公開
2019/5; 小林製薬 【50 → 58】大卒の待遇などを考慮し変更。
化学素材メーカー2020年卒(総合職)
【65】信越化学
***スーパーゴッド級***
- 総括:ありとあらゆる点において「神」と言えるほど素晴らしい企業。信越に関してとにかく言えるのは経営が磐石すぎること。そんなに大したことをやっている訳じゃないのだけどビジネスのやり方に優れている上に、あらゆるコストを極限まで削ることに優れている。
- 年収:なお年収は会社の格を考えると決して高いとは言えない(大卒なら30歳500-550万円、35歳700万円前後、40歳1000万円が目安)。他に高給な企業はたくさんある。良くも悪くも倹約主義。
- 注意事項:就職した瞬間に30年後の自分の姿が見えてしまうことが難点、チャレンジや面白みに欠けると言える。堅実でとにかく安定を求めるヒトにだけオススメする。
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【64】三井化学、東ソー、旭化成
【63】AGC、JSR、日東電工、住友化学、積水化学、日油、*スリーエム
【62】日産化学、大陽日酸、三菱ケミカル、ダイセル、日本ゼオン、帝人
【61】三菱ガス、昭和電工、日本触媒、クラレ、カネカ、*Dupont
【60】DIC、ブリヂストン、東レ、TOTO、花王、日本パーカライジング、東京応化、富士フィルム、関ペ、宇部興産、*BASF 他大手外資
***ゴッド級***
- 総括:会社の規模、経営の安定性、就職難易度、年収などの観点から高い評価を得ている会社たち(筆者の独断と偏見)。
- 年収:化学メーカーは総じて労働時間が短く、その割に給料も悪くない。コスパの高い業界である。決して高年収とは言えないが30歳500-600万円、35歳700-800万円、40歳前後で年収900-1100万円くらいが期待値(もちろん企業によって上も下もある…)。
- 激務度:一般的にはホワイト業界と言われる化学業界ではあるが、上司によってブラックな労働環境となる。長時間労働がつづくようなら即刻転職したほうが良い。労働時間が短く(労働時間を考えると)年収もそれなりに高いことが化学メーカーの魅力であるため、そのような環境じゃなければ我慢して会社にしがみつく必要は全くない。割に合わないと思ったらすぐ転職することをオススメする。
- 補足:なお日油やJSR、日本ゼオン、東京応化、日産化学、日本パーカライジングなどの中規模メーカーも含む。これらの企業は財務体質が健全で経営が安定していること、大手並みの年収水準にあることを評価した結果としてランクインした。また有力な外資化学メーカーもこのランクに入る。
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【59】日本ガイシ、日本特殊陶業、高砂香料、デンカ、ノリタケ、日本化薬、住友精化
【58】大日精化、ライオン、住友ベークライト、日本電気硝子、小林製薬
【57】日ぺ、日立化成、三洋化成、エアウォーター、日本高純度化学、*シェルケミカルズ
【56】東亞合成、太平洋セメント、トクヤマ、サカタインクス、クレハ、大阪有機化学、新田ゼラチン
【55】日本曹達、住友ゴム、横浜ゴム、フジミインコーポレーテッド、本州化学工業、第一稀元素化学工業、トリケミカル研究所、ニイタカ、上村工業、OATアグリオ、MARUWA、第一工業製薬、ハリマ化成、関東電化工業、*ポリプラスチックス、*プライムポリマー、*日本ポリエチレン
***15枚役級***
何かしらのネックがあり完璧とは言えないメーカーたち。ただし就職先としては決して悪くない。規模が小さい、年収が偏差値60以上と比べて低い、年収は高くても離職率も高い、将来性に疑問が残る(日本ガイシ・日本特殊陶業など)、規模はでかいが待遇イマイチ(タイヤ会社)、経営の安定感が無い、ブラック企業臭がする、などなどいずれかの理由でこのランクにおいた。仕事量に見合わない給料しかもらえないようなら、すぐに転職するべきである。
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【54】日本板硝子、ニフコ、住友理工、積水化成品、JSP、ADEKA、コニシ、アジアパイル 、太陽、デクセリアルズ、戸田工業、荒川化学工業、ノザワ、東京インキ、綜研化学、星光PMC、中国塗料、長谷川香料、群栄化学工業、日東紡績
【53】黒崎播磨、セントラル硝子、アイカ工業、KHネオケム、ニチハ、住友大阪セメント、ニチアス、セメダイン、四国化成工業、エステー、メック、日本農薬、クミアイ化学工業、藤倉化成、扶桑化学工業、ニチリン、日本特殊塗料、
【52】藤森工業、西川ゴム、東洋インキ、東洋ゴム、森六、バンドー化学、日本ヒューム、バルカー、東洋紡、*京葉エチレン
【51】東海カーボン、住友精化、タキロンシーアイ、大阪ソーダ、エフピコ、リケンテクノス、田岡化学工業
【50】石原産業、アース製薬、イノアック、東リ、エスケー化研、大日本塗料、ニッタ、信越ポリマー、チッソ、グンゼ、デサント、*イノアックコーポレーション
***リプレイ級***
ありとあらゆる観点からみて、きわめて平均的なメーカーたち。大過なくサラリーマン人生を送りたいなら別に悪くないと思う。年収も仕事量を考えるとまぁそこそこの水準にあり、30歳400-500万円、35歳500-600万円、40歳700-800万円が見込まれる(もちろん企業と出世速度による)。でも何度も言うように我慢して定年までしがみつくような企業ではない。
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【45~49】ユニチカ、倉敷紡績、日本毛織、品川リフラクトリーズ、大倉工業、ダイキョーニシカワ、日本カーボン、ヨータイ、ジオスター、多木化学、松本油脂製薬、トーヨーアサノ、日本ユピカ、ヤスハラケミカル、タイガースポリマー、カーリット、三谷セキサン、レック、日本化学産業、東洋合成工業、堺化学工業、大伸化学、ロックペイント、日本コンクリート工業、永大化工、アキレス、東邦アセチレン、ロンシール工業、前澤化成工業、共和レザー、日華化学、フコク、オハラ、アトミクス、櫻護謨、アイビー化粧品、片倉コープアグリ、藤倉ゴム工業、SECカーボン、ラサ工業、日本カーバイド工業、フクビ化学工業、アグロカネショウ、サンエー化研、旭有機材、Mipox、アジュバンコスメジャパン、有沢製作所、大成ラミック、ノエビア、ショーエイコーポレーション、マナック、石塚硝子、理研コランダム、日東エフシー、天馬、丸尾カルシウム、シーズ、イソライト工業、ニッカトー、美濃窯業、日本色材工業研究所、互応化学工業、高圧ガス工業、アサヒペン、ニックス、東京窯業、有機合成薬品工業、川上塗料、ダントー、スパンクリートコーポレーション、神島化学工業、日本デコラックス、ムトー精工、ポバール興業、東洋炭素、田中化学研究所、コタ、クニミネ工業、チヨダウーテ、神東塗料、昭和化学工業、きもと、東洋ドライルーブ、サンケイ化学、不二ラテックス、ポラテクノ、ヤマウ、スガイ化学工業
***ハズレ役***
ありとあらゆる観点から平均値を下回るであろう化学素材メーカーたち。一部には経営盤石の企業もふくみ会社として劣っているという訳ではないが、あくまでも就職するという観点から見たときの評価としてはこうなる。上位陣と比較して給料で劣っていたり、規模で著しく劣っていたり…などの理由による。給料は低いかもしれないが激務じゃない、という点においてはどの企業もおそらく優れている。あとは不幸にもパワハラ上司に当たってしまったら即刻転職するべきである。何度も言うように上司の当たりハズレであなたの会社人生が決まるので要注意。
2018卒用からの変化点
前回のは2018卒用であり2019卒用は作成し忘れていました…楽しみにしている方があまりに多かったので、今回2年ぶりにアップデートしました。
前回2018卒用からの変化点を念のため解説しておきます。
1. 非上場・外資大手もできるだけ入れた
今回のアップデートでは外資系企業および、何かしらの理由によって非上場となっている企業もできるだけランキングに入れた。
「*スリーエム」「*プライムポリマー」のように社名の前に「*」の付いているメーカーが外資ふくむ非上場企業であることを示している。
なお外資は日系の同等企業よりも年収だけみると高い傾向にあるが、上層部のポストがポンコツ外人によって占められていたりして部長以上のポストが日系にくらべて少ないため、生涯年収の期待値ではどちらも大して変わらないだろう。
あとは突然、日本から事業撤退したり、今後縮小するリスクも抱えている。
外資には色々とメリットデメリットがあるので以下の記事も参考にしてもらいたい。
2. 将来性を重視しすぎることをヤメた
これまでの就職偏差値ランキングでは企業の将来性をそれなりに重視し作成していた。
が、2年を経て100%当たったとは言い難い状況であるため、明らかに先行きが暗い企業以外は今の実力と数年先の未来だけを見ることにした。化学メーカーは結局のところ30年前からちゃんと生き残ってきたし、今後30年経っても何だかんだで生き残っているだろう。
そして個別企業の将来性はまるっきり読めない時代になってきた、との筆者の言い訳も含まれる。
中国企業の環境規制がこんなに本気で取り組まれるとは思わなかったし、とくに汎用ケミカル分野においてここまで日系企業の追い風になるとは当時、想定していなかった。さらに三菱ガス化学のサウジ合弁企業問題もまったくの想定外であった。
(どちらも詳しくは【2018年】化学素材メーカー売上ランキング国内TOP50にて解説)。
なお旧来の就職偏差値は以下のとおりの基準を採用していた。
- 2ch基準:①W内定で選ばれる>>>②内定者の学歴>③就職難易度
- 新基準:①将来性+②年収期待値+③学歴+④難易度+⑤規模と業績
【参考】就職偏差値ランキングの基準
3. ランキングを上げた企業、下げた企業
とくに上位ランキングに位置するメーカーにおいて、ランキングを上げた企業・下げた企業について理由を解説しておく。筆者の独断と偏見なのであくまでも参考程度にお考えを。
- 信越化学工業【66】→【65】
あらゆる点において化学メーカーのなかでは素晴らしい企業である。が、これまでちょっと過大評価気味だった化学メーカー全体において、ランキングを下げることにした。 - 旭化成【65】→【64】
業績の安定感、将来性、年収、働き方などの点において化学メーカーのなかでは素晴らしい企業である。が、これまで過大評価だった全体のランキングを少しずつ下げることにした。 - 三井化学【63】→【64】
ラッキーなことに基礎化学品(とくにフェノール チェーン)の市況が噴き、業績改善傾向にある点を評価。もともと待遇面や働き方は悪くなく、業績だけが気になる点であったため今回アップデートでランキングを上げた。ただし基礎化学品における業績改善は中国企業の環境規制によりライバルが生産停止に追い込まれていることが主要因。完全にラッキーであり、今後の動向には注視が必要。 - 東ソー【63】→【64】
特別な理由はないが、他企業とのバランスを見直した。 - 東レ【65】→【60】
素晴らしい企業ではある。が就職先として見たときにはどうにもイマイチな点が多いためだいぶ下げた。とくに伝統的な繊維がらみのビジネスは客先がユニクロなどブラック企業なので、それに引っ張られて激務になる(そして体育会系)。それでも給料が高ければ我慢もできるが、他大手とくらべて若干低めである。なお化学品を扱う事業なら(たぶん)そんなに問題はない。 - 日産化学【2UP】、日油【5UP】
経営の安定感および資産の安全性、会社規模の割に年収が高いことなどを高く評価した。 - その他マイナーアップデートあり
なお最新の化学メーカーの業績に関しては以下の記事でそれぞれコメントしているので、ご参考までに。
参考となる過去記事
- 年収ランキングにだまされるな!隠れ高収入の化学素材メーカー総合職
- 化学メーカーで将来性と安定性のあるトップ3社【就活・転職の企業研究】 →3年前に書いた記事で外れてることも多いですが…企業の本質はあまり変わってないかと。
- 3分でわかる化学業界。今後の動向と将来性まとめ【2016年版】 →いま見ると的外れな発言も多いのですが…それでも化学業界に関して言いたいことは変わらないです。
- 1000万円超えもある?メーカー平均年収ランキング100【2019年版】
- 辞めたいと思う仕事・職業ランキング30選
20卒です。参考にしています。
富士フィルムについてですが、働き方改革などでブラック体質に変化は生まれたのでしょうか?